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生産性のジレンマとは?事例を挙げてわかりやすく解説

生産性のジレンマ 事例




生産性のジレンマとはどういうことなのでしょうか?
今回の記事ではグラフを使ったり事例を挙げたりしながらわかりやすく解説していきます。

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生産性のジレンマとは?事例を挙げて解説

生産性のジレンマについて研究した人はアバナシーという人で
主として自動車産業を専門にされていました。

まずはこちらのグラフをご覧ください。

生産性のジレンマ

縦軸はイノベーションの頻度です。
イノベーションがどれくらい生じているか?です。

プロダクトイノベーションは流動期が高くて徐々に下がります。
プロセスイノベーションは移行期に多くなって徐々に落ちていくグラフになります。

彼らは自動車産業で研究した人なので自動車を例として挙げてみますね。
生産性のジレンマを考える上で大事な概念があります。
それはドミナントデザインです。

ドミナントデザインというのは製品の支配的なデザインのことで、
デファクトスタンダードと似たような話になります。
デファクトスタンダードとは?

たとえばあなたにとって自動車ってどういうものですか?
標準的な人なら、普通はガソリンや電気で動いて
タイヤが4つついていて、ハンドルは円型と答えると思います。

それから普通の人に「スマホってどういうもの?」と聞いたら
「薄くて、タッチパネル操作で動いて」みたいな感じで
普通の人が想定する標準的な形ってありますね。
こういうのをドミナントデザインといいます。

生産性のジレンマ

で、流行期と移行期を分けるものというのがドミナントデザインの確立です。

ところで自動車ってそもそもどこの国が発明したのか?
争いがあります。
フランス対ドイツです。

時間順にいうと歴史的に世界初の自動車といわれているのは
1769年にできたキュニョーの砲車といわれています。
画像はwikipediaに掲載されていますので興味のある方がご覧ください。
キュニョーの砲車(ウィキペディア)

キュニョーはフランスの軍人で大砲を引っ張るための自走式のタイプです。
ところがキュニョーの砲車というのはエンジンが蒸気式でした。

そのあと19世紀に入ってドイツ人のダイムラーとベンツさんが
今のガソリンで動くエンジンのことを内燃式エンジンというのですが、
内燃式エンジンの実用化に成功しています。

なのでドイツ人からしてみると普通に走っている車は
ガソリンで動くからドイツが最初なのでは?と言っています。

生産性のジレンマ

現代人だとだいたい「車は4つでハンドルは円型でガソリンで動くエンジンで・・・」
と標準的な規格があるわけですが、
でも、こういう標準的な規格が確立する前というのは当然、
キュニョーみたいに蒸気式のエンジンを発明する人もいますし
ガソリンで動く内燃式エンジンを発明する人もいます。

エンジン一つとってもプロダクト(部品)の発明が起こります。

プロダクトイノベーション

つまり、初期のころっていうのはまだドミナントデザインが確立されていないとき(流動期)は
蒸気式や内燃式といった部品(プロダクト)のイノベーションが起こる
わけです。

ですが、何らかの理由のよってドミナントデザインが確立されるわけです。
自動車の場合だとタイヤは4つでハンドルは円型で、エンジンは内燃式という形で
確立されてきます。

ドミナントデザインが確立されてくると
次にプロセスイノベーションが起こります。
代表的なのはフォードシステムです。
フォードシステムの特徴をわかりやすく解説
フォードがベルトコンベアとか導入して、
作り方の革命が起こったわけです。

プロダクトイノベーション

ところが生産性のジレンマについて研究した人はアバナシーが
生産性のジレンマといってるのはその辺の話ではありません。
固定期の話です。

固定期に入ってくるとプロダクトイノベーションもプロセスイノベーションも
両方とも小さくなってきます。

移行期から固定期に入ると会社の生産性は高まりますが、
大きなイノベーションが起こらなくなってきます。

生産性の向上とイノベーションはトレードオフの関係にあるわけです。
生産性が向上すると、イノベーションが小さくなるわけです。
このことを生産性のジレンマ
といいます。

どうしてこうなるのでしょう?
ドミナントデザインがある程度確立して作り方も確立してくると
素材を変えたり、作り方を変えるというのはものすごく手間暇がかかるわけです。

たとえば、タイヤ4つを5つに変えたら、
おそらくボディーの部分まで変えないと車として成立しないでしょう。
そうなると大きなイノベーションが起こる余地がなくなってくるわけですね。

こういうことを生産性のジレンマといいます。