前回の記事ではプラトンのイデア論とは何か?解説しました。
⇒イデア論とは?わかりやすく解説
今回の記事ではプラトンの哲人政治と四元徳とは何か?
わかりやすく解説していきたいと思います。
哲人政治とは?
哲人政治とは何か?というと
哲学者が政治家になるとか、政治家が哲学を学ぶことです。
これはプラトンの話です。
よくある問題に
『プラトンは民主制を理想としていた』ってあったら
こえは間違いになります。
プラトンが理想としたのは『エリート支配』です。
前回解説したプラトンのイデア論において。
⇒イデア論とは?わかりやすく解説
あらゆるものの理想であるような最高のイデアである善のイデアを
精神の働きで捉えようとしたのがプラトンがいうところの哲学者です。
こういった哲学者という人は少数のエリートだったのですが、
こういった少数のエリートが国を治めるというのが理想だとプラトンは考えました。
自分の師匠であるソクラテスは民主的な裁判で死刑になっているので
プラトンは民主制を信じていませんでした。
⇒ソクラテスの無知の知と問答法(産婆術)とは何か?わかりやすく解説
むしろ哲学者が国を治めるという哲人政治という考え方を重視していました。
哲人政治という考え方を理解するために
哲人政治の『哲人』の意味を理解して欲しいです。
哲人の意味を理解する前提として四元徳(しげんとく)という考え方があります。
では四元徳ってどういう考え方なのでしょう?
以下、分かりやすく解説します。
四元徳とは?わかりやすく解説
哲人政治の背後に四元徳という考え方があります。
以下の図をご覧ください。
図の一番左側をご覧ください。
プラトンに言わせると
・理性
・気概(意志とも)
・欲望
の3つに分かれると考えました。
この魂が3つに分かれることを魂の三分説といいます。
哲人とは前回解説したイデア論にも登場した魂を構成するものの中で
一番、理性が占める割合が高い人のことです。
つまり、『哲人=理性』という理解でOKです。
・理性は知恵に
・気概は勇気に
・欲望は節制に
なって表れるとプラトンさんは考えました。
そしてプラトンに言わせると、
『知恵』というものがリーダーシップをとって『勇気』と『節制』を
コントロールしてやると『正義』という4番目の徳が実現して
理想的な人間になれると考えました。
誤解を恐れずにいうと、
哲人⇒理性⇒知恵⇒リーダーシップとって正義が実現⇒理想的な人間
という感じなので、哲人=理想的な人間ということでうす。
・知恵
・勇気
・節制
・正義
の4つのことです。
そして
プラトンは国家も同じような関係になっていると考えました。
これが図の右側です。
・哲人(支配者のこと)
・防衛者(防衛する人)
・生産者
の3つに分かれるとプラトンは考えました。
先ほどもいったように哲人は魂の中でも理性が占める割合が高い人です。
こういう人が国を支配すべきだとプラトンさんは考えました。
支配する人(哲人)が防衛者や生産者をコントロールすることによって
国家における正義というものが実現して理想国家ができると考えました。
理性が知恵となってあらわれている人をプラトンは哲人だと考えているので
この哲人(哲学者のこと)が国を治めるのが理想だということです。
哲人が国を治めることによって国家における正義が実現するということで
プラトンは理想的な政治として哲人政治を支持したのです。
以上のような国家のあり方についての考え方が哲人政治の背後にあります。
なので、哲人政治とは何か?というと
哲学者が政治家になるとか、政治家が哲学を学ぶことだといえますね。
以上で哲人政治と四元徳についての解説を終わります。