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歴史

プラトンの哲人政治をわかりやすく解説!人間の魂と国家の関係とは

プラトンの哲人政治




もし、野球のバッターが
ルールを知らなかったらどうなる?

野球と哲人政治

バットでボールを打ってヒット!でも…
一塁じゃなくて、
いきなり三塁に向かって走っちゃったら

はい、それアウトです。

なぜかっていうと、野球には
「一塁→二塁→三塁→ホーム」っていう順番があるから。
どれだけ足が速くても、
どれだけ打球が遠くに飛んでも、
ルールを知らなかったら負けちゃうんです。

じゃあこれ、国のリーダーだったらどうでしょう?
ルールや仕組みを知らないまま、
適当に政治をしていたら…?
当然、国もうまくいくわけがありませんよね。

プラトンが考えた「哲人政治」は、
まさにそれと同じ話。

「国を動かす人は、
ちゃんとルール=哲学を知ってないとダメでしょ」
っていうのが、彼の主張なんです。

さて、それじゃあ「哲人政治」って
具体的にどういうものなのか?
今回は、プラトンの理想国家の仕組みと、
それが人間の心とどうつながっているのかまで、
わかりやすく解説していきます!

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プラトンが考えた哲人政治とは?

哲人政治(てつじんせいじ)」って、
ちょっとむずかしそうな言葉ですよね。
でも、ざっくり言えば、
哲学をしっかり勉強した人=哲学者が、
国のリーダーになるべきだ!」っていう考え方のことなんです。

「どうして哲学者がリーダーなの?」
って思うかもしれません。

たとえばスポーツで例えるなら──

サッカーと哲人政治

サッカーで、シュートがうまいAさんが
キャプテンになったとしましょう。

でもAさんが、チーム全体の動きやバランスを考えずに、
「オレが点取る!」ってボールを持ったら
すぐゴールを目指して突っ走ってしまったら…?

たしかに、何回かは、点が取れるかもしれません。
でも、そんなプレーが続けば仲間はこう思い始めます。

「キャプテンの考えてること、もうわかんない…」
「なんでオレたちはここにいるんだろう?」

やがて仲間は、Aさんの指示を無視するようになったり、
連係プレーもうまくいかなくなります。

パスがズレる。守りが甘くなる。声も出なくなる。
そのうち、「もうついていけない」
と言って辞めてしまう人が出たり、
キャプテンとのケンカにまで発展するかもしれません。

つまり――
リーダーが独りよがりな判断で動くと、
チーム全体がバラバラになってしまうんです。

大事なのは、ルールや戦い方を
ちゃんと理解して、冷静に判断できる人。
そして、みんなを納得させながら、
全体を正しく導ける人です。

プラトンが言っていた「哲学者」は、
まさにそういう人なんです。

プラトンはこう考えました。
「ただ偉そうなだけの人」や
「力が強いだけの人」が国を動かすと、
めちゃくちゃになる。
だからこそ、きちんと哲学を学んで、
物事のほんとうの姿を見抜ける人こそ、
国を正しく導けるって。

そういう哲学者がリーダーになって、
みんなが安心して暮らせるルールやしくみをつくっていく。

それが、プラトンが言う「哲人政治」なんです。

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プラトンの哲人政治のカギは「人間の心」にあった!

じゃあ、どうしてプラトンは、
「哲学者がリーダーをやるべきだ!」
なんて考えたんでしょう?

そのヒントは、
なんと「人間の心の中」にあったんです。

プラトンによれば、
人の心はこんなふうに3つの力でできているそうです。

要素 意味 たとえばこんな気持ち
理性(りせい) よく考えて、正しいことを見ぬく力 「テスト近いし、まず勉強しなきゃ」
意志(いし) 「よし、やろう!」って前に進むパワー 「ゲームしたいけど…がんばって勉強するぞ!」
欲望(よくぼう) 食べたい、遊びたい!っていう気持ち 「今日くらいゲームしてもいいよね〜」

たとえば、テスト前に
「今日はゲームしたいなぁ…」って思っても、
「でも、勉強しないとマズいよね」って考え直して(理性)、
「よし、やるぞ!」って行動できたら(意志)、
それはちゃんと心のバランスが取れている状態なんです。

逆に、欲望にまかせてゲームばっかりやってしまって、
テストでボロボロ…なんてことになったら、
理性や意志がうまく働いてない証拠。

つまり、理性・意志・欲望の3つが、
自分の中でちゃんとバランスよく動いている人が
「正しい人」だと、プラトンは考えたんですね。

そしてここからがポイント。

プラトンは、この中でも特に
理性の力がいちばん大事だと考えていました。
そしてこの理性を、
人生かけて育てている人がいる。
それが、哲学者です。

「正義とは?」「知るとは?」「善いとは?」――
そんなふつうの人はあまり考えたくないことを、
何時間でも、何年でも、本気で考え続けられる人たち。

それが哲学者なんです。

僕(この記事の筆者)は、
哲学者は「理性を極めようとする人種」だと思うんです。
だからこそ、理性をいちばん大事にするプラトンにとって、
「哲学者こそがリーダーにふさわしい」
と考えるのは自然な流れだったのでは?って思ってます。

ちなみに補足しておくと、
プラトンが生きた古代ギリシャには、
仏教の僧侶のような「聖職者に近い存在」はいませんでした。
ですから、「哲学者か僧侶か」
という選択肢があったというよりは、
「理性を鍛え抜く存在として、
哲学者しか考えられなかった」
というのが当時の状況だったのではないか?と思います。

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プラトンの哲人政治モデル:国家は人間の心のコピーだった!

