前回の記事では飛鳥時代の後半である白鳳文化について解説しました。
⇒白鳳文化の特徴についてわかりやすく解説
今回の記事では白鳳文化の続きになる
天平文化の特徴についてわかりやすく解説していきます。
目次
天平文化の特徴
天平文化(てんぴょうぶんか)は奈良時代であった文化です。
奈良時代というのは天皇中心の国となっている時代なので
天平文化は天皇中心の文化だと思ってください。
この時代は遣唐使を派遣していた時代なので
中国からどんどん輸入していました。
そんなこともあって中国の唐の影響を受けています。
天平文化の特徴(1)聖武天皇の鎮護国家
ですが、それ以上に聖武天皇の鎮護国家という考え方が
天平文化について考えるうえで重要になります。
つまり天平文化は鎮護国家の考え方に基づいて
作られた文化だといえます。
⇒鎮護国家についてはこちらで解説しています
どういうことか?というと
仏教の力で災いや争いから国を守るという考え方だったということです。
お坊さんの仕事は国を守ることであって
みんなのお葬式をやることではありません。
お坊さんは国を守るためにお経を唱えます。
なので、誰でも自由にお坊さんになってもらっては困るわけです。
国が課した修行をして、国の決めた試験を受けて
国が「あなたはお坊さんです」と認めるわけです。
試験を受けて合格した人を国が認めたことを『戒律を授ける』といいます。
こんな感じで誰でも自由にお坊さんになれるわけではありません。
なので国は天皇はお坊さんになるための修行をする場所を3か所しか作りませんでした。
ちなみにお坊さんが修行をする場所を戒壇院(かいだんいん)といいます。
戒壇院。くると心落ち着く古刹。てくてく歩いて来れる天候と体力がありがたい。日本に3か所しかないんですよ。年末に奈良東大寺の戒壇堂は工事中だった。#戒壇院 pic.twitter.com/CiCVYCLSsQ
— komorinookite (@kazu01now) January 2, 2023
とにかく戒壇院でちゃんと修行を終えた人だけが
国から正式に「あなたはお坊さんですよ」と認められていました。
戒壇院という施設を卒業しないと正式なお坊さんにはなれなかったということです。
戒壇院は全国に3か所だけしかありませんでした。
・福岡県大宰府
・栃木県下野の薬師寺
・奈良の東大寺
です。
上記3つの戒壇院のどれかを卒業しないとお坊さんにはなりませんでした。
したがって国が仏教をいろいろと統制したということです。
これが天平文化の1つめの特徴になります。
天平文化の特徴(2)古事記、日本書紀、風土記などが作られた
でも天皇中心の国になっているので
あとは天皇はどんなことをするか?というと
「この国は天皇のもの。みんな歴史を勉強してください。
勉強してみればわかるように日本という国の歴史は
そもそも神様の時代から天皇のもので」みたいな歴史の本が書かれました。
それが古事記や日本書紀です。
天皇中心の国になったから天皇中心の歴史の本が書かれました。
それから風土記は日本全国の特徴を天皇に報告させて
それを1冊にまとめた各地の特徴を紹介しているガイドブックみたいなものです。
天皇は全国から租庸調を集めますので全国の状況を把握できていないといけませんからね。
そして万葉集という和歌集も作られました。
ということで多くの方が知っている、
天皇中心にならないとできないような古事記、日本書紀、風土記、万葉集といったものが
この時期に作られたということです。
天平文化の特徴(3)唐招提寺
中国からお坊さんを招いてお寺を建ててもらいました。
具体的には中国の宝といわれたお坊さんである鑑真です。
中国の宝といわれたほど
すごい有名なお坊さんだったので、
中国の皇帝も外出禁止令を出しました。
でも、鑑真はどうしても日本に行きたいと言って聞きません。
なぜなら日本の人々が新しい仏教にめちゃくちゃニーズがあったためです。
だからどうしても日本人に伝えたいと思った鑑真は中国から脱出しました。
脱出したのですが、海の上で嵐にあって漂流してしまいました。
あまりの直射日光を浴び続けて目が見えなくなって日本にたどりつきました。
そして奈良の都に唐招提寺というお寺を作らせました。
天平文化の特徴(4)仏像
仏像としては興福寺の阿修羅像や鑑真の仏像、
四天王像などがあります。
興福寺の阿修羅像😍
でも、奈良県立博物館は仏像館もあるので、そこだけで1日終わりました😍
仏像館も展示が毎回入れ替わるので、毎回ヤバいです pic.twitter.com/RlruBHzxDj
— 田中 𝕏 3年断酒中 (@kkaz0004) September 3, 2023
興福寺の阿修羅像は顔が3つあって
腕が6本あります。
悪を退治する神様です。
最初はお釈迦様に逆らっていた悪いやつでした。
でも、お釈迦様に出会って心を入れ替えて
仏教を守る神様になった普段は怖い顔をしている仏像です。

それから四天王像。
四天王というのは仏教の東西南北の守り神のことです。
たとえば北の守り神は増長天というのですが、
別名、毘沙門天(びしゃもんてん)です。
戦国時代の上杉謙信が信仰した毘沙門天というのは
北の守り神で武器を持っていて、
怖い顔をして小鬼を踏みつけています。
先日、東寺の兜跋毘沙門天像を見に行きました。
唐時代8世紀の像です。
もう、一目惚れ😍💘
スタイル良くて、イケメン✨
細かな彫刻に惹き込まれます!
唐から海を渡って来た事を想像しただけでワクワクします。
足下の小鬼も愛嬌があるのよ~
また会いに行きます! pic.twitter.com/EZ0tyZXNUO— 美福荘 (@mifukusou) April 12, 2023
こんな感じで怖い顔をした仏像や武器を持っている仏像を
なぜ作ったか?というと、鎮護国家仏教だからです。
災いや争いから国を守るために怖い顔をして武器を持ってもらう必要があります。
だから阿修羅とか四天王というように
怖い顔をしてたり武器を持っているのが作られたのも天平文化の時期に多いです。
国史跡 相模国分寺跡
国分寺とは741年に聖武天皇が仏教による国家鎮護のため各国に建立を命じた寺院🤨
海老名の国分寺跡と郷土資料館とビナウォークの七重塔に行ってきた
耳飾のモデルさん話題のキャンドルさんに似てる🕯️#相模国分寺跡 #国分寺巡り pic.twitter.com/oBhyfuKMqD
— S Dragon (@2323233232) July 1, 2023
以上で解説を終わります。