※アフィリエイト広告を利用しています

一般知識

ブルデューの文化資本・再生産・ハビトゥス・ディスタンクシオンについてわかりやすく解説

ブルデュー 文化資本 再生産 ハビトゥス ディスタンクシオン




この記事では

ブルデューの

・文化資本
・再生産
・ハビトゥス
・ディスタンクシオン

などの内容・意味が理解できるようにわかりやすく解説していきます。

スポンサードリンク




ブルデューについてわかりやすく解説

ブルデューはフランスの社会学者です。
いろんな本を書いた人ですが、
この記事で解説する理論は以下の本を読めばさらに深く理解することができますよ。

という2冊になります。

特にディスタンクシオンという本がブルデューの主著になります。
ディスタンクシオンとは日本語に訳すと『差別化』となります。
何かと何かを区別する、差別するという言葉です。

それからブルデューが一人で書いたものではないのですが、
『再生産』という本も有名ですね。

では詳しくブルデューについて解説していきます。
特に文化の再生産理論という形で取り上げられることが多いですが
資本家階級(上流階級)、中産階級、労働者階級と世の中でそういった階級が分かれていますね。

ヨーロッパにおける上流階級のたしなみ。
そういうものは親から子供たちへと伝承されて行きます。
あなたはタイタニックという映画を観たことがありますか?
タイタニック<2枚組> [ レオナルド・ディカプリオ ]

巨大な客船が氷河にぶつかって沈没する話です。
船の一番先頭のところで女性が立っていて男性が女性を抱えるシーンが有名ですよね。
あのタイタニックの映画の中で船長さんを囲んで毎晩、ディナーが催されます。
キャプテンがお客さんを招いて夕食を一緒にするわけです。
そのときに招かれたお客さんはちゃんとタキシードを着て正装で臨むわけです。

お金と時間がないと豪華客船に乗れませんから
上流階級のたしなみを知るにはちょうど良い映画です。
タイタニック<2枚組> [ レオナルド・ディカプリオ ]

ディナーの場ではどんなことが話題になるか?
というと世界の政治、経済、スポーツ、文化などです。
ということは上流階級に生まれて育つためには
たとえば船長が夕食に招いた時に恥ずかしくないような知識や教養や立ち振る舞いを
身に付けないといけないわけです。
だから上流階級に生まれた子供たちは小さい時から趣味とか思考とかたしなみとかを
親から教育されていくわけです。

ヨーロッパの大きな邸宅に行くと
門から邸宅まで車で5分~15分くらい走らせないと到着しないお屋敷なんて
よく聞く話です。

そのお屋敷の家の中に入ると一流の画家が描いた本物の絵が
さりげなく飾ってあったり、書棚を見ると一流の小説家と科学者が書いた初版本が
ズラ―っと並んでいて、夕食のときには時々プロの音楽家を招いて生の演奏を聴いたりするわけです。
そういう本物の芸術や思考に触れながら上流階級の子供は育つわけです。

スポンサードリンク




ブルデューのハビトゥスについてわかりやすく解説

そういう中で育つと
親の趣味・思考というのがハビトゥス(habitus)という概念で
子供達にインプットされて行きます。

ハビトゥスとはわかりやすくいうと両親から受け継いだ趣向、習慣のことです。

わかりやすくハビトゥスを説明したつもりですが、
それでもわかりにくいと思うので、以下具体例を挙げて説明していきますね。

知らないうちにそういった上流階級の環境の中で育てられると
親が持っている趣味とか思考がそういう様々な日常的な出来事を通じながら
子供が社会化されていく過程の中で自然にインプットされて行きます。

そうすると子供もまた親の趣味や思考を自然と身に着けていきます。
ところで話し言葉と書き言葉ってありますよね。

話し言葉と書き言葉の具体例

・です、ます・・・話し言葉
・だ、である・・・書き言葉
・いっぱい・・・話し言葉
・多い・・・書き言葉

です。

ヨーロッパ的な言語では話し言葉ができるだけ書き言葉に近くなるような言い回しというのが
よりレベルの高い言い回しとみなされます

ということは話し言葉だとあまり複雑なことは言えませんよね?
書き言葉だったら細かい違いを微妙なニュアンスで書けるという結論になります。
だから書き言葉の方が話し言葉よりも、より抽象的な細かな内容が書き連ねることができるわけです。
話し言葉の中でも書き言葉に近いようなことが言えるようになっていくことができます。

