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一般知識

物心二元論についてわかりやすく解説

三面等価の原則




以前の記事で低六合理論の立場に立っている
デカルトについていろいろ解説しました。

今回の記事ではデカルトが主張した物心二元論についてわかりやすく解説します。

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デカルトの物心二元論とは?わかりやすく説明

デカルトの主張する実体とは?わかりやすく解説

デカルトについて勉強しているなら
物心二元論も覚えておきましょう。

物心二元論とは何か?ということを説明するときには
前提として『実体』という用語の意味を理解しておく必要があります。

実体を英語にすると『substance(サブスタンス)』になります。
デカルトは1596年生まれのフランスの哲学者、数学者ですが、
彼が生きていた時代の人たちは『実体』という言葉をよく使っていたようです。

実体とは『それ自体において成立しているもの』のことです。
だから他からの影響によらずに自分自体で
きちんと存在しているということを実体といいます。

わかりやすくいうと『アルケー』みたいなものですね。
アルケーとは万物の根源のことです。
それ自体において存在している、
究極的にそれから成り立っているところのものが実体ということです。

デカルトが存在していた当時の実体の定義ですが、他にも
異なる属性を持っている実体同士がお互いに影響し合わないことも意味します。

ここまでまとめますと

実体とは

・それ自体において成立しているもの
・異なる属性を持っている実体同士がお互いに影響し合わないこと

です。

ここまでを前提に物心二元論について解説していきますね。

デカルトの主張する物心二元論とは?わかりやすく解説

それでは物心二元論について解説しますね。

デカルトは実体として2種類のものを考えました。

2種類のものとは

・精神
・物質(物体)

のことです。

先ほど

実体とは

・それ自体において成立しているもの
・異なる属性を持っている実体同士がお互いに影響し合わないこと

と言いましたね。

なので、以上のことを総合的に組み合わせると
デカルトさんはこの世界というものは精神か物体かどちらかだと考えたってことです。

そしてデカルトは精神というのは考えるという属性を持っていて
物体というのは延長という属性を持っていると考えました。

延長とは空間的な広がりのことで
どんなものでもある一定の空間的な広がりとか幅を持っているので
物体というのは延長(空間的な広がり)を持っているとデカルトは考えました。

まとめると

・精神・・・考えるという属性を持つ
・物質(物体)・・・空間的な広がりや幅を持つ(延長)

ということです。

物体(物質)と精神は異なる属性を持った種類の違う実体なので
お互いに影響を及ぼしあう関係にありません。

だから精神が物体に影響を与えたり、
逆に物体が精神に影響を与えたりということはないということ
です。

これが物心二元論です。
物体、物質の物と精神(心)の心がお互いに影響を及ぼさないという意味で物心二元論です。

私たちも一般的には物体と精神という二元論に矛盾がありません。
私たちは普通、精神が物体に影響を与えたりするということはないでしょう。
「え、そうですか?」と思ったかもしれませんね。

精神と肉体は影響しあわない

たとえば超能力を使って念じて
物が動き出すということはふつうあり得ないと思っているはず。

これは精神と物体を切り離して考えているからです。
精神は精神同士で影響を与え、物体は物体同士で原因と結果の法則(因果律)にしたがって
作用、反作用によってどんどん動いていると考えます。
でも精神と物体がお互いに影響を及ぼしあうということはないとデカルトは考えます。

こういう考え方を機械論的自然観といいます。
機械論的自然観とはこの世界というものは
機械のようにお互いに影響しあっているだけなんだという考え方のことです。

つまり物心二元論は機械論的自然観につながっているということです。

こんな感じで私たちが基本的に持っているような考え方を示したのがデカルトです。

物心二元論に立つと起こりうる心身問題とは?

それで物心二元論ですが同時に
非常にやっかいな哲学的問題があります。

どんな問題か?というと心身問題という問題です。
心身問題は現在でも哲学的な形では解決していません。

どういうことか?というと
私たちの心ですが、
人間のことを考えた場合には物質(物体)というのは肉体になります。
明らかに人間の場合だと心と体というのは連動していますよね。
さっきは超能力で例えたから心と体が影響を及ぼしあわないと考えました。
でも、当たり前の日常生活では心と体は連動しています。

たとえば、走ろうと思ったら足を動かすと思います。

挙手する子供

手を挙げようと思ったら手が挙がりますよね。
明らかに心と体は連動していますね。

なので、物心二元論(機械論的自然観)の立場のデカルトみたいに
精神と物質を切り離して考えてしまうと
心身の心(精神)と身(肉体)のつながりをうまく説明できなくなってしまうのです。
これが心身問題という哲学上の問題になります。

現代においても基本的には先ほど解説した機械論的自然観にたって肉体と精神を切り離して考えているので
心身という精神と肉体のつながりをうまく説明できなくなってしまいます。
そんな哲学上の非常にやっかいな問題を物質二元論はもたらしたってことです。

これって普通に考えたら心と体は連動しているはずなのに
哲学って難しく考えすぎですね。
仕方ないのかもしれませんが・・・。

以上がデカルトの物心二元論です。

続いてデカルトの別の解説をご覧ください。
デカルトの方法的懐疑についてわかりやすく解説