今回の記事ではアリストテレスの観想的生活(かんそうてきせいかつ)とは
どういうことなのか、解説したいと思います。
観想的生活とは?(アリストテレス)
観想的生活の観想とはどういうことでしょう?
観想はテオーリアといわれるものですが、
現在の英語のtheory(セオリー)の語源になっています。
theoryとは、原因と結果の関係であったり法則性を
論理的に納得がいく形で説明するための考え方のことです。
たとえば、高い所から物を落としたら当然、地面に落ちますね。
これは地球上には重力があるためですね。
こういったことを突き詰めるのがtheoryです。
つまり、真理を理性によってとらえる生活のことを観想的生活といいます。
これこそがアリストテレスから言わせると人間にとって最高によい生活だと考えました。
哲学者はいつもこんな感じで難しいことを
必死で考えている専門家です。
なので、哲学者がやっている生活が理想的な生活だとアリストテレスは考えたわけですね。
アリストテレスはプラトンの弟子ですが、
プラトンのイデア論を批判してエイドス論を主張しました。
⇒アリストテレスとプラトンの違いを分かりやすく解説
そんなアリストテレスですが、プラトンと同じように
最高善を実現することは個人のうちにおいてはできないことだと考えました。
そしてアリストテレスは国家生活による共同生活の必要性を説き、
そのうえで、観想的生活を送ることを主張したのです。
神だって観想的生活を送っているのだから
人間だって観想的生活を送るようにアリストテレスは主張したのでした。
以上で解説を終わります。