世界の政治とか歴史とか芸術を小さいときから上流階級では
親から子供は教わるわけです。
だから上流階級は自然な教養として身につけますよね。

ところが労働者階級で生まれ育った人というのは
家の中に難しい書籍が置いてありません。
活字というと時々、お父さんが駅で売っているスポーツ新聞を
買って帰るしかないみたいな労働者階級の人と
上流階級の人とを比べて考えてみてください。

上流階級の場合、小さいときから
世界の政治とか歴史とかを話題にしながら
その子供が読もうと思えば読めるような本がいっぱい揃っている、
そういう本物に触れて話題も豊富な中で育った人が
学校に進学したら、上流階級の子供たちは
学校で習うようなことをすでに身につけています。
上流階級の子供は素養があるってことです。

でも労働者階級で生まれ育った子供は
そういった素養が家の中ではまったく身につかないまま
進学することになります。

明らかに上流階級と労働者階級では差が歴然としていますね
学校教育という枠の中であれば
労働者階級と上流階級だったらどっちの方が有利に働くでしょう?
上流階級で生まれ育った人間にとって有利に働くような選抜のシステムになってますよね。

より上級の学校を受けるときも
上流階級が身につけた様々な趣味、思考、教養とかといったものが
財産となって選抜試験を突破するようなことができますよね。

たとえば上流階級の人が難関大学に合格したとしましょう。
そして難関大学を卒業したら、また一流企業に就職したりできるでしょう。
もちろん上流階級の子供は社会が必要とする教養を身につけていますからね。
他の人より一流企業に就職しやすいでしょう。

そして親から受け継いだ趣味とか思考というのがハビトゥス、文化の資本となって
次の階級を再生産していくということです

こういうことを論じたのがブルデューです。

スポンサードリンク




ブルデューの文化資本と再生産についてわかりやすく解説

ブルデューは階級を規定するものとして『文化資本』を重視しました。

マルクスによると

・お金
・富
・資本

というものが階級を規定するといいました。

これに対してブルデューは階級を規定するものとしては
『文化』であって、文化が資本となるということで文化資本を重視したのです

文化がお金と同じような役割を果たしている、
つまり文化が資本として作用しているということです。
では文化資本とは何でしょう?
ハビトゥスとは両親から受け継いだ趣向、習慣のことでした。
そしてハビトゥスが文化資本となって階級を再生産するということです。
知らないうちに物の見方や考え方を上流階級は親から受け継いで
自分の中でそういった物の見方や考え方がインプットされていくわけです。

親から受け継いだ趣向とか習慣をまとめてハビトゥスというわけですが、
ハビトゥスが自分の中に形成されると自らをそういう行為に駆り立てていくわけです。
政治、経済、社会、趣味の趣向とか芸術の感じ方などが
親から子供に継承されて知らぬ間にハビトゥスとして自分の中に内面的にインプットされていくわけです。
インプットされると自分が意識しないで無意識のうちに
自分もまた親と同じような行為に駆り立てられていくわけです。

そして自分が自然に身につけた文化的な資本知識教養、物の見方、考え方、
たしなみなどが一つの文化資本となって学校の選抜とか就職のときに有利に働くわけです。
そして上流階級は上流階級にまた再生産されていくというシステムになっています。

労働者階級は文化資本が上流階級と比べると不利に作用されてしまいますね。
ということは労働者階級は労働者階級なりのハビトゥスというものを親から受け継いで
労働者階級は労働者階級を再生産していくということです。
これが文化資本となって階級を再生産する、このことを『文化の再生産理論』といいます。
これを主張したのがブルデュー
です。

以上で解説を終わりますが
今回の内容をもっと深く知りたい方は以下の書籍をご覧ください。

ブルデューの理解を深めたい方はこちら

ディスタンクシオン
再生産