この記事では大陸合理論についてわかりやすく解説します。
目次
大陸合理論の3つの特徴とは?
まず大枠から解説しますね。
(1)理性
(2)生得観念(せいとくかんねん)
(3)演繹法(えんえきほう)
という3つの特徴があります。
大陸合理論で有名な人はデカルトさんで
『われ思う、ゆえにわれあり』という言葉が有名です。
ちなみに今後イギリス経験論と大陸合理論の違いについて解説するつもりなので
ここで簡単にイギリス経験論の特徴についても簡単に説明しておきますね。
(1)経験
(2)習得観念(しゅうとくかんねん)
(3)帰納法(きのうほう)
という3つの特徴があります。
イギリス経験論で有名な人はベーコンさんで
『知は力なり』という言葉が有名です。
他にもイギリス経験論ではロックさんやタブラ=ラサさんも有名です。
大陸合理論とは明らかに違いますね。
それではさらに詳しく大陸合理論について解説していきますね。
大陸合理論とは?わかりやすく説明
・大陸合理論
・イギリス経験論
という2つの大きな流れがあります。
この2つが対立しながら西欧の近代思想が作られていきます。
大陸合理論というのはヨーロッパ大陸、
主にドイツとフランスで起こった哲学の流れのことです。
イギリス経験論は当然、イギリスで起こった哲学の流れになります。
この記事では大陸合理論について解説していきますが、
3つ特徴づけを理解するようにしましょう。
大陸合理論の特徴(1)理性
大陸合理論に関しては3つの特徴づけがわかると理解が深まりますよ。
まず1つ目の『理性』ですが。
大陸合理論における『理性』とは私たちの知識の出発点という意味です。
どうして私たちが正しいことを正しいとわかるのでしょう?
それは理性という私たちに物事を合理的に判断するという能力が備わっているからだと大陸合理論に立つ人はいいます。
たとえば「3+1=4だ」とか
「目の前に犬がいる」とかを正しく判断できるのは
私たちに物事を合理的に判断できる理性という能力が
もともと人間に備わっているからだと大陸合理論に立つ人は主張します。
大陸合理論の特徴(2)生得観念(読み方:せいとくかんねん)
生得観念の『観念』とは頭の中にあるイメージのことです。
たとえば「猫のことを想像してください」というと
頭の中に猫のイメージが浮かぶと思います。
これが観念です。
頭の中に浮かぶイメージが観念です。
この観念を生得したと主張したのが大陸合理論のポイントになります。
では生得(せいとく)とは何でしょう?
生得とは『生まれつき持っている』という意味です。
大陸合理論者はすべての観念ではないものの
すごく大事な観念(頭の中に浮かぶイメージ)に関しては頭の中にあらかじめ入っていると考えました。
これが大陸合理論者の生得観念です。
たとえば神の観念。
神のというものは完全なるものという観念(頭の中に持っているイメージ)だと
大陸合理論者は考えていました。
なので神はあらかじめ生まれながらにして
私たちの頭の中に入っていると大陸合理論者は考えました。
あと因果律(いんがりつ)の観念というものも
生まれつき頭の中に入っていると大陸合理論者は主張しました。
因果というのは原因と結果の観念というもの、
つまりどんなものにも原因があって、
あらゆるものは原因と結果にしたがって動いているという考え方(観念)というものも
私たちの頭の中に生まれつき入っていると大陸合理論者は考えました。
ちなみに因果律の考え方がのちにイギリス経験論の人たちと大きな論争を巻き起こすことになります。
大陸合理論の特徴(3)演繹法(えんえきほう)
演繹法は学問の方法論になります。
どういうものか?というと普遍的な原理から出発して個別的な結論を導き出す(証明する)ものが演繹法です。
流れとしては普遍的なもの、あるいは一般的なことから
個別的なことを証明していきます。
これが演繹法になります。
演繹法は主に数学とか幾何学などで使われる証明法になります。
たとえば幾何学でいうと、中学校で2つの三角形が相似であるとか
合同であるとか証明するような問題を習ったと思うのですが、
最初にいくつか原理が与えられていましたよね。
3組の辺の比が全て等しいとか。
三角形の相似条件(中学校数学レベル)の① 3組の辺の比が全て等しい がわからんとか言われてまず禿げた。
そんで、とても丁寧に、極めて丁寧に、猿でも豚でもわかるくらい丁寧に段階を追って教えてやったらキレられた。何こいつ死ね— 白羽@BOF:ET (@shiroha_F14) November 12, 2019
相似難しい!中学校の時ちゃんとやっとけばよかった。゚(゚´Д`゚)゚。
— 平成 (@kinokonigate) October 20, 2013
他にも錯角が等しいとか同位角が等しいとか、
あらゆる三角形に成り立つような一般的な原理が与えられていて
そこから角Bは何度ですか?みたいな問題が出題されたりします。
そして分度器を使わずに今いったような一般的な原理から証明することによって
角Bがたとえば30度みたいな個別的な答えを出したと思いますが、これが演繹法です。
こんな感じで演繹法は数学とか幾何学などで重視されていて
大陸合理論の1つの特徴になっています。
以上で解説を終わります。