参考文献・URL
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物価指数の計算ということで
これから昔と比べてどれくらい物価が上がったのか
下がったのか?という計算をしていきます。
物価指数の計算方法には
・ラスパイレスが考えたラスパイレス指数
・パーシェが考えたパーシェ指数
という2つの方法があります。
⇒パーシェ指数とラスパイレス指数の違いについてわかりやすく解説
では実際に例題を使って物価指数を計算してみましょう。
物価指数の計算方法を例題を使って理解しよう
以下の表を利用して、
昔と比べてどれだけ物価が上がったのか、下がったのか?
計算していきましょう。
基準年次(2010年、昔) | 比較年次(2020年、現在) | ||||
価格 | 取引量 | 価格 | 取引量 | ||
X | 10円 | 6単位 | X | 8円 | 4単位 |
Y | 30円 | 20単位 | Y | 40円 | 10単位 |
まず基準年次を2010年にして、比較年次を今現在の2020年として
物価が何%くらい上がったのか?計算していきます。
2010年はXという商品とYという商品2種類あって、
Xは10円で6個、Yは30円で20個という取引量でした。
今度、比較年次が今現在になるのですが、
Xは10円だったものが8円に値下がりしました。
Yは30円だったものが40円に値上がりしました。
比較年次の取引量はXは4個、Yは10個でした。
上記の表を使って
基準年次(昔)と比べて比較年次(今現在)がどれくらい物価が上がったか、
計算していくことになります。
まずパーシェ方式は比較年次の数量を使います。
基準年次(2010年、昔) | 比較年次(2020年、現在) | ||||
価格 | 取引量 | 価格 | 取引量 | ||
X | 10円 | 6単位 | X | 8円 | 4単位 |
Y | 30円 | 20単位 | Y | 40円 | 10単位 |
ですので、Xは4個、Yは10個という数量を使うことになります。
パーシェさんのやり方だと昔と比べて今がどれだけ物価が上がったか?
計算することになります。
そしてパーシェ指数の公式はこちらです。
Σはシグマと読み、総和(全部足す)という意味です。
ここではXで出した数字とYで出した数字を全部足すという意味だと思ってください。
で、パーシェ指数の公式で大事なのは
分子と分母にあるQt(数量)です。
実際、例題をパーシェ指数の公式を使って解いてみましょう。
値段に数量をかけ算するわけですが、
この数量をパーシェという人は比較年(今現在)の数量で
ウェイトづけをします。
ここがパーシェ指数の特徴です。
Xから確認しましょう。
もともとXは10円でした。
それが8円に値下がりしました。
Yはもともと30円だったのが今は40円に値上がりしました。
この値段に数量をかけ算して金額をはじき出すのですが。
この数量をかけ算するときにパーシェの場合は比較年次のデータを利用します。
だからXが4個で、Yが10個となります。
よって、パーシェ方式による物価指数は
約1.27となります。
これに対してラスパイレスのやり方で例題を解いてみましょう。
ラスパイレスのやり方だと基準年次の数量を使うことになります。
基準年次(2010年、昔) | 比較年次(2020年、現在) | ||||
価格 | 取引量 | 価格 | 取引量 | ||
X | 10円 | 6単位 | X | 8円 | 4単位 |
Y | 30円 | 20単位 | Y | 40円 | 10単位 |
ということで、基準年次の数量だけ
黄色いマーカーでチェックしておきますね。
ラスパイレスさんは基準年次の数量をデータとして利用します。
そうすると、パーシェ指数もラスパイレス指数も
今の値段が分子にきて、昔の値段が分母に来る点は全く同じです。
違うのは値段に何をかけ算するか?の値が違うだけです。
ラスパイレスの場合は基準年次の数量をかけて計算します。
以上のように2つの方法を使って物価指数を計算することになります。
物価指数の計算式の覚え方
はっきりいってラスパイレス指数の計算式とパーシェ指数の計算式って
この記事を読んで1時間もしたら
どっちがどっちかよくわからなくなってしまうと思います。
そこで覚え方をお教えします。
覚え方ですが、パーシェという文字で
1つ目に〇がつきますね。
1番目に〇ってことです。
ここで、パーシェ指数の公式をご覧ください。
公式で〇が1個(P0のところ、基準年次)しかありませんね。
これに対してラスパイレス指数の場合、
パの〇がくるのは
ラ、ス、パと3番目に来ますね。
ここでラスパイレス指数の公式をご覧ください。
〇が3番目のくるラスパイレス指数の場合、
公式で登場する〇の数は3つあります。
P0が1つとQ0が2つの合計3つです。
こうやって覚えると忘れにくいですね。
そもそも価格はパーシェもラスパイレスも同じなので、
〇の数で覚えると忘れにくいでしょう。
以上で物価指数の計算方法についての解説を終わります。