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一般知識

構造主義とは?わかりやすく解説

構造主義 わかりやすく




この記事では構造主義とはどういう考え方なのか、
わかりやすく解説します。

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構造主義とはどういう考え方か?わかりやすく説明

構造主義

構造主義ってどういう考え方か?
というと、全体的な構造というのが
その要素である部分に先立ってそれを決定するとおいう思想のことです。

つまり初めに全体的な構造があり、
そしてそのことによって部分の意味が決まってくるということになります。

簡単な例でいうと
例えば会社という全体的な組織があって
その中でその人は係長とか、この人は社長といった感じで
役割が決まっているという形になります。

会社がつぶれてしまったらそういう意味がなくなってしまいます。
まず全体的な構造があって
そのことによって個々のものが決まってくるということです。

人間でいったら
社会的な構造というのがまずあって
その中で個人の意味付けが与えられているという形になります。

こういう構造主義はフランスで登場したのですが、
サルトルの実存主義に対する批判として登場しました。
サルトルの実存は本質に先立つとアンガージュマンについてわかりやすく解説

サルトルの場合だと個人が自由に自分の本質を実現できる、
そういう話になっていますが、
構造主義からいわせるとそんなのは幻想にすぎないと考えます。
全体的な構造の中で個人の意味というのは決定されているということです。
これが構造主義になります。

こんな感じなのでサルトルと対立する形になっています。
サルトルの実存は本質に先立つとアンガージュマンについてわかりやすく解説
サルトルから言わせると構造主義の考え方は全体主義思想であって
反人間主義(反ヒューマニズム)だということになります。

これに対して構造主義からすると
サルトルの実存主義は非常に絵空事だということになります。
個人が自由に何でも決断してなんにでもなれるというのは絵空事だということです。
ちなみに絵空事(えそらごと)とは大げさで
現実的にはあり得ないことのことです。

サルトルの実存主義にとってかわって
流行った思想が構造主義になります。

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構造主義の先駆者『ソシュール』についてわかりやすく解説

ソシュールは構造主義の先駆者です。
ソシュールは言語学の研究者でした。
現代になってくると誰が何学か?
みたいなことを公務員試験では聞かれることが多いです。
なのでソシュールは言語学だということを知っておいても損はないでしょう。

ソシュールは言語学の研究の中で
言語の中で成立する『言葉と言葉の関係性』というものに着目した
独自の言語学を作りました。

そして言語学の中で特に
『ラング』と『パロール』という考え方を示して
それがのちの研究者に影響を与えるきっかけとなりました。

ラングとパロールとは

・ラングは全体的な構造のこと
・パロールは個々のもの

です。

どういうことか?というと
ラングとは何かというと全体として成立しているような文法体系のことです。
たとえば日本語の文法とか決まりとか、そういったものがラングになります。

パロールとは個々の発話で部分のことです。
たとえば、この記事を書いている私が文章を書いてますが、
できるだけしゃべっているような書いています。
こうやって話している、これがパロールになります。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

それでラングによってパロールは規定されるという形になります。
つまり全体が部分を規定するってことです。
当ブログ管理人である私が今書いているこの言葉ですが、
日本語の文法をまったく無視して書いたら、
そもそもメッセージとして伝わりません。
だから全体的な構造(文法)に規定されて発話を行っているわけです。

これは当たり前の話といったら当たり前の話ですね。

ところでラングは私たちは無意識のうちにそれに従っています。
たとえばあなたが会話したり、LINEの文章をスマホで打ったりするときに
あまり日本語の文法に意識していないと思います。
無意識のうちに文法に規定されて会話しているはず。

逆に個々の発話というのは私たちは意識してしゃべっているはずです。
「こういうことをしゃべろう」とか「ああいうことを話そう」
とか意識して喋っていますよね。

ここからどういう考え方が出てくるか?
というと「私たちは全体的な構造によって無意識のうちに
支配されているんだ」という考え方が出てきます。

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構造主義『レヴィ=ストロース』についてわかりやすく解説

こういう考え方を文化人類学の場面で当てはめて考えたのが
レヴィ=ストロースになります。
レヴィ=ストロースは1908年生まれで2009年に亡くなっています。
割と最近まで活躍されていた方だということです。

です。

それからレヴィ=ストロースは南米アマゾンの
インディオの親族とか神話を研究した文化人類学者です。

そしてレヴィ=ストロースは人類共通の無意識的な構造があると考えました。
つまり、南米アマゾンのインディオとかでも
私たちのような高度に発展した社会の人間であっても
共通に私たちが無意識のうちに支配されている、
そういう全体的な構造があるという形でレヴィ=ストロースは考えました。

