この記事では墨守とはどういう意味か?についてわかりやすく解説します。
墨守(ぼくしゅ)とはどういう意味?
墨守の意味を理解するためには墨子(ぼくし)の理解が必須になります。
なので先に墨子から解説しますね。
墨子はどんな人物だった?
墨子ですが、墨子は前回解説した韓非子とは対照的な感じになります。
⇒韓非子の法治主義についてわかりやすく解説
墨子は平和主義で
『敬愛』と『非攻(ひこう)』ということを言いました。
敬愛とは何か?というと無差別平等の愛のことです。
儒家、特に孔子が言っている『仁』というものを
墨子は『別愛(べつあい)』という形で批判します。
⇒孔子の仁と礼についてわかりやすく解説
別愛とは差別的という意味です。
差別的な愛情を別愛といいます。
孔子の言っている仁は身内と他人を分けて、
まず身内から愛するわけですが、
墨子から言わせると差別的でダメだといいます。
墨子的には最初から無差別平等の愛でないといけないと言いました。
墨子のいう無差別平等の愛のことを『兼愛(けんあい)』といいます。
そして墨子は侵略戦争を否定して
非戦論を唱えたことで有名です。
非戦論のことを『非攻(ひこう)』ということもあります。
【漢文常識】墨家:儒家の仁を、身近な人だけを愛する「別愛」であると批判して、全てのひとを愛する「兼愛」を主張したよ。彼らのポリシーである「墨家十論」はどれも面白いけれど、取り敢えず、侵略戦争を否定する「非攻」も覚えておこう。代表的な思想家は墨子だよ。
— 万学たん (@bangakutan) April 30, 2019
それから墨子は墨家(ぼくか)の開祖ですが
侵略戦争は否定したものの、防衛のための戦いは認めました。
墨家というのは侵略戦争をしかけられている国に行って
侵略戦争から国を守るという活動もしていました。
なので墨家というのは防衛のプロフェッショナル集団みたいなところがあります。
くどいようですが墨子は防衛のための戦いは認めました。
あくまでも侵略戦争を否定しました。
ここからが本題です。
墨守の意味
この記事をご覧のあなたは「墨守ってどういう意味なんだろう?」
と思っていることと思います。
墨守という言葉が現在でも残っている言葉ですね。
墨守(ぼくしゅ)は非常に守りが固いことをいいます。
それは墨家の人たちの防衛能力が非常に高かったということから
守りが固いことを墨守というようにいいます。
防衛のための守りですね。
以上で解説を終わります。