経済学にはマクロ経済学とミクロ経済学があるのを
ご存じの方も多いと思います。
⇒ミクロ経済学における短期と長期の違い
⇒マクロ経済学で分析する3つの市場について詳しく解説
経済学におけるミクロとマクロというのは対象も方法も違うので
厳密にいうと別分野扱いになります。
ですが社会学におけるミクロとマクロは
そんなにはっきりとした区別はありません。
国全体とかそういうふうな大きな領域を扱うのがマクロ社会学。
逆に、小さな教室の中で何が起こっているのか、
小さな領域を扱うのがミクロ社会学といいます。
こんな感じでミクロ社会学とマクロ社会学ではそこまではっきりとした違いがないにもかかわらず、
ミクロ社会学とあえて強調するようになったのは、
パーソンズへの反発が大きいです。
⇒パーソンズの行為システムとは?わかりやすく解説
パーソンズの社会学というのは例えてみると、
森に遭難している人がいて、その人が高い木に登って、
森全体を見渡して「俺は森全体を把握したぜ」
みたいな気分になっています。
でも高いところから見渡したところで
本当に森全体の状況を把握できるのでしょうか?
もしかしたら熊がいても熊は潜んで隠れているかもしれません。
あるいは高いところから見下ろしても
森の中で冬に備えて一生懸命働いているアリの生活が見えるわけでもありません。
こんな感じで全体を見渡して分かった気になっているんじゃなくて
もっと身近な領域を社会学で捉えていこうという興味関心から
ミクロ社会学という問題意識が発達してきたんですね。
たとえば、ミクロ社会学では『自我』があります。
自我=人の心です。
「人の心(自我)なんて心理学なんじゃないの?」
と思った方もいるでしょう。
でもミクロ社会学でも自我は扱います。
続いてミクロ社会学の一例として、
クーリーの『鏡に映った自我』について解説します。
⇒クーリーの鏡に映った自我とは?例を挙げながらわかりやすく解説