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一般知識

ドイツの政治体制についてわかりやすく解説

ドイツの政治体制




今回の記事ではドイツの政治体制について解説します。

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ドイツの政治体制

ドイツもフランスと一緒に大統領と首相が併存しています。
ドイツとフランスの政治体制は比較しながら覚えた方が忘れにくいですよ。
フランスの政治制度についてわかりやすく解説

ではドイツの大統領はどんな存在なのでしょう?
形式な存在です。
飾りみたいな存在です。

では実質的にだれが?といったら
連邦宰相(れんぽうさいしょう)が行政権を執行しています。

だからドイツの場合には議院内閣制の国と言ってしまってOKなわけです。
それから大統領は儀礼的な権能しか持っていません。
それと公選ではありません。
有権者から選ばれるというスタイルはとりません。

というわけで連邦宰相という首相に当たる人が
行政府の長であって非常に大きな権力を持っています。

ちなみに2023年6月現在、
ドイツの首相はショルツさんです。

それから大統領はシュタインマイヤーさんです。
シュタインマイヤーさんの名前を聞くことってほとんどないですよね。
つまりがドイツでは首相の方が大統領よりも圧倒的に権力が上だってことです。

それから大統領が候補者を一応定義します。
「この人がいいんじゃない?」
「あなたやってみなよ」みたいな感じです。

ただ最終的には議会の過半数が支持することによって首相が選ばれます。
面白いのが議会に対して政治的責任を負うのは首相のみです。
これが日本との違いです。

日本は議会に対して連帯して責任を負います。
議院内閣制と大統領制の違い
イギリスも連帯して責任を負います。
イギリスの政治体制についてわかりやすく解説

ドイツは首相のみ責任を負います。
さらに政府不信任決議が日本にはない特徴でしょう。
日本だったら内閣不信任決議みたいなイメージです。

ドイツの政府不信任決議は普通の不信任ではなくて
建設的不信任しか認めません。

建設的不信任って何?
って感じでしょう。
たとえばこの記事を書いているのは2023年6月ですが
数日前に岸田文雄内閣総理大臣に対して不信任決議案が提出され
即座に否決されました。

たいていは簡単に内閣不信任決議案は否決されるのですが・・・
今から10年以上前、菅直人総理大臣のとき
内閣不信任決議案が可決されそうになったことがあります。

そのとき、「菅直人さんを辞めさせた方がいいんじゃないか?」
というと「俺もそう思うんだ。辞めさせた方がいいよ」みたいな感じになって
結構簡単に辞めさせるという流れができたりします。

でも、菅直人総理大臣を辞めさせる代わりに小沢一郎さんを総理大臣にさせたい人と聞いた場合、
「菅さんを辞めさせたいけど、小沢さんを首相にするのはちょっとな・・・」
としり込みをするような人が出てくるわけです。

建設的不信任というのはこういったことを狙っています。

日本とドイツにおける不信任案の違い

・日本みたいな不信任決議案
⇒後先考えずに不信任決議案を提出(可決されたら誰を首相にする?
みたいなことを考えてない)

・ドイツの建設的不信任
⇒もし不信任決議案が可決されたら次の首相はどうする?
って先のことまで考えて提出する
⇒こういった行為が建設的だってこと

ドイツの場合、不信任案が通って政治が不安定な状態にはしたくないのです。
誰も首相がいないって状態が不安定でしょう。
強大な権限を持っている首相がいないというのは不安ですからね。
野球で言ったら監督がいないけど選手が補欠含めて100人いるようなところだったら
「今日何の練習にする?」みたいな話から、うまくまとまらないかもしれません。
カオス状態になりますよね。

ドイツの現在の政治のシステムというのはひとえに
『安定』を優先するという考え方をもっています。
どうして?といったら戦前の教訓です。
ナチスドイツの時代に二度と戻りたくないという教訓です。

だから建設的不信任案というシステムをドイツでは導入しています。

さらに議会に関しては下院、上院とありますが
下院が優越しています。下院が第一院です。

下院は小選挙区比例代表併用制です。
これに対して日本は並立制です。

それから注意してほしいのが3議席5%阻止条項です。
簡単にいうと小選挙区において3議席未満かあるいは有効投票総数が
5%未満の政党には議席を与えないという条項のことです。

あまりにも小さな政党を議会に入れてしまうと
議会で決まるべきものが決まらないわけです。
建設的不信任決議のところで解説しましたが
ドイツはナチスドイツの教訓から安定を求めています。
しかも安定の方が民意を反映させることより大事だとドイツでは考えています。

だから3議席5%阻止条項というものが設けられているわけですね。

あと違憲審査機関として連邦憲法裁判所があります。
日本と違って何の事件が起きてなくても法律が議会で成立したとして
連邦裁判所の審査の対象となります。

連邦憲法裁判所の判断はすべての権力機関を拘束します。
もし違憲だと判断したら作った法の効力は失われます。

以上で解説を終わります。