今回の記事では手段的役割、表出的役割とは
どういうことなのか、分かりやすく解説していきます。
手段的役割、表出的役割とは?
パーソンズさんは「家族の中でもお父さん、お母さんが果たしている役割が違う」
ということで家族の中の役割分担、基本構造について研究しています。
パーソンズはお父さんが果たしている役割を『手段的役割』とか『道具的役割』
と名付けました。
手段的役割(道具的役割)とは?
手段的役割は英語だと『Instrumental role』となります。
「男は外で黙って仕事しろ!」
「男は家族が生き残るための道具だよ」
みたいな感じで家族を養うために外でお金稼ぐ道具になっているというのが手段的役割です。
とても昔は男は黙って仕事してる背中で語るだったけど(不言実行)ちょっと前には有言実行に変わって、今は内容まで見せてくれる❗やっぱ相手も人だもの、その方が親近感持てるしナマモノでイキモノだと実感出来て嬉しい(*>∀<*)✨#かまいたち
— ジタチ (@NiuL2moW7LYVWyC) March 27, 2022
これに対してお母さんは何をやっているのでしょう?
家の中で表出的役割を担っています。
表出的役割とは?
表出的役割をは英語だと『expressive roles』となるのですが、
表出的を『感情的』と言い換えると理解しやすいと思います。
昔ながらの男女の性別的役割のイメージです。
男は外で黙って仕事するという道具(手段的役割)になっていて
女は家の中で感情的にニコニコ笑いながら家族をまとめ上げる(表出的役割)みたいなイメージです。
さらに上位者、下位者に分かれます。
お父さんは手段的上位者で息子は手段的下位者、
お母さんは表出的上位者で娘は表出的下位者です。
ですから男の子女の子2人いる4人家族が機能的に安定しているということになります。
これを性別役割分業といいます。
ただ、これに関してはいろいろ批判があります。
性別役割分業に対する批判
性別役割分業というのは男性、女性というのは生まれつき役割が違うという考え方のことです。
つまり、男と女は生まれ持った役割があってそれで役割分担しているという考え方のことです。
これは1950年代の考え方で、パーソンズが提唱しています。
〇オグバーン 文化遅滞の他に家族機能縮小論
〇パーソンズ システム論的アプローチの他に父親の手段的役割と、母親の表出的役割という性別役割分業モデルを提示。
イリイチ シャドゥゎーク❤— 一ノ瀬あお寿郎❤️🔥 (@ao_umi27) August 2, 2015
アメリカで1950年ころっていうのは
専業主婦が理想の生き方だという考え方が浸透していた時代です。
性別役割分業は社会学の用語ですが、
社会学者に対する批判に『社会学者ってよく考えてみると当たり前のことを
わざわざ難しい言葉で言い換えているだけだよね』というのがあります。
まさにパーソンズの性別役割分業とか手段的役割なんかもそうです。
当時のアメリカで常識だった男女の役割分担の話を難しい言葉でわざわざ言い換えただけの話です。
以上で解説を終わります。