今回の記事ではフィリップアリエスの
『子供の誕生』とはどういうことなのか、
わかりやすく解説していきます。
フィリップアリエスの子供の誕生について解説
中世まで子供は不完全な大人とか小さな大人というふうに言われていました。
中世までは子供を不完全な大人扱いしてて近世以降にいたいけな存在として扱うようになったってことは近世になって「弱いものいじめダメ!」が表面に出てきたんだよね。
— 深芭 (@hukaba_pivoine) April 12, 2012
徒弟修業の間に身につけないといけないことを
学んでいくのが子供でした。
労働力の一員として子供は考えられていました。
子供に関する特別な概念はなかったわけです。
『小さな大人』、あるいは『不完全な大人』という形でしか
呼ばれていませんでした。
ところが近代社会になり
発展していくと、たとえば何かの仕事に就く前に
基礎的に知識を習得しないと
その職業に就けなくなりました。
例えば車を設計し、安全に動かそうと思ったら
適当に金属を削って適当に組み立てるだけでは
どう考えても無理ですよね。
設計するなら大学の工学部卒業あるいは大学院卒業レベルの技術力が必要でしょう。
そのためには高校で微分積分や物理を学んで
大学受験して合格して専門知識を学ばないといけません。
だから学校という職場でも家庭でもない特別な機関で
働くための基本的な知識を身につける特別な時期がどうしても必要です。
そういう時期を子供期といいます。
また、産業化の進展とともに旦那は外に働きに出て
奥さんは家に残って我が子にたっぷりと愛情を注ぐみたいな世の中になりました。
奥さんは家に残るのに子供は働きに出るのはおかしいですよね。
当然、子供は労働力から免除されて
働く前の基礎的な準備期間として
学校教育でいろんな知識を身につけます。
お母さんからは愛情を注がれます。
これが子供期です。
近代社会になり子供期という期間が誕生したのです。
子供期は近代社会の産物だといえます。
だから母親が子供に対して向けれる愛情というのは
生物学的な本能として備わっているのではなくて
近代社会の成立とともに制度として
子供期が確立するようになったということです。
このことをアリエスは『子供の誕生』という形でよんでいます。
以上で解説を終わります。