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一般知識

福祉国家が成立するきっかけとなった3つの要因とは?

福祉国家 成立




今回の記事では福祉国家が成立するきっかけとなった3つの要因について
解説していきたいと思います。

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福祉国家が成立するきっかけとなった3つの要因

福祉国家とは高度に発展した資本主義経済が原因で誕生した国家観で、
政府が積極的に社会福祉サービスや失業をなくし、完全雇用の達成を目指す経済対策などを重視し
国民生活の安定と福利の増進をはかる国家のことです。

福祉国家の別名

福祉国家を別の言い方をすると

・積極国家
・職能国家(しょくのうこっか)

となります。

どうして積極国家ということがあるか?というと、
福祉国家というのは経済や社会に積極的に介入していくからです。

あともう1つ。
職能国家の職能を英語にすると『サービス(service)』となります。
つまり国民に対してサービスを提供する国家が福祉国家だということです。

逆に福祉国家と対になるのが『夜警国家(やけいこっか)』です。
夜警国家というのは治安維持と防衛しかやらないというガードマンみたいな国家のことです。

福祉国家が成立することになった3つの要因

福祉国家が成立することになった要因は大きくみて3つあります。

成立要因(1)世界恐慌

1929年から始まる世界恐慌によって自由競争にまかせておいても
決していいことではないことが教訓として残りました。
そうすると経済に対して国家が介入してくることになりますね。

自由競争というの国家が介入しないで自然に成り行きに任せることですからね。
それではうまくいかなかったのなら
国家が介入するというのは自然の流れといえるでしょう。

具体的には、経済政策という形で国家が介入することになるわけです。

成立要因(2)普通選挙制

普通選挙制

福祉国家になったのは普通選挙制のおかげといっても過言ではありません。
普通選挙制ということは貧しい人たちにも選挙権があるということです。

貧しい人たちにも選挙権があるということは
政治家は貧しい人たちにとって役に立つ、プラスになる政策をせざるを得ません。
そうしないと政治家は票をもらえないわけです。

政治家は「あなたの生活が楽になる政策を実現します!」
みたいな政策を主張しない限り票をもらえません。
具体的には社会政策という形で出現してくるわけですね。

つまり、

福祉国家というのは

・経済政策
・社会政策

を通じて介入してくるという国家だということです。

成立要因(3)資本主義と社会主義

これは福祉国家成立にとって非常に重要です。
1930年代当時というのは社会主義ということが信奉されていました。
社会主義の方々は

資本主義が発達すると

・一部の勝ち組
・残り大多数の負け組

に明確に分かれると考えました。

勝ち組の人たちは負け組の人たちに対しては
ギリギリの生活しかさせないわけです。

ワーキングプアという言葉がありますね。
ワーキングプアというのは働いても働いても貯金ができない方のことです。
勝ち組の人は負け組の人に対してワーキングプアの状態に追い込みます。

そうすると労働者が革命を起こすと1930代は言われていました。
なぜ革命を起こすのでしょう?
労働者がギリギリの生活に追い込まれているから
資本主義を打倒するという意味での革命が起こるというふうに信じられていました。

どうしてか?というと社会主義はマルクスからいわせると『科学』だと考えていたからです。
科学ということは理屈があるってことですからね。
論理的に革命が起こるということです。

ちなみに資本主義側は資本家(経営者)で社会主義側は労働者と
考えると理解しやすいと思います。

ところで経営者側(資本主義側)にとっては労働者(社会主義)から
革命を起こされたくないわけです。
経営者の命だって危険になりますから。

ではどうすればよいでしょう?
労働者の生活を少しでもよくしてあげようとします。
生活が少しでも良くしてあげれば労働者は革命を起こさなくなるのではないか?と考えたわけです。
労働者の生活が立ち行かないから革命を起こすという前提に立つと、
ちょっとであってもお金をあげたり、
住むところをよくしてあげれば
労働者は革命を起こさないだろうと経営者側(資本主義側)は考えたわけです。

結果、社会保障制度ができました。
この社会保障制度で有名なのはイギリスのベヴァリッジ報告となります。
ベヴァリッジ報告は第2次世界大戦中の1942年に出たというところが意義深いです

貧しい人々の生活を少しでもよくすることによって
革命を起こさせないという政策をとったわけです。
それが社会保障制度であり、
有名なのが1942年のベヴァリッジ報告だということです。

ただ、こういった福祉国家も1970年代には危機にさらされます。
福祉国家の危機については次回、詳しく解説します。