※アフィリエイト広告を利用しています

一般知識

国風文化の特徴についてわかりやすく解説

国風文化 特徴




今回の記事では国風文化の特徴についてわかりやすく解説していきます。

スポンサードリンク




国風文化の特徴

国風文化は平安時代中期の文化で
藤原文化という別名もある日本独自の文化になっています。

前回解説した弘仁貞観文化みたいな中国の影響を色濃く受けた文化とは
ちょっと違います。
弘仁貞観文化まとめ

で、国風文化はひらがなやカタカナや
土佐日記とか竹取物語とか源氏物語とか
それから随筆とかこの記事をご覧になっているあなたが
よく知っている古典と呼ばれるものがいっぱい作られた時代になります。

国風文化の特徴:仏教

前回解説した平安時代前期である弘仁貞観文化では
密教と呼ばれるタイプの仏教がブームになりました。
どちらかというとヘビメタみたいな感じでした。
弘仁貞観文化まとめ

ですが、国風文化ではちょっと違います。
国風文化では浄土教と呼ばれるタイプの仏教がブームになりました。
浄土教というのは極楽浄土という世界に行く方法を教えてくれる仏教です。

なぜ極楽浄土に行く方法をみんな知りたがったのか?
というと、この世が終わると信じられていたからです。
これを末法思想(まっぽうしそう)といいます。

末法思想があって、
この思想が人々の間でささやかれたのです。
「もう世は末法だ」と。

厳密にいうと末法というのは誰一人成仏できない世界のこと。
死んでも浮かばれない世界、これを末法といいます。
逆に死んだら必ず成仏できるという世の中を正法(しょうぼう)といいます。

「今の世の中は正法です」というのはどういうことか?というと、
「死んだら必ず仏様になりますよ」ということです。

ただ、国風文化のときの人々は、
お釈迦様が亡くなって2000年たつと、
世の中は末法に切り替わって死んでも成仏できない
信じられていました。

ちなみにお釈迦様が亡くなったのは
西暦紀元前486年2月15日で
国風文化は 10世紀の初め頃から11世紀ころまでの文化です。

で、我々の仏教ですが、
この世で悟りを開いて仏陀になったのはお釈迦様です。
ところが、この世の西の果てずっと行くと境界線があって
西の彼方の境界線を越えると、今度は極楽浄土という別世界があって
その別世界では昔、阿弥陀様という仏様が悟りを開いて仏陀になった。
この世界はまだ末法ではありません。
だから死んでも浮かばれないのではなくて、
早く西の彼方の極楽浄土という世界に脱出しないといけないと
みんな思っていました。

その脱出方法を教えてくれるのが浄土教です。
だから国風文化の時代に浄土教が流行りました。
「どうやって脱出するか?」ってことで。

空也(くうや)という人が道端で言いだしたのですが、
まず「南無(なーむ)」と言ってくれと。

南無というのは古代インドのサンスクリット語で
「私は~を信じる」とか「私は~を支持する」という意味です。
そして「南無の後ろに阿弥陀仏を続けてくれ」と空也が道端で言いだしたわけですね。

つまり「南無阿弥陀仏」と言ってくれと。
そうすれば「極楽浄土に行ける」と空也は言いました。
空也は極楽浄土で悟りを開いた人です。

「南無阿弥陀仏」は「私は阿弥陀仏を信じます」という言葉になりますが
これさえ唱えれば誰でも極楽浄土に行けると道端で空也は言いだしたわけです。
だから音楽でいうとストリートミュージシャンの『ゆず』みたいな感じでしょう。
ゆずは昔、横浜駅までストリートミュージシャンをやってましたからね。
今ではメジャーアーティストになってますけどね。

空也はゆずみたいに道行く人々に「南無阿弥陀仏言おうぜ」みたいに言ったわけです。
人々は「それさえ言えば、末法のこの世の中を脱出して正法極楽浄土に行けるんだ」と
なっていきました。

ところで正法極楽浄土に行くことを往生するといいます。
現在では「往生(おうじょう)する」は「死ぬこと」を意味します。
でも厳密にいうと往生するというのは死ぬことではありません。
西の彼方にある別世界に行くことが往生することです。

これが当時の人々の間で流行しました。

ちなみに空也は大学受験でもよく出題されます。
なぜなら前回解説した空海と空也はどちらも「空」の文字が入っていて
非常に紛らわしいからです。
空海の詳細はこちら

前回解説したように空海はスケールの大きなヘビメタプロデューサーだといいました。
空海は真言宗を開いて高野山金剛峰寺を作った人です。
空つながりの空也は空海とはまったく違います。
空也は浄土教の方ですから。
空也は空海とは違ってイメージとしてはストリート系のミュージシャンです。
宗派を作ったわけではありません。
空海みたいにプロデューサーになったわけではありませんからね。
単純に空也は道行く人に「南無阿弥陀仏言おうぜ」みたいに言っただけの人ですから。

ところで空也の往生するのに必要な教えを
本にまとめたのが源信(げんしん)です。
本の名前は『往生要集(おうじょうようしゅう)』になります。
往生要集 全現代語訳 (講談社学術文庫) [ 源信 ]

往生要集の往生とは西の彼方の極楽浄土に行くことです。
これに必要なことを集めたのが往生要集です。

平安時代の仏教は大きく分けると2タイプあります。
1つは平安時代の一番最初に登場した中国から輸入した密教と呼ばれるタイプの仏教で
最澄という人が天台宗を開いた。それから空海が真言宗を開いたわけです。
もう1つのタイプは極楽浄土に行くための仏教で浄土教と呼ばれるタイプの仏教になります。

今回の記事は以上になります。