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一般知識

ルーマンのオートポイエーシスとは?例を挙げてわかりやすく解説

権威主義的パーソナリティ アドルノ




前回の記事ではルーマンさんが提唱した複雑性の縮減について
例を挙げながら解説しました。
ルーマンの複雑性の縮減とは?簡単にわかりやすく解説

今回の記事では同じルーマンが言った
オートポイエーシスとはどういうものなのか、
例を挙げてわかりやすく解説していきたいと思います。

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ルーマンのオートポイエーシス(自己産出)とは?

ルーマンのオートポイエーシスとは?

ルーマンさんは前回の記事で解説したように
『システム』を重視したわけです。
ルーマンの複雑性の縮減とは?簡単にわかりやすく解説

このシステムというのはオートポイエーシス的なものです。
「オートポイエーシス?」と思うでしょう。
だからこの記事を読んでいるのだと思います。

オートポイエーシスのオートは『自己』でポイエーシスは『産出』という意味です。
だからオートポイエシスは自己産出という形で翻訳されることもあります。
オートポイエシスとは社会システムも必要とする要素を自ら創出し
環境に応じて自らを変化させることです。

別の言い方をするとオートポイエーシスとは自分で自分の構成要素を算出するという意味です。

オートポイエシスという概念はもともと生物学の中で
使われた概念です。
私たち生物(有機体)というのは環境の変化に応じて
必要な部分を進化発達させてきました。
たとえば私たち人間とサルは共通の祖先を持っています。

でもあるときからサルはサルの歩みをし
人は人の歩みをするようになって枝分かれしていきました。
でも、私たちの祖先は私たちのお尻の上のあたりに尾てい骨がありますが
ここには尻尾がありました。
そして木の上の生活をしていたわけです。
でも人類の祖先たちは地上に降り立つわけです。
そうなると尻尾で枝につかまる必要がなくなるため
尾てい骨あたりにあった尻尾はいらなくなるため退化していきます。

代わりに人間は直立歩行するため腰が重要な役目を果たしたり
最初は硬いものを食べないといけないから顎が丈夫だったけど
だんだん柔らかいものを食べるようになると
そんなに硬い顎は必要ないから顎が小さくなったりしてきます。

ということは生物は周りの環境に合わせて必要なものはどんどん
進化発達するし不必要なものは自らの体からなくなっていきます。
そういう形で周りの環境に生物は適応させて今まで生き残ってきたわけです。

逆に環境に適応できなかった生物はどうなったでしょう?
ダーウィン的な進化論的な考え方だと
自然淘汰され地上からいなくなってしまいます。
周りの環境の変化に適応できるように生物は作られているわけです。

そういう考え方をヒントにして
私たちが生活しているこの社会のシステムも
自ら必要とする要素を自らの中から創り出して
環境に応じて自ら変化させることができるtごルーマンは考えたわけです。

たとえば19世紀までの国家というのは国家の役割は必要最小限度でよかったわけです。
そのために外からの敵から国を守る国防の役割と国内の治安の維持だけに限定するような夜警国家観でした。

その時代というのは小さな政府、小さな国家で足りていました。
ですが19世紀の末から経済が自由競争になっていきます。
すると金持ちと貧しい人間の格差が広がっていきます。
勝ち組はいいけど、負け組は困ります。

負け組の人たちが国家に対して
「俺たちは人間として最低限の生活さえできない。
それを国家が保証してくれ!
あるいは不景気になっているから国家が経済政策を打ち出して
私たちに仕事をくれ!好景気になるような経済政策を自らやってくれ!」
というようなことを政府に要求するようになります。
そういう要求にこたえて国家というものは国民の福祉の充実こそ
政府の役割だと考えたを転換させます。

ではそれを実現するためには中央の官庁の数を増やして
そこでいっぱい公務員を雇って経済的に豊かになるような政策を実行したり
文化的な最低限度の生活が国民に保証できるような形で
いろんな政策の立案や実行をやっていくことになります。

そうすると小さな政府ではやっていけません。
福祉国家を実現するためには大きな政府にならざるを得ません。
そのような環境の変化に応じて社会のシステムもまた
必要な要素を自らの中で創り出してそういう環境に適応できるように変わっていきました。

この考え方が社会の方のオートポイエーシスです。
社会のシステムもまたいらなくなったらその部分はなくして
必要な部分をどんどん自らの中から創り出して
環境の変化に対応できるようにしています

たとえばバイクのエンジンというのはたくさんの部品がくっついてできることで
一つの体系をなしていますから、システムです。

でもバイクのエンジンはいったん壊れたら治りません。
治らないバイクのエンジンは非オートポイエーシス的です。

これに対して人間が骨折してもしだいに骨がくっついてきて
元の状態に戻ります。

また、時代が変化してコンビニが人気がなくなり、
バイトの店員がやめたとしても
新しいバイトを雇えばまたいつもと同じコンビニ経営ができます。

このようにオートポイエーシス的というのは
環境にあわせて(骨折したら元に戻すし、バイトがやめてもやとって新しく再始動する)
変化していくことができるということです

ルーマンは

・今回解説したオートポイエーシス
・複雑性の縮減

の2つを理解しておきましょう。

複雑性の縮減をまだ読んでない方はこちらからご覧ください。