慈善組織協会とはどんな組織なのでしょう?
この協会のことを理解する前提の話からさせていただきます。
1834年にできたイギリスの新救貧法というのは、
すごいお粗末なものでした。
できる限り行政の支援をケチるためにすごくもらいにくい仕組みになっていました。
でも、1800年代当時のイギリスでは
貧困者が街にいっぱいあふれていました。
じゃ、どうするか?
労働者たちで助け合うしかないんだと考えるようになったんです。
イギリスの場合、
キリスト教の伝統というのがあります。
世界の社会福祉の場合、
宗教的なものがもともとベースにあることが多いです。
どの宗教でも貧困者などいろんな意味で
恵まれない人を助けましょうという思想があります。
![慈善組織協会](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
あとイギリスの場合はエリートの身だしなみとして
「自分はエリートで恵まれた立場で生まれたんだ」という意識が強いです。
ですから、その分、社会に色々と貢献しないといけないという
伝統的な意識があるんです。
イギリスって今でも貴族は残っています。
ただ、「俺は貴族で特権階級だぜ!」と
調子に乗っているとみんなから嫌われます。
また、地位の高い貴族はその分だけ
責任を果たさないといけないという伝統もあります。
そんなことから、
民間の団体として慈善組織協会が創設されました。
慈善組織協会とは博愛精神をベースにした
1869年ロンドンで創設された民間の機関のことです。
慈善組織協会ってどんな活動をしていたのでしょう?
慈善組織協会が創設された1869年はもちろん19世紀です。
19世紀って自己責任という考え方が強いです。
だからこの当時、助けるといっても結局は
本人が怠け者だから貧困になっているという
目線で貧困者を助けていました。
なので、助けるといっても、
「もっと一生懸命働いて頑張りなさい!」と貧困者のところに個別訪問して
モチベーションをアップさせるという対策でした。
でも、自己責任論ではなかなか
問題は改善しませんでした。
それを乗り越える形で出てきたのが
セツルメント運動でした。
次の記事ではセツルメント運動について解説します。
⇒セツルメント運動とは?わかりやすく説明