以前の記事で大陸合理論について解説しました。
今回の記事ではイギリス経験論についてわかりやすく解説します。
イギリス経験論についてわかりやすく説明します
イギリス経験論は大陸合理論と比べると実践的になります。
実践的な知識を重視するのがイギリス経験論です。
(1)経験
(2)習得観念
(3)帰納法
です。
(1)理性
(2)生得観念
(3)演繹法
です。
イギリス経験論と大陸合理論は対立するような感じになっています。
たとえばイギリス経験論の特徴(1)経験と
大陸合理論の特徴(1)理性が対立しています。
で、イギリス経験論の人たちは私たちの知識の出発点を『経験』と考えます。
だからイギリス経験論の人たちからいわせると
大陸合理論の特徴の1つである『生得観念』なんてないと主張します。
生得観念(せいとくかんねん)とは前回の記事で解説しましたが
すごく大事な観念(頭の中に浮かぶイメージ)に関しては頭の中にあらかじめ入っているということです。
イギリス経験論の人たちは生得観念はないといったので
すごく大事な観念(頭の中に浮かぶイメージ)が頭の中にあらかじめ入っているということはないと主張したわけです。
そしてイギリス経験論の人たちはすべての観念は私たち経験を通じて自分で習得した(習得観念)ものだと主張しました。
そしてイギリス経験論の人たちは学問の方法論として『帰納法(きのうほう)』を重視します。
帰納法とは個別的なデータの集合から一般法則を導き出すことです。
では帰納法にとって必要な個別的なデータの集合ですが、
どういうことなのでしょう?
たとえば昨日見たカラスは黒かった、
一昨日観たカラスも黒かったみたいな形で
カラスについて今まで見てきた(経験的なもの)が個別的なデータの集合です。
この個別的なデータの集合から一般法則を導き出します。
先ほどのカラスの話だと『すべてのカラスは黒い』という一般法則を導き出します。
こういうものを帰納法といいます。
だから個別的なことから一般法則を導き出すというのがイギリス経験論の特徴の1つになっている帰納法です。
逆に大陸合理論の特徴の1つである演繹法(えんえきほう)は
一般的、もしくは普遍的な原理とか法則から出発して個別的な事柄を導き出すことです。
演繹法と帰納法の内容的な違いは公務員試験なんかで
出題されやすいので行政書士試験の一般知識対策として覚えておきましょう。
・演繹法・・・一般から個別へ
・帰納法・・・個別から一般へ
もし頭がこんがらがってしまったら
経験を出発点とするというのは全部個別的なこと。
だから個別的なことから出発する方がイギリス経験論という思い出し方をすれば良いかなと思います。
以上で解説を終わります。