ここからが、プラトンの発想のスゴいところ。

彼はこう考えました。

「人間の心が理性・意志・欲望の3つでできているなら、
国家も同じ3つの要素でできているはずだ!」

そして、国の中にもそれぞれの役割があると見なしたんです。

人間の心の要素 国家にあたる存在 役割
理性 統治者(国のリーダー) 国のルールをつくり、正しく導く
意志 軍人(国を守る人) リーダーの方針をしっかり実行する
欲望 庶民(ふつうの人たち) 節度を持って生活や経済活動を支える

この発想、わたしはすごく面白いと思います。

たとえば、学校にたとえてみましょう。

校長先生(=統治者/理性)が、
学校全体の方針やルールを決めて、みんなをまとめます。

学級委員や生活委員(=軍人/意志)が、
その方針にそって教室のルールを守らせたり、
困ったときに注意したりします。

生徒のみんな(=庶民/欲望)が、
それぞれ勉強したり遊んだり、
自由に生活しながらもルールを守って過ごします。

でも、もし校長先生がちゃんと考えずに
適当なルールばかり出していたら?
学級委員も「どうしてこれを守るの?」って困っちゃうし、
生徒たちも「なんでそんなことしなきゃいけないの?」
って不満が出て、学校がうまく回らなくなってしまいますよね。

だから、それぞれが自分の役割をしっかり果たして、
バランスよく動くことが大切なんです。

プラトンは、国家もそれと同じように考えました。
国の中で、「リーダー」「実行する人」
「ふつうの人たち」がちゃんと調和して働けば、
その国は正しい状態になる――そう思ったわけです。

つまり、人間の心と同じように、
国家も心の3要素がバランスよく保たれている状態がベスト
それが、プラトンの描いた「理想の国家」だったんですね。

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プラトンの哲人政治が目指す「理性が導く国家」とは?

じゃあ、そんな「人間の心の構造」とそっくりな国家の中で、
いちばん大事な役割を担うのは誰でしょう?

答えは――理性のポジションを担当する人です。
つまり、よく考えて、正しい判断ができる人。

プラトンは、そういう人こそ、
国のリーダー=統治者にふさわしいと考えました。

そしてその理性のプロフェッショナルが誰かといえば、
それはやっぱり、哲学をしっかり学んで、
深く物事を考えられる人=哲学者。

つまり、国を導くのは哲学者であるべき!
というのが、プラトンの「哲人政治」という考え方なんです。

これは「知識がある人が偉い」という話ではないと思います。
大切なのは、「みんなの幸せとは何か?」
「何が本当に正しいのか?」を
自分の考えだけでなく、
知恵や理性をもとに深く判断できる人であること。

たとえば、クラスの代表を決めるときに、
人気者だからとか、声が大きいから
という理由だけで選んじゃうと、
あとで「なんか話を聞いてくれない…」
「ちゃんと考えてくれない…」ってなること、
ありますよね。

プラトンは、そうならないように、
「本当に理性を育ててきた人=哲学者」が
リーダーになるべきだと考えたのだと思います。

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プラトンの哲人政治まとめ:知恵あるリーダーが国を導く理由

「力がある人」や「人気がある人」じゃなくて、
本当にちゃんと考えられる人こそが、
国のリーダーにふさわしい。

それが、プラトンの言う
「哲人政治(てつじんせいじ)」という考え方です。

たとえば、ゲームでも、学校でも――
リーダーがルールを知らなかったら、
「え?どうすればいいの?」ってみんな困っちゃいますよね。

プラトンは、そういう問題に
紀元前の時代から真剣に向き合っていたんです。

そして彼はこう考えました。

「人間の心と国家のかたちは似ている」
「理性・意志・欲望がバランスよく働けば、心も国もうまくいく」
「だから、理性を一番大事にしている哲学者こそが、国を導くべきだ」

この考え方は、たしかに理想論かもしれません。
でも、「本当に賢くて、
正しく判断できる人がリーダーになるべき」というこの発想には、
今の時代にも通じる大切なヒントがあると思います。

力じゃなくて、人気でもなくて、知恵で人を導く。
それが、プラトンの哲人政治がめざした理想の社会なんですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
難しいと思われがちな「哲人政治」も、
こうして身近な話や日常に置きかえることで、
少しずつ理解が深まってくるものだと思います。

もし「もっと知りたい!」と思ったら、
今度はソクラテスやアリストテレスにもぜひ目を向けてみてください。
彼らの言葉の中にも、きっと今を生きるヒントがあるはずです。
アリストテレスの「人間はポリス的動物である」の本当の意味とは?

でも…ちょっと待ってください。
そもそも、プラトンがなぜ「理性が大事」って言い続けたのか?
そこには、彼が描いた「現実=劣化コピー」
という驚きの世界観が関係しているんです。

気になる方は、こちらの記事もぜひ
現実は劣化コピー?プラトンのイデア論で紐解く理想の世界