一般知識

スペンサーが唱えた社会有機体説とは?わかりやすく説明

スペンサー 社会有機体説




前回の記事では実証主義について解説しました。
実証主義とは?わかりやすく解説

社会科学において実証主義という考え方を持ち込んだのが
オーギュスト・コントでしたね。

前回解説したコントさん、他にもスペンサーさんは実証主義以外にも
社会有機体説も唱えました。

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スペンサーやコントが主張した社会有機体説とは?

スペンサー

私は獣医師として日々犬や猫の診療をしています。
当ブログ管理人のプロフィール

私たち人間を含みますが、人間や犬って生物有機体です。
あなたも含めて体は骨格があり、筋肉があり、血液があり、臓器があり、
それぞれがそれぞれの役割を担っていて
それが有機的に結合することによって生物有機体としての命を保っています。

そこからヒントを得て
私たちが生活している社会もまた生物有機体のようなものなんだ
というふうに考えるのがスペンサーが主張した社会有機体説です。

社会有機体説の有機体とは生物のことです。
つまり、社会を一つの生物としてとらえたんです。

たとえばこの社会の中の頭脳的な役割を果たしているのは
どの器官でしょうか?
たとえば行政府というのは日本の社会の進むべき方向性を決めていくという意味では
頭脳的な役割を果たしています。

でも、総理大臣は一人では何も達成することはできません。
総理大臣は決定をするだけです。

総理大臣の代わりに実働部隊となって手となり足となって
頑張ってくれるのが、たとえば国家公務員です。

ということは日本の国の社会全体を想定した時に
行政府があって国家公務員の人たちが、ある意味で頭脳的な役割を果たしているかもしれませんね。

漁業


ですが、私たちが生きていくためには私たちに食べ物を供給する人たちも必要になりますよね。
たとえば農家の人たちや漁業を営む人たちは生産物を作るという役割を果たしているわけですね。 宅配業者

作られたものを消費者に届けるためには
流通を担当する人も必要になりますね。
たとえばクロネコヤマトの宅急便のスタッフさんとか。

そういった感じで私たち社会全体が1つの生き物だという風に考えた時に
それぞれの器官を担当するもの同士が有機的に結合することによって
この社会が生き物のようにうまく機能していると考えるのが社会有機体説
です。

社会もまた生命体のように扱って考えていくということです。
この社会を、つまり生命を絶つためにはどこを壊滅させればよいのでしょう?
今の社会の中では、たとえば情報が大事ですよね。

情報を牛耳っているところを攻撃して麻痺させれば
今の社会は機能しなくなるかもしれませんね。

あるいは政府機関を狙って壊滅させてしまえば
頭脳を失ってしまうわけなので、司令塔がなくなります。

部下が勝手な事ばかりやったら
一つの統一体としての命を維持することができなくなるかもしれませんね。
なので、社会もまた命を持っていて
いろんな組織同士が有機的に結合して生きていると考えます。
これが社会有機体説です。

ちなみにコントもスペンサーも2人とも社会有機体説を提唱していますが、
コントの方が古く、スペンサーの方が新しいです。

そしてスペンサーの方が現代の学問と近いため、
スペンサーの社会有機体説を現代では取り上げることが多いですね。

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社会有機体説を前提にした社会学の分類方法

社会有機体説が前提のもと、コントは
社会学を次の2つに分類したんです。

社会学を

・社会静学
・社会動学

の2つに分類しました。

社会静学ってどんなものなのでしょうか?

わかりやすく社会静学について説明しますね。

社会静学は生物学でいったら解剖学みたいな学問です。

なので、今現在ある生物がどんな姿をしているか?
たとえば2歳の犬がどういう姿をしているか
学問的に研究しようとしたら、
解剖すれば内臓の形とか体の構造がいろいろわかるわけです。

社会も同じで同時代的に見たときに社会の諸部分(個人、会社、社会的組織)が
どういう風に相互作用して社会全体が作られているか?
同時代的に見るのが社会静学
です。
まさに静か、止まっているわけですから。

これに対して社会動学。
社会の歴史的変化など、どういう風に動いているか
動いている部分を解明するのが社会動学です。

つまり、

まとめると

・社会静学(同時代的な社会構造を見る研究)
・社会動学(社会の歴史的変化を見る研究)

ということです。

最後にまとめると
社会有機体説とは社社会を一つの生物と捉え、個々の要素が全体の中で
一定の機能を果たすとする学説のことです。