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一般知識

行政国家の問題点とは?

行政国家 問題点




以前、行政国家とは何か解説したことがあります。

今回の記事では行政国家の問題点について解説します。

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行政国家の問題点

行政国家は立法国家と対比して使われることが多いです。
20世紀の国家が行政国家です。

どうして行政国家か?というと
立法府が行政府に委任立法をさせるからです。
立法府=国会だと思ってください。
国会の仕事は法律を作ることです。

なので本来法律を作るというのは議会(国会、立法府)。
なのに、議会は法律の枠組みだけを作って
あとの細かい内容は行政府に任せてしまう。
これを委任立法といいます。
そんな委任立法が増えてきているということから行政国家だといわれるわけです。

では委任立法が増えたというのはどういうことを指しているのでしょう?
行政府が実質的に政策作成しているということです。
実質的に行政府が自分たちで政策を作って
自分たちで政策を実施しているということです。

ではどうして立法府が法律(政策)を作らずに
行政府に任せてしまうというようなことになってしまったのでしょう?

役人

行政府は専門的なことを知っているし、専門的なことができるからです。
たとえば、農林水産省の役人の方が
大衆から選挙で選ばれた政治家よりも、畜産のことがよくわかっています。

豚

私は獣医師なのでよくわかりますが、
豚の法定伝染病である口蹄疫なんて大衆から選ばれた政治家よりも
獣医師国家試験に合格し獣医師になったあと、
国家公務員になった役人の方がよく知っているはずです。
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行政に関する知識や技術ってどんどん進化してきています。
口蹄疫に関する知見だって政治家よりも農林水産省の役人の方が詳しいでしょう。

豚に口蹄疫が出たらどう対処すればよいのか、
どんな法律であれば、人間が安全に豚を食べることができるのか?
役人の方が政治家よりもわかるはずです。

役人は最先端の情報だって論文などで追いかけているでしょうし、
実際に農家を見回ったりして、現状も把握できていたりするでしょう。

そんなことから
立法府が専門的な法律を作るのって難しいでしょう。
だから現状などよくわかっている行政府に立法をお願いしたほうがよいと
なってしまっているわけですね。

行政府が自ら法律を作り、自ら実行していく。
そうなると実行にうつす自分たちがやりやすいように法律を作るはず
当たり前ですよね。

たとえば、子どもに「君たちが運動場で遊ぶ時のルールを決めていいよ」
って先生が言ったら・・・

野球

おそらく子供たちにとって都合のよいルールを作るでしょう。
ボール投げって他人に当たったら危険ですよね。特に硬いボール。
でも、野球が大好きな子供がいたら
硬式野球もOKみたいなルールを作るはずですよね。
だって子供からしたら野球したいですから。
自ら、「野球は危険だからダメ」みたいなルールを作らないはずです。

これと同じで行政府も実行に移す自分たちがやりやすいように法律を作るはずです。
自分の動きやすいように法律を作るということは
行政の自由裁量の拡大』が起こることになります。
そういう方向に今の国家が変わってきているということです。

行政国家の問題点で一番大きいのは?

行政国家の問題点を挙げてみますね。
実際に行政府の役人の人たちは政策形成に関わります。
でもよく考えてみると、政策形成に関わる役人って国民を代表していないということです。
国民は誰も政策を作る役人に「こんな法律を作って欲しい」とお願いしていませんよね。
御願いされていないのに国民を代表して法律を作るのって変ですよね。
公務員になるというのは法律を作るということです。
行政国家なので。

でも法律を作るのは本来議会の仕事です。
議会はどうして法律を作るのでしょう?
国民の代表だからです。

国民が政治家に対して「~という法律を作ってよ!」
というわけです。
そして政治家はそんな国民の声を吸い上げて法律を作るのが筋です。
でも、行政府の公務員(役人)は国民に選ばれていませんよね。
立法府は国民の意思を反映させる機関です。
その立法府の人から行政府は立法を任されています。
だから行政は立法に従わないといけないという理屈になっています。

本来は立法府が作る法律を行政府が作っているわけです。
なぜ行政府が法律を作っているか?というと
立法府から法律を作ることを委任されたからです。
だから行政府は立法府の指示に従って法律を作らないといけませんね。

でも現在どうなっているかというと
行政府が作るものというのはより専門的になっています。
専門的になればなるほど立法府の政治家はよくわかりません。
だから行政府が作るものに対して立法府はチェックできなくなってきているという問題点があります。
だから『行政統制』が必要になります。
行政統制とは立法府が行政府に仕事を任せるけど、
ちゃんと行政府が仕事をやっているか?
立法府はチェックするということです。

以上で行政国家の問題点についての解説を終わります。