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一般知識

名望家政党と大衆政党の違い【公務員試験対策】

名望家政党 大衆政党




今回の記事では公務員試験や行政書士試験で
出題される可能性がある名望家政党と大衆政党の違いについて
わかりやすく解説します。

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名望家政党と大衆政党の違い

政党は私的な社会集団

政党というのは私的な社会集団です。
もっというと結社です。
国家の公的制度ではありません。

でも公的な役割を徐々に担うようになり
税金から助成金が出るようになっていきました。
政党助成金というやつです。

政党助成金があるから
政党における公的な意味合いというのを私たちは認めるという形になります。

では政党はどういった動きをするのでしょうか?

名望家政党と大衆政党

政治権力を獲得維持することを目的に活動するのが政党です。
政治権力とは?わかりやすく解説
結社といったら同好会とか部活とかサークルと変わらないのですが、
部活は成犬を目指しませんよね。
でも、政党は目指します。
そこが単なる結社(部活とかサークルとか)と政党は違います。

そして政党は類型化されています。

政党の類型化

(1)名望家政党、幹部政党
(2)近代政党、大衆組織政党

に類型化されています。

名望家政党(めいぼうかせいとう)、幹部政党(かんぶせいとう)というのは
近年、特に近代初期に表れた政党のスタイルだと思ってください。

これに対して近代政党、大衆組織政党(大衆政党)は
近代後期に表れてきた政党の在り方だと思ってください。

どうしてこんなふうに

(1)名望家政党、幹部政党
(2)近代政党、大衆組織政党

と2つ存在するのか?
ということについてはウェーバーとデュヴェルジェという人物が
近代、現代の枠組みの中で政党の定義というものを
行ってしまっているからです。

で、

ウェーバーの定義では

(1)名望家政党
(2)近代政党(大衆政党とも)

という形で政党を分類しました。

デュヴェルジェの定義では

(1)幹部政党
(2)大衆組織政党

に分けました。

ウェーバーとデュヴェルジェの分類は
同じなのか?ということについてですが
若干の差異があります。

違いはありますが
さすがに公務員試験や行政書士試験では
若干の差異まで問われることはほぼないでしょう。
差異まで必死で覚えるくらいならもっと頻出事項を覚えましょう。

話を元に戻しますね。
名望家政党、幹部政党ですが
どういう違いがあるのでしょう?

近代初期、近代市民社会はブルジョア社会です。
ブルジョア社会についてはこちらで解説しています。
労働者階級がプロレタリア革命を起こすために必要な条件とは?

ブルジョア社会において政治に参加できたのは金持ちだけでした。
なので、ブルジョア社会における政党は金持ちクラブのようでした。
これが20世紀になると現代大衆社会、
すなわち、貧しきものでも選挙に参加できるという時代になったので
政治は貧しきものの声も聞かざるを得なくなりました。

そういった違いというのが根底にあるというふうに知っておいてください。

近代初期(近代市民社会)では
教養と財産がある人々、つまり名望家(めいぼうか)によって
構成されていました。
そりゃそうですよね。
政治に参加できるのはお金を持っている
ブルジョアジーに関係する人ばかりでしたからね。

これに対して大衆民主主義(大衆社会)においては
大衆の支持基盤と下部組織を持った政党になっていきます。

自民党でも立憲民主党でも
ホームページを見たら『党員募集』って書いてます。
誰もかれもが党員になる事ができる時代です。

ではもうちょっと違いを見ていきましょう。
名望家政党(幹部政党)に関しては
組織は閉鎖的です。
閉鎖的って言うのはお金持ちの集まりで貧乏人が入る余地がないって意味です。

これに対して大衆政党(近代政党)に対しては組織は開放的です。
貧しき人でも選挙に参加できるようになったから閉鎖的になります。

そして名望家政党(幹部政党)は党内の規律は非常にルーズです。
金持ち喧嘩せずってやつです。

これに対して大衆政党(近代政党)は単なる烏合の衆にさせないために
集権的な性格を有しています。
中央がギチッと権力を握っていて
厳格な党規律が存在します。

名望家政党と大衆政党の違いまとめ

・名望家政党は閉鎖的だけど大衆政党は開放的
・名望家政党における党内の規律は非常にルーズだけど
大衆政党の場合は厳格な党規律が存在する

です。

以上で解説を終わります。