機能式組織はファンクショナル組織ということが多いですが
どちらも同じ意味です。
この記事ではファンクショナル組織という名前を使い、
意義やメリットデメリット、具体例について解説していきます。
ファンクショナル組織の例
ファンクショナル組織というのは
以前解説したテーラーの職能別職長制組織をベースにしている組織です。
テーラーの職能別職長制組織についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒テーラーの科学的管理法をわかりやすく解説
まず前回解説したライン組織の図をご覧ください。
⇒ライン組織のメリットとデメリットについてわかりやすく解説
次に今回のテーマであるファンクショナル組織の図(ある会社の例)をご覧ください。
ファンクショナル組織の図です。
ライン組織では消しゴムを1万個作る工場だったら
2人の部長で5000個ずつに分けました。
⇒ライン組織のメリットとデメリットについてわかりやすく解説
ファンクショナル組織では1人の部長は生産部長、
もう1人をマーケティング部長とします。
生産部長は1年間に1万個の消しゴムを作るとしたら
1万個の消しゴムの生産だけ管理します。
マーケティング部長は1万個の消しゴムを販売することだけを管理します。
ただ、学問的なファンクショナル組織は
上位者(部長レベル)は生産やマーケティングといった感じで
役割分担がありますが、下位者(社員クラス)には役割分担がありません。
ですので、指揮命令の関係としては生産部長は会社の社員4人に対して命令する権限があり、
マーケティング部長も社員4人に対して命令する権限があります。
ライン組織とは違いますね。
⇒ライン組織のメリットとデメリットについてわかりやすく解説
ファンクショナル組織のメリットとしては
管理者の負担が軽くなるというのがあります。
ライン組織だと生産部長に当たる人は5000個の生産だったのに
ファンクショナル組織だと1万個の生産になったので、
生産だけでいるとファンクショナル組織の方が負担が大きくなったように感じます。
ですが、生産だけに特化できる(販売は無視できる)ので
一般的にファンクショナル組織の方が負担が軽くなります。
ですが、社員は生産部長の命令もマーケティング部長の命令も
両方聞かないといけなくなります。
ということは真逆の命令を2人の部長からされたら
社員は混乱します。これはファンクショナル組織のデメリットになります。
ファンクショナル組織の例としては大企業でなく、
町工場レベルの零細企業を挙げることができます。
従業員が数人レベルの町工場だと
社長がいて、ベテランの人は生産部長みたいな感じになり、
入りたての社員は役割分担が明確でなく
生産をやったり、販売をやったりすることになります。
どうしてこうなるのでしょう?
人数が少ない町工場を想像してみてください。
ライン組織みたいに社員の役割を固めてしまったとしましょう。
その場合、工場が暇になると生産部門の社員は暇になります。
でも販売部門の社員は忙しくなるかもしれません。
となると効率が悪くなってしまいますね。
だからファンクショナル組織という形で
下位者の社員は役割をあえて曖昧にしておいて
忙しい方を手伝うという形にしておいた方がうまく機能するわけですね。
ファンクショナル組織とライン組織の違い
ここまでファンクショナル組織とライン組織の違いを解説してきました。
まとめると、ファンクショナル組織とライン組織では基本的にメリットとデメリットが逆になっています。
ライン組織は命令系統の一元化ができるというメリットがありますが、
管理者の負担が重くなるというデメリットがあります。
逆にファンクショナル組織は管理者の負担が軽減できるというメリットがありますが
命令系統の一元化ができないというデメリットがあります。
ライン組織とファンクショナル組織でメリットとデメリットがあるので
それを補うためにできたのがラインアンドスタッフ組織です。
続きはこちら
⇒ラインアンドスタッフ組織とは?わかりやすく解説