ライン組織というのは経営組織(組織構造とも)の一種です。
経営組織というのは、組織内の権限関係の設定をどういう風に行うか?という理屈のことです。
今回は経営組織の一種であるライン組織のメリットとデメリットについて
解説していきたいと思います。
ライン組織のメリットとデメリット
ライン組織は組織図で書くと以下のようになります。
上記図で□は人とか部門を表し、
ピンク線は指揮命令(権限関係)を表します。
たとえばあなたがどこかの工場に社員として就職したとしましょう。
すると、あなたは上記図で言ったら一番下の社員に該当します。
ここではあなたは社員1だとしましょう。
たとえば、あなたの上に課長とか部長がいるでしょうけど、
今回は直属の上司は部長1だとします。
で、普通組織というのはどの部長の命令を聞かないといけなくて
どの部長の命令は聞かなくていいか?というのがあります。
これを権限関係といいます。
ですので上記図で指揮命令関係=権限関係
と理解してください。
ところでライン組織は命令系統の一元化が働かれている組織のことをいいます。
⇒ライン組織とは?
たとえば、上記図において社員1から見たら上司として社長以外に
部長1や部長2がいるわけですけど、
ライン組織においては
部長1の言うことは聞かないといけないけど、部長2の命令に従う必要はありません。
逆にあなたが部長2の立場だったら、
社員1、社員2、社員3、社員4と4人の下がいるけど、
社員3と社員4に対しては命令する権限を持っているけど、
社員1と社員2に対して命令する権限を持っていません。
ライン組織のメリットは誰の命令を聞いて
誰の命令を聞かなくていいか?明確なので規律を保たれやすいという点を挙げることができます。
逆にライン組織のデメリットとしては
管理者の負担が重くなりがちという点を挙げることができます。
どうしてかというと
たとえばこの工場が1年間に消しゴムを1万個生産して販売する会社だとします。
部長1と部長2という管理職の役割分担でライン組織においては
部長1も部長2も5000個の消しゴムの製造販売をしているとしましょう。
とするとどちらの部長も個数は5000個だけど、
製造のことも販売のことも学んで管理しないといけません。
あと、部長1も部長2も部下2人の教育が必要になりますし、
部長1も部長2も経理や広告宣伝などの責任も同じように負わされます。
だからライン組織は一般的に負担が重くなりがちです。
このライン組織のデメリットを補うために誕生した組織がこちらになります。
⇒ライン組織のデメリットを補う組織とは?
ライン組織の典型例は軍隊を挙げることができます。
軍隊は命をかけていますから、
命令系統の一元化が重視されるためライン組織型が向いています。
続いてライン組織と似た組織であるファンクショナル組織とラインアンドスタッフ組織について解説します。
⇒ファンクショナル組織の具体例
⇒ラインアンドスタッフ組織とは?わかりやすく解説