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一般知識

ホイトの扇形理論(扇形モデル)とは?わかりやすく解説

ホイトの扇形モデル(扇形理論)




前回の記事では同心円地帯理論について解説しました。
同心円地帯理論とは?わかりやすく解説

同心円地帯理論はすごくわかりやすい理論です。
高校の授業と科大学の講義でもそうですが、
説明が分かりやすい先生って人気がありますよね。

わかりやすい先生ほど生徒受けがよいわけですが、
その分、批判の対象になることもあります。

「この先生、わかりやすいかもしれないけど、
それってちょっと違うんじゃない?」みたいな感じで。

そこで登場してきたのが扇形モデル(せんけいもでる)です。
今回の記事では扇形モデルについてわかりやすく解説していきます。

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ホイトの扇形理論(扇形モデル)とは?

バージェスの同心円地帯理論を修正した話になります。
同心円地帯理論とは?わかりやすく解説

それが扇形理論です。
扇形理論(扇形モデル)はホイトさんが主張したモデルです。

ホイトの扇形モデル(扇形理論)

上の図をご覧ください。
中心と書いているところは都市の中心です。
都市の中心から郊外に向かって交通網が敷かれています。
交通網は鉄道です。

鉄道の沿線に住宅街が形成されていきます。
その形がちょうど扇形になっている。
だから扇形理論(扇形モデル)という形で呼ばれます。

ホイトの扇形モデル(扇形理論)

家賃というのを指標に調べてみると
都市の中心に近いところが以前解説した同心円地帯理論に似ていますが低家賃です。
同心円地帯理論とは?わかりやすく解説

中心から少し離れると中くらいの家賃になります。
郊外に行くと高家賃になります。

こんな感じで都市の中心から郊外に向かって
家賃が低⇒中⇒高
という形でわかれているということです。

交通網を中心として都市の発展の形が扇形に
拡がっていくというのがホイトの扇形理論です。

ホイトさんは不動産コンサルタント会社を経営していました。
そんなこともあってホイトさんはシカゴ学派の一人だからといって、
シカゴ『だけ』の土地の値段に詳しいだけでなく
いろんな都市の土地の値段も理解していました。

それでアメリカ中のいろんな都市を比較してみると
同心円にはなっていないことに気づきました。

同心円地帯理論 わかりやすく

前回解説した同心円だと方向は関係ありません。
同心円地帯理論とは?わかりやすく解説
とにかく中心からの距離によって利用形態が変わっていきます。
どの方向でも同じです。

これに対して扇形モデルの場合は『距離でなく方向』です。
扇形モデルの場合には、ある方向は高級だけど、ある方向は庶民的といった感じで
中心からの距離じゃなくて方向で決まるわけです。

たとえば東京都の電車でいうと京浜東北線って工場が多いです。
北区とか川口のあたりなんて元工業地域ですし、
大田区とか川崎のあたりも工業地域です。

これに対して渋谷区の方は高級住宅街が広がっています。

方向によって利用形態が決まるというのは
私鉄というのは中心から周りに出ているわけです。
東京でいうと山手線の駅をターミナルとして
そこから郊外にどんどんのびています。

今は地下鉄の相互乗り入れが進んでいます。
今、渋谷は乗り降りする人が減っていて
地下鉄にのって渋谷を通過する人が増えているわけですが、
もともと渋谷はターミナル(終着地点のこと)だから本当は渋谷より先に進めませんでした。

すると私鉄ってそれぞれのカラーがあります。
この私鉄は高級路線で、この私鉄は庶民派の路線といった感じで
いろんな私鉄は沿線ごとに同じイメージで開発されて行きます。
ということはどんなに離れていても同じ私鉄、同じ会社なら
同じようなイメージ(高級路線なら高級だし、庶民派なら庶民派)であり続けます。

庶民派の私鉄なら中心から近い場所であっても遠い場所であっても庶民派ということです。
くどいようですが、中心からの距離ではなく方向によって土地の利用形態が決まってくるということです。

以上で扇形モデルについての解説を終わります。