参考文献・URL
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前回、貨幣需要曲線について解説しました。
⇒貨幣需要曲線ってどうやってできている?
今回は貨幣供給曲線について解説します。
貨幣供給曲線
上のグラフが貨幣供給曲線です。
シンプルに垂直になっていますね。
縦軸はr(利子率)です。
それからM/Pは実質貨幣供給量です。
M/PのPは物価を表しています。
普通、物価って上がったり下がったりしますね。
たいていは毎年物価は上がっています。
でも貨幣供給曲線では物価Pは一定と仮定します。
ここは重要ですね。
物価Pが一定とわかっていないと
貨幣供給曲線を理解できなくなってしまいますからね。
「でも、どうして物価を一定と仮定するの?」
と「なぜ?」を理解しないと納得できない方もいるかもしれませんね。
物価Pを一定にする理由は、物価については
生産要素市場で決定されます。
マクロ経済学では財市場、生産物市場、資産市場の3つに分かれています。
財市場は財やサービスについて考え、生産要素市場は労働、資本、土地などについて考え、資産市場は貨幣や債券について考えます。
貨幣供給曲線は資産市場です。
少しでも計算を楽にするために物価Pは一定と仮定しているんです。
それからM/PのMは名目貨幣供給量を表しています。
名目貨幣供給量は日本銀行がコントロールしています。
なぜ貨幣供給曲線は実質貨幣供給量を使うの?
ではなぜ貨幣供給曲線は名目貨幣供給量(M)ではなく
実質貨幣供給量(M/P)を使うのでしょう?
今5,000円が財布に入っているとします。
5,000円は物やサービスを買うために持っている人が多いでしょう。
たとえば卵を買うとして、昨日は卵10個入り1パックが200円だったのに
今日見たら250円になっているとしたら・・・
5,000円持っている人なら1パック200円だと25パック買えますが
1パック250円になったら20パックしか買えません。
これが物価が上がるということです。
このようになるので、
名目貨幣供給量を物価で割ることで
物を実質的に何個(何パック)買えるか(実質貨幣供給量)で
見ていきましょうと考えています。
実質貨幣供給量M/Pを横軸にとるわけなんですが・・・
日本銀行が貨幣供給量をコントールしています。
日本銀行は利子率といった、世間の関心事に影響されません。
利子率が上がったから投資しようとか
利子率が下がったからお金を借りようとか
日本銀行は気にしません。
なので、名目貨幣供給量Mをコントロールしている日本銀行は
利子率の影響を受けません。
また、物価は一定と仮定していましたね。
だから実質貨幣供給量M/Pは一定となり
垂直なグラフとなるわけです。
以上で貨幣供給曲線についての解説を終わります。