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一般知識

直系家族制とは?夫婦家族制と比較してわかりやすく解説

直系家族制とは 夫婦家族制




今回の記事では直系家族制とは何か?
夫婦家族制と比較して解説していきたいと思います。

まずは夫婦家族制を理解するために父権制、母権制、父系制、母系制について
解説します。

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直系家族制とは?

父権制、母権制、父系制、母系制は読み方が似ているが・・・

父権制、母権制、父系制、母系制って読み方がすごく似ているので
「ほとんど同じ意味なんじゃないの?」って思った方もいるかもしれませんね。

ですが、父権制、母権制には権力の権がついてますね。
父系制、母系制には系譜の系です。

系譜というのは家族などがどのように続いてきているのか?
書き表したもののことです。

あなたがいて、あなたのお父さん、お母さんがいて、
お父さんのお父さんやお母さんがいて、みたいな感じです。

系譜は人間の家族だけでなく、
植物にだって適用される言葉です。

これに対して権力というのは、
あなたが自分の意思で他人に行動させる力のことです。

たとえばあなたはコンビニの店員だったとしたら
店長の指示には逆らえないですよね。

これは店長が権力を持っているからです。

こんな感じで権力の権と系譜の系で意味がまったく違ってくるわけですね。

父権制、母権制とは?

父権制、母権制とは家族集団の権力を握っているのは男か女か?
ということです。

男が権力を握っているなら父権制で
女が権力を握っているなら母権制ということです。

たとえば、『かかあ天下』みたいな言葉がありますが、
これは母権制の具体例になると思います。

父系制、母系制とは?

父系制、母系制とは家族の系譜を男性基準で捉えるか、女性基準で捉えるか?です。
男性基準で捉えるなら父系制で女性基準で捉えるなら母系制です。

「家族の系譜って何?」って思った方もいるかもしれませんね。

今だと家族というのは一代限りのものというイメージを持っている方もいるでしょう。
でも、一昔前まで家族のイメージは過去から未来につながる連続体でした。

ご先祖様から子孫に向かってずっと連続してつながっている、
これが家族だということです

「君の家の後継ぎは誰?」
「誰を正当な後継ぎとして認めるのか?」
と辿る時の基準にあたるのが父系制、母系制です。

ただ、「後継ぎって長男がなるに決まってるだろ」
と思うかもしれません。

でも、長男が後継ぎというのは明治民法で強く規定されたものです。
昔は西日本の方だと女性基準で家族の系譜をたどるというのも普通にあったそうです。

ただ後継ぎが女性だからといっても
女性が偉そうにしているかどうかは別の話です。
権力を握っているか(父権制、母権制)と何を基準に家族をたどるか(父系制、母系制)?は別の話なので区別されます。

直系家族、夫婦家族

まず夫婦家族は夫婦だけで暮らすか、
夫婦と未婚の子と暮らす、つまり核家族だけで暮らすことを指します。

これに対して直系家族は男系あるいは女系(父系、母系)だけの縦の系譜だけが同居できることです。
たとえば長男が後を継ぐとした場合、
次男や三男は未婚のうちは家にとどまり続けるものの
結婚したら家から出ていきます。

結婚しても家に残るのは直系だけ。
これが直系家族です。

先ほど例で長男だけが家にとどまるといいました。
でも、東北地方だと末子相続という習慣がある地域もありました。
末子相続は一番下の子供が後継ぎになるという制度です。

これはこれで合理的です。
昔の結婚出産と今の結婚出産の大きな違いとして
今は結婚は遅いですが、出産期間は短いです。
一番上の子供と一番下の子供の年齢差がせいぜい10歳くらいです。

でも、昔は結婚が早いだけでなく出産期間も長かったです。
なので一番上の子供と一番下の子供で20歳以上離れているのが普通でした。

するとお父さんが60歳を過ぎて引退するころには
長男も40歳を過ぎ、少し元気がなくなってきています。
でも一番下の子供は20歳くらいなので元気です。

だったら農家や自営業なら一番若い元気な子供に後継ぎを任せるのがよいという
考え方から末子相続という制度があったりします。

相変わらず明治民法の影響が強くて長男が後継ぎという意識があるかもしれませんが
実際は昔の東北みたいにいろんな家族習慣があるわけです。
「これしかない」みたいなことはなく、いろんな可能性があるわけです。

複合家族

ところで複合家族もあります。
複合家族は直系以外の子供も結婚しても同居し続けることです。
次男や三男も結婚しても家に残るということです。
だから複合家族が一番家族の規模が大きくなることになります。

直系家族制とは?

ここまで話してきた直系家族とか夫婦家族って言うのは家族の形のお話でした。
これを制度と結びつけると直系家族制、夫婦家族制となります。

直系家族制とは男系、女系といった縦の系譜で同居する制度のことです。
ポイントとしては家族を過去から未来への連続体でとらえるところです。

個人を越えてずっと引き継がれるものとして捉えるのが直系家族制です。
だから私たちはしょせんご先祖様から受け継いで子孫に伝えていく、リレーランナーにすぎないということです。
そうやってどんどんバトンを引き継いでいくということです。
すると家族をずっと引き継ぐためには後継ぎが必要になります。

だから直系に関しては家に残るわけですね。
次男や三男、四男は抜けるにしても
長男が後継ぎだったら長男は結婚しても家に残り続けるわけです。

でも家に残るということは相続も優先されたりします。
明治民法がそうでしたが、家督相続者に優先的に家の財産は相続されるとなっていました。

ですが、これは昔の事情です。
かつては農家が中心でした。
農家の場合、相続するのはだいたい畑です。
畑を分けるのは問題ですよね。

たとえば、6人子供がいるからといって
畑を6つに分割したら、まさに田分け者(戯け者)です。

畑の面積が狭すぎると農業として成り立たなくなります。
あまりにも小さい畑だと専業農家としてやっていけなくなるからです。

だから畑に関しては分割せずにまとめて一人の後継ぎにあげた方が合理的だったわけです。

直系家族制に対して夫婦家族制があります。
夫婦家族制では家族は一代限りのものだと考えます。

男性女性が結婚した段階で家族が始まり、
2人が亡くなったらその家族は終わりになる、
つまり一代限りのものとして捉えるのが夫婦家族制です。

夫婦家族制で物事を考えると
子どもは結婚するまでは同居していますが
結婚したらみんな家から出ていくことになります。

そうなると直系だけ特別扱いする必要がありません。
だからこの場合、相続は均等配分が一般的になります。
現在の民法はそうなっています。

ただ令和4年現在、農家ってほとんどありません。

となると、相続するのはお金ということが多くなります。
土地と違ってお金は分割しやすいです。
だから均等配分も戦前よりはしやすくなっているという事情もあるでしょう。

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直系家族制とは?まとめ

いかがだったでしょうか?

直系家族制は一代限りでなく、
ずっと先祖から子孫(孫の代まで)引き継いで行くものであって
夫婦家族制は一代限りのものという理解があると
忘れないと思います。

令和4年現在でも、直系家族制の色合いは残っています。
でも、おおまかにいうと戦前は直系家族制の色合いが強く、
戦後は夫婦家族制の色合いが強くなっているということです。
民法も夫婦家族制を支える形になっています。

以上で解説を終わります。