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一般知識

知識社会学とは?例を挙げながらわかりやすく解説

知識社会学とは




この記事では知識社会学とは何か、解説した後
知識社会学の具体例を挙げながらわかりやすく説明していきます。

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知識社会学とは?

以前の記事で理解社会学について解説しました。
ウェーバーの理解社会学についてわかりやすく解説

知識社会学は、当然かもしれませんが理解社会学とは違います。

まず知識社会学とは何か?という抽象的な定義から説明します。
あとで具体例を挙げますので、ここでは「そういうものなんだ」
と思っていただけるとありがたいです。

それでは説明しますね。
ある人がいたとします。
その人の社会的な立場とその人の物の見方、考え方の間には
深い相関関係があると知識社会学では考えます。

そして、社会的な存在とその人が持つ意識とか価値観とか
そういうことの関連性を考えていく学問が知識社会学です。
知識社会学の代表的な学者にマンハイムがいます。

それでは知識社会学の具体例を挙げていきますね。

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知識社会学とは?を理解するための具体例

知識社会学の代表選手がマンハイムさんです。
マンハイムは『イデオロギーとユートピア』という本の中で
現状維持に役立つような概念のことをイデオロギーといい、
現状の変革に役立つような概念のことをユートピア的と分けました。

さらにはマルクスとエンゲルスのドイツイデオロギーの中のさまざまな
イデオロギーに関するところについてもマンハイムさんは指摘しています。

マルクスとエンゲルスは自分と敵対する相手に対しては
その考え方は「イデオロギー的だ!」と批判するけど、
自分自身が支持する労働者階級の立場の人々が持つ社会主義はイデオロギーではなくて
科学的な真理であると述べています。

そのことについてマンハイムは「それはおかしいでしょ!」と主張しました。
自分と敵対する相手のことは「イデオロギー(虚偽意識とも)的だ」というのは
いかがなものかということです。

マルクスとエンゲルスは「意識が存在を規定するのではなくて
社会的な存在が意識を規定する」といいました。

例えば資本主義社会の中で資本家階級というのは
支配階級として君臨しているわけです。
ものを作る生産手段を資本家階級のたちは自分の手で所有しています。

だから資本家階級の人たちは自分のお金で会社を作って
従業員を雇って、会社で得た利益を自分の懐に入れていくわけです。
たとえば、資本家階級の人たちって自分の会社の株式を買っていて
株の配当でお給料をもらってたりしますね。

株の配当の方がお給料よりも国に支払う税金が安くなるからです。
そういう社会です。

だから資本家階級にとっては資本主義社会が延命して維持されるということが
自分たちの利益にかなっているわけです。

そしてそれに対して労働者階級というのは物を作る生産手段を所有していません。
だから働いても働いても自分の暮らしが楽になりません。
ワーキングプア―の状態から脱出することができないわけです。
そうなると労働者階級からしてみたら資本家階級の人たちが望んでいるような
資本主義がずっと続いてもらっては困りますよね。

そこで労働者が団結して資本家階級から物を作る生産手段を奪い取ろうとなるのは自然のことかもしれません。
労働者全体の所有にすることによって、
そこでできた利益をみんなに平等に分配するという社会主義の社会を共に作っていこうと呼びかけるわけです。

そうすると同じ資本主義社会の中でも
資本家階級の立場に立つとどうでしょう?
ある意味現状維持ですね。
その社会が維持されてずっと続くということが利益につながります。
だから資本家階級の人からするとずっと資本主義社会が続いて欲しいと思うでしょう。
資本主義社会を肯定的にみるような物の見方、考え方をするようになるでしょう。

これに対して労働者階級は資本主義社会の中で
不利益を被っています。
すると資本家階級の人が得するような資本主義社会が
ずっと続くというのは労働者階級の人にとっては困るし、
面白くもないでしょう。

だから労働者階級資本家階級が得をするような資本主義社会をぶっ壊して
社会主義を目指していこうとするわけです。

だから1つの資本主義社会の中で、自分がどのような立場に身を置くかによって
資本主義社会を肯定的に見る資本家階級の人のような物の見方、考え方が作られたり
逆に資本主義社会を否定的に見る労働者階級の人のような物の見方、考え方が作られたりします。

だから『存在が意識を規定する』ということです。
この場合の存在というのは社会的な立場がその人たちの物の見方、考え方を規定するということになりますね。

社会的な立場

・資本家階級
・労働者階級

ですね。

そういうことをマルクスさんとエンゲルスさんは述べています。

それなのに自分たちが立つ労働者階級の立場が
社会主義のイデオロギーを持っているのに
それはイデオロギーではなくて科学的な真理だというのは自己矛盾に陥っていると
知識社会学のマンハイムは否定しているのです。

その人の社会的な立場とその人の物の見方、考え方の間には
深い相関関係があるということです。
社会的な存在とその人が持つ意識とか価値観とか。
そういうことの関連性を考えていく学問が知識社会学であり、
ここまで解説した内容が具体例になります。

以上で解説を終わります。