たとえば近親婚のタブーがありますね。
親兄弟とは結婚してはいけないみたいな話です。
こういったタブーは未開、文明問わず
いろんな社会にありますが、
そういうものは人類共通の無意識的な構造によって説明できると考えました。

あと、レヴィ=ストロースは野生の思考 [ クロード・レヴィ・ストロース ]という本の中で西欧中心主義を批判しました。
西欧の考え方と未開の民族の考え方というのは
ただ単に考え方(=様式)の違いがあるだけで優劣はないと主張しています。
『未開の民族の考え方は西欧社会の考え方の前段階であって
西欧社会の方がより発展した考え方なんだ』
という考え方をレヴィ=ストロースは批判しています。

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構造主義の『フーコー』についてわかりやすく解説

フーコーは1926年生まれで1984年に亡くなっています。
そしてフーコーは歴史学の研究者でした。
特に西洋文化の歴史ですが、
狂気とか、性とか、刑罰とか、病気など、
社会の中から排除されるような
いわゆる異端的なものの歴史を研究していました。

そういうフーコーが取り組んだ歴史学のことを
知の考古学と言います。

知の考古学とはどういう意味かというと
エピステーメーを発掘するという意味です。
ではエピステーメーとはどういうことでしょう?
知を産み出す知の総体的なあり方のことです。

もう少し具体的にいうとある特定の時代に
人々が無意識のうちにそれに従って考えていた
そういう知の総体的なあり方のことです。
これがエピステーメーです。

そして比喩的にエピステーメーを発掘するみたいに
表現することがあります。
でも実際に考古学みたいにツルハシを持って
発掘するわけではありません。

そうではなくてエピステーメーを発掘するの発掘するとは
明らかにするという意味になります。

そのことによってフーコーは
何をおこなっていたか?というと
西洋において先ほど解説したような形の知というものが
権力と結託してどうやって狂気とか性といった
異端的なものを排除してきたのか?
そういう歴史について研究していました。

知の結びつきによる狂気とか
そういうものの排除、そういうものの構造を明らかにする、
これをフーコーは自分の歴史学の目標として行なっていました。

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構造主義の『デリダ』についてわかりやすく解説

デリダは哲学者になります。
デリダの哲学のことを『脱構築(デコンストラクション)』と言います。

デリダの脱構築とはどういうものでしょう?
批判の方法の1つです。
相手を外から批判するのではなくて
相手のシステムの中に入って内側から壊してしまう、
ということ、これを脱構築という批判の方法になります。
このことによって何をおこなっているのでしょう?

ロゴス(理性)中心主義に対する批判を
デリダは一貫しておこなっています。

ロゴスというのは理性という意味ですが、
西洋哲学はロゴス中心主義に侵されているというのがデリダの考え方になります。
プラトン以来、ロゴス(理性)と感性(感覚)というものを区別して
理性というものはイデアを捉える優れたものであて
感覚(感性)は理性と比べると劣る能力だとデリダは考えます。
だから理性によって捉えられるもののほうが大事だ、
みたいな考え方がプラトン以来ずっと続いています。
アリストテレスとプラトンの違いを分かりやすく解説

こういう考え方をとっている哲学者の哲学体系の中に入っていて
その中からその中から矛盾を導き出すことによって
内部から崩壊させてしまう。
そのことによってロゴス中心主義というものを批判するというのが
デリダの脱構築(デコンストラクション)です。
内側から壊してしまう、そういうイメージで捉えると良いと思います。

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構造主義の『リオタールとドゥルーズ』についてわかりやすく解説

デリダはポスト構造主義に分類されます。
構造主義以降のフランスの哲学者に分類されるということです。
他にも例えばポスト構造主義の人としてはリオタールが有名です。
リオタールはポストモダンということを主張しました。
モダン以降、つまり現代の特徴として大きな物語の終焉があると
リオタールは主張しています。

つまり革命といった大袈裟な物語が全て終わった、
これがポストモダンの時代なんだという形で
リオタールは指摘しました。

あとはドゥルーズはノマド的、遊牧民的な思考とか
リゾーム的、地下に張る根みたいな形で
あらゆるものがあらゆるものと結びついているんだみたいな考え方の重要性を説きました。

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構造主義のその他の人たちついてわかりやすく解説

構造主義にはいろんな人たちがいます。
例えばマルクス派経済学の構造主義者としてはアルチュセールがいます。
あとフロイト派の精神分析で構造主義者の人としてラカンがいます。
ラカンは「無意識は言語化されている」みたいな言葉が有名です。

こんな感じで構造主義といっても
フーコーとかソシュールだけでなくて
経済学とか精神分析の分野でもいます。

以上で解説を終わります。