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一般知識

アノミーとは?例を挙げながらわかりやすく解説

アノミーとは?例を挙げながらわかりやすく解説




私たちの社会は、目まぐるしい変化の渦中にあります。
しかし、この変化がもたらすのは、
単に新しい技術や機会だけではありません。

深刻なアイデンティティの危機、価値観の喪失、
そして「アノミー」という形で現れる
社会的混乱も同時に引き起こされています。

この記事ではアノミーとはどういうことなのか?
例を挙げながらわかりやすく解説していきます。

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アノミーについて理解する大前提であるデュルケム

アノミーとは遠いギリシャの地からやってきた用語です。
もともとは「ルールがない状態(無法律状態)」を意味しています。
社会学者のデュルケムさんは、このアノミーという言葉を使って、
人々がなぜ自分の命を絶つのか、
その理由を4つのタイプに分けて説明してくれました。
これを専門用語でデュルケムの自殺の4類型といいます。

デュルケムの自殺の4類型とは

(1)自己本位的な自殺
(2)集団本位的な自殺
(3)アノミー的な自殺
(4)宿命的な自殺

のことです。

(1)自己本位的な自殺

自己本位的な自殺ですが、これは、
まるで一人で無人島にいるような孤独感からくるものです。
社会とのつながりが薄れ、人は自分だけの世界に閉じこもりがちになります。

(2)集団本位的な自殺

集団本位的な自殺ですが、これは反対に、
グループや集団の規則に自分を犠牲にするほど
深く従ってしまうことから生じます。
まるで、家族や大切な人のために自分を忘れてしまうようなものです。

(3)アノミー的な自殺

アノミー的な自殺ですが、これは社会が大きく変わって、
ルールや目標が不明確になったときに起こります。

例えば、会社が倒産して仕事を失ったり、
大切な人との関係が急に終わったりしたとき、
何を目指していいのかわからなくなってしまう感じです。

戦争が終わった直後の社会、
人々の欲求とか欲望が解放される、そうすると
みんなは刺激が欲しくなります。

だから自分の欲望の限りを尽くそうとします。
その刺激、欲望が満足できました。
そうすると人間はさらなる欲望を満たしたいと思います。
欲望には限りがありません。
刺激もどんどん強い刺激を求めます。
でもそういうものが自分で充足することができなくなったときに
この世の中に別れを告げようという形でとられるのがアノミー的な自殺です。

だから世の中が発展すればするほど欲望が歌劇になればなるほど
それがちょっとしたことで達成できなかったときに
この世におさらばしたいという形でとられるのがアノミー的な自殺ということになります。

(4)宿命的な自殺

宿命的な自殺ですが、
これは逃れられない運命に立ち向かうような状況で起こります。
例えば、重い病気になってしまい、
その苦しみから逃れるために自ら命を絶つような場合です。

デュルケムの自殺の4類型をまとめると

デュルケムさんが教えてくれたのは、
私たちの周りにある見えないルールや、
そのルールが変わるときに私たちがどう感じるか、
ということです。生活の中で起こるさまざまな変化を通して、
自分自身や周りの人がどのように感じているかを
理解する手がかりを与えてくれるのです。

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アノミーとは?

先ほども解説したように
アノミーとはルールがない状態(無法律状態)のことです。

アノミーというのは、まるで家の中で
「これはダメ、あれもダメ」というルールが
なくなったような状態のことを言います。

具体的に言うと、社会で共有されている
「こうあるべき」という規範やルールがなくなったり、
力を失ったりしているような状況のことです。
たとえば、料理をするときにレシピがない状態を想像してみてください。

何をどう作ればいいのか分からなくなってしまいますよね。
それと同じで、社会にも「レシピ」のようなものが必要なんです。
それがないと、人々はどう行動していいのか迷ってしまう。
それがアノミーという状態です。

もしこの記事をご覧のあなたが大学生なら
大学のキャンパスが急にルールや規則を失った状態を想像してみてください。
通常、大学には授業の時間割りや試験のルール、
学生生活を円滑にするための様々な規範がありますよね。

でも、もし一日突然、
これらの規則や指針がなくなってしまったらどうなるでしょうか。

例えば、試験の日に、いつものように教室に行くと、
「今日はどの科目も試験はありません」と言われる。
友達に聞いても、教授に尋ねても、誰も何が起こっているのか、
これから何をすべきなのかを知らない。

授業についての情報も、卒業要件についての明確な案内もない。
このような状態が続くと、学生たちは混乱し、
何を目指していいのか、
どう行動すればいいのか分からなくなります。

このように、社会でも、人々が共有する
「これが正しい、あれは間違っている」という社会的な
ルールや規範が失われたり、弱まったりすると、
人々は方向性を見失い、不安定な状態に陥ります。

これがアノミー、つまり「無法律状態」です。
大学生活における指針や規則がない状態を通じて、
社会全体でルールが失われた時の混乱や不安を想像することで、
アノミーの概念を理解することができます。

あなたが公務員試験受験生なら
公務員試験の勉強をしている状況を思い浮かべてみてください。
普段、受験生は試験の範囲、出題傾向、過去問の解析といった、
合格に向けた明確なガイドラインに従って勉強を進めていますよね。

これらのガイドラインがあるおかげで、
効率的に勉強を進めることができ、
目標に向かって進むことができます。

しかし、もし突然、
公務員試験のルールが全部なくなったり、
試験の内容や形式が全く予測できない状態になったと
想像してみてください。

試験範囲が不明確で、
どの教科をどの程度勉強すればいいのかわからない、
試験の日程も、形式も、合格基準も不透明で、
受験生はどう準備していいのか途方に暮れます。
このような状況では、目標に向かって努力する意欲も、
自信も失われがちです。

この例えは、社会で「アノミー」と呼ばれる状況に似ています。
社会が共有するルールや規範がなくなると、
人々は何を基準に行動すればいいのかわからなくなり、
不安や混乱に陥ります。

公務員試験のガイドラインがない状態での勉強の難しさを通じて、
社会的なルールや規範が人々の行動に
どれほど重要な役割を果たしているかを理解することができます。
社会における「ルールの失われ」がもたらす
不安定さや方向性の喪失が、アノミーの状態として表れるのです。

こんな感じでアノミーとは社会的な規範がなくなったり
弱まったりしている状態のことです。