この記事では本居宣長の真心(まごころ)と
『もののあわれ』についてわかりやすく解説します。
本居宣長の真心(まごころ)と『もののあわれ』とは?
国学とは?
本居宣長の思想は国学に属します。
国学は日本独自で江戸時代の思想です。
国学って何か?
というと日本人本来の心を取り戻そう。
そのために漢意(からごころ)を取り除こう。
こういう動きが国学になります。
漢意(からごころ)とは中国の儒教や儒学の影響を受けている人のことです。
そういうのは賢しら(さかしら)だといいます。
賢しらとは利口ぶることです。
とにかく何でも理屈で説明しようとする。
そういうのは賢しらだ。
そうじゃなくて日本人本来のそういう精神を明らかにして
これにしたがってこれから生きていこうというのが国学になります。
特に日本の漢意(からごころ)に影響を受ける前の
古典文学を国学は研究しているわけですが、
荷田春満(かだのあずままろ)とか賀茂真淵(かものまぶち)などがいて
本居宣長が大成者です。
国学の重要人物といわれれば
本居宣長(もとおりのりなが)となります。
あくまでも本居宣長は国学の大成者であって
創始者ではありません。
もし公務員試験や行政書士試験で『本居宣長は国学の創始者だ』という選択肢があったら間違いです。
この辺、ご注意ください。
ちなみに賀茂真淵(かものまぶち)は
本居宣長の師匠に当たるような国学者です。
このことからも本居宣長は創始者なわけがありません。
あくまでも本居宣長は国学の大成者です。
本居宣長の真心(まごころ)とは?
本居宣長は賀茂真淵(かものまぶち)の教えを受けて
古事記の研究をして国学を大成したことで有名です。
この古事記の研究を通じて本居宣長は古事記伝を執筆しています。
⇒古事記伝(1)【電子書籍】[ 本居宣長 ]
せっかくなので、前から行きたかった本居宣長記念館にも行ってきました🙆
町医者だった宣長は、5キロの薬箱を持って最大40km移動し往診したそうです😺本職は疎かにせず家族を養い、35年間研究し古事記伝44巻を完成させました👍
凄い人ですよね🙀#本居宣長 #本居宣長旧宅鈴屋 https://t.co/LKVqsNUlpF pic.twitter.com/2IENCmqNqe— 黒豆 (@KQUggu084sshmDg) July 22, 2023
そして古事記伝の中で『真心(まごころ)』という言葉が登場します。
『真心(まごころ)』こそが日本人本来の心だと本居宣長は主張しました。
『まごころ』とは何か?というと偽りのない素直でおおらかな心のことです。
別の言い方をすると、
よくても悪くても生まれついたままの日本人本来の心。
これが『真心(まごころ)』ということになります。
本居宣長の『もののあわれ』とは?
本居宣長は源氏物語玉の小櫛 という本を書いています。
⇒【中古】 源氏物語玉の小櫛 物のあわれ論 (現代語訳本居宣長選集)
源氏物語玉の小櫛(げんじものがたりたまのおぐし)という本の中で
『もののあはれ』を日本の文学の本質として考えました。
『もののあはれ』とは何か?というと
何かに触れた時に沸き起こってくる心の嘆きの声のことです。
こういうような形で日本人本来の心、
日本の文学の理念を提示したのが本居宣長という国学者になります。
以上で解説を終わります。