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1次試験

名目GDPと実質GDPの違いをわかりやすく解説

名目gdp 実質gdp 違い




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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GDPというのは国民所得の代表概念です。
実際、報道なんかで豊かさを表示する場合にはGDPを使うことが圧倒的に多いです。
GNIを計算するのは大変だからです。

だから実際の運用上はGDPが代表概念になっています。

ただGDPという用語の前に『実質』GDPはどう?みたいに
『実質』という言葉がついています。

この実質GDPの実質という意味がわかっていないと
間違った解釈をしてしまいかねません。

もちろん実質GDPがわからないということは
対になる概念である名目GDPもわからないでしょう。
もしかしたら名目GDPと実質GDPを勘違いしてしまうかもしれません。

勘違いした状態でツイッターなどでつぶやいたら恥をかきます。
そうならないために、今回の記事では名目GDPと実質GDPの違いについてわかりやすく解説します。

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名目GDPと実質GDPの違いって何?

まず表をご覧ください。

物価と生産量の表

ある国の1年目における生産量をY1、物価をP1としましょう。
それから2年目の生産量をY2、物価をP2とします。
こういった前提をもとにして名目GDP、実質GDPを計算してみましょう。

まず名目GDPは1年目はP1×Y1となり、2年目はP2×Y2といった感じで
それぞれの年の生産量とそれぞれの年の物価を掛け算して求めます。

つまり、

名目GDPの求め方

名目GDP=それぞれの年の生産量×それぞれの年の物価

ということです。

たとえば、その年、100個生産していて1個20円なら
名目GDP=100個×20円=2000円
となります。

物価と生産量の表

次に実質GDPをみていきましょう。
1年目の実質GDPはP1×Y1となり、名目GDPと同じになります。

ですが、2年目の実質GDPはP1×Y2
となります。
ポイントは2年目に利用する物価は1年目の物価P1を使うというところです。

名目GDPと実質GDPの違いは2年目において

・名目GDPはP2×Y2
・実質GDPはP1×Y2

という点です。

つまり、名目GDPというのはその年の生産量をその年の物価でかけて求めます。
その年の物価で生産量を測ったものが名目GDPということです。

一方、実質GDPというのは物価の水準をある年(2年目でもP1と決めたらP1)で固定してしまいます。
つまり実質GDPの場合は基準となる年を決めて
基準となる年の物価で、知りたい年の生産量を測っていきます。

特に計測上豊かさを測るうえで重視されるのは
名目GDPではなく、実質GDPとなります

どうして実質GDPを重視しないといけないのでしょう?
理解しやすくするために、条件を設定してみますね。

物価と生産量の表

たとえば生産量について2年目の生産量は1年目の生産量とまったく同じだったとしましょう。
Y2=Y1ということです。
つまり物質的な意味での豊かさは変化しない同じだってことです。

それから2年目の物価水準は1年目の物価水準の2倍だったとしましょう。
P2=2P1
ということです。

前提条件

・Y1=Y2
・P2=2P1

とします。

2年目は物価が2倍になったということです。
まさに令和4年現在の日本みたいな感じです。

その上で名目GDPを計算してみましょう。
2年目の名目GDP=P2×Y2となりますが、
Y2=Y1、P2=2P1という前提があったので、

2年目の名目GDP=P2×Y2=2P1×Y1
と書き換えることができますね。

これは1年目の名目GDPの2倍になってますね。
なぜなら1年目の名目GDP=P1×Y1で、
2年目の名目GDP=2P1×Y1
ですからね。

1年目の名目GDP=P1×Y1
2年目の名目GDP=2P1×Y1

ということは2年目の名目GDPは1年目の名目GDPの2倍になった!

ということで2年目の名目GDPは1年目の名目GDPの2倍になったということです。
つまり豊かさが2倍になったということを名目GDPだと意味します。

でも本当にそうなのでしょうか?
生産量は変わっていません。
なのに、名目GDPが2倍になっています。
これはおかしいです。
なぜこんなことになったのでしょう?

物価が2倍になったからです。

こんな感じで名目GDPで計算すると
物価が上がるだけで豊かになってしまうというおかしな現象が発生してしまう
のです。

そこで実質GDPの登場です。

2年目の実質GDP=P1×Y2
でしたね。

Y2=Y1、P2=2P1という前提があったので、
2年目の実質GDP=P1×Y2=P1×Y1
となります。

つまり2年目の実質GDPは1年目の実質GDPと同じということがわかります。

というふうに実質GDPで測ることによって
物価の変動を除去して考えることができます

こんな感じで物価の水準をある地点(この記事では1年目)に固定して
測っていくことで物価の変動を除去して本来の意味での物質的な豊かさを
実質GDPだと計測することができます。

だから計測上でも実質GDPが重要視されるのです。

以上が名目GDPと実質GDPの違いになります。

こういった名目GDPと実質GDPの違いは
計算問題で公務員試験では出題されることがありますし
大学の定期試験でも出題されることもあります。

もしかしたら中小企業診断士試験でも出題されるかもしれません。
なのでしっかりと理解しておきましょう。

続いてGDPデフレーターについて解説します。