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同心円地帯理論とは?わかりやすく解説

同心円地帯理論 わかりやすく




今回の記事では同心円地帯理論とは何か?分かりやすく解説していきます。

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同心円地帯理論とは?

同心円地帯理論はシカゴ学派のバージェスさんが主張した理論です。
シカゴ学派については前回の記事で詳しく解説しています。
人間生態学とは?わかりやすく解説
同心円というのは以下の図をご覧ください。

同心円地帯理論 わかりやすく

同心円とは方向は無関係で、
単純に中心からの距離によって利用形態が変わること
です。

同心円地帯理論|(1)中心業務地区

同心円地帯理論 わかりやすく

すると、都市の中心に位置するのが(上記図の1)中心業務地区になります。
町の中心部って歩いている人はいっぱいいますし
いっぱい買い物をしている人がいますけど、この場所に住んでいてノーメイクで
朝っぱらからゴミ出しをする人っていないわけですよ。

一般的に、町の中心部はビジネス街になっていて、
いろんな官公庁とかデパートが立ち並んでいることが多いです。
都心って、立ちながら友達と一緒にハンバーガーを食べたりするので
落ちた食べ物をネズミが食べることがあり、
すごいネズミもいますよね。

そんな中心部に住みたいなんて思いませんよね!?
私は住みたくありませんよ。

同心円地帯理論|(2)遷移地帯

同心円地帯理論 わかりやすく

中心からちょっと外側の2のエリアを遷移地帯といいます。
英語で書くと『Zone in Transition』です。
なので、移り変わりの激しい場所という意味になります。
どんどん移り変わっていく場所ということです。

バージェスによると2番目の遷移地帯は『移民が最初に居住するどん底社会である』といいました。
「中心部の隣だったら、誰もが住みたい町なんじゃないの?」
って疑問に感じた方もいるかもしれませんね。

まぁまぁ、最後まで話を聞いてくださいね。

移民はやってきてもなかなか仕事に就くことができません。
そこでだいたい最初にやるような仕事は
たとえば電車の棚を見て、そこで読み捨てられている雑誌を拾ってきて
駅前で安く売るような感じです。

これだったら会社に雇われなくてもできますからね。
こうやって移民はなんとか一生懸命生きているわけですよ。

ただ、こういった雑業(新聞や雑誌を拾って売る仕事)というのは
町の中心部でないとありません。
郊外にはありません。
だって郊外だったら住民はいますけど、中心部より人がいないし
電車も通ってないことがあるので、棚に捨てられた雑誌や新聞もありませんから
どう考えても雑業が成り立ちません。

だから町の中心部に仕事に行かないといけないわけですが、
移民はお金がないので遠くに住めないわけです。
遠くに住んだら電車賃などの交通費がかかるじゃないですか。

かといって、根性でめっちゃ遠くから歩いて中心部の職場に向かうのは大変ですよ。
歩きだったら1日かかってやっと中心部に到着ってこともあるかもしれません。
そうなったら仕事できませんよね。

なので、仕事がたくさんある都市中心部に近い、
歩いて行けるくらいの場所に住むしかありません。

とはいえ、遷移地帯って町の中心部に近いので土地の値段は高いです。
高いから普通だったら住めません。

ただ、同心円地帯理論ができたような19世紀から20世紀初めころというのは
空気も水も汚かったです。ネズミもいたことでしょう。

だから普通の人は都市中心部に住みたくありません。
仕事があるから仕方なく都市中心部に行っているけど、
こんな生活環境に住みたくないから空き地が多いです。

そういった空き地を不等占拠したりして
事実上、居住地行くにしていきました。
またこのような移民地域には飲食店街ができたりします。
移民というのは飲食店を始めることが多いです。

普通に労働するより飲食店をやった方が割がいいからです。
単なる肉体労働者であればイタリア系移民であろうが、中国系移民であろうが
ポーランド系移民であろうが何も変わりません。

これが料理となると
中国系移民が家庭料理を作ったとしてもシカゴだと珍しいわけです。
中華料理ですから。
イタリア系移民が料理を作るとイタリア料理となるので
シカゴでは珍しいわけです。

だから東京新宿の歌舞伎町あたりには韓国系料理がたくさんあったりしますし
横浜だと中華街がありますが、
こんな感じで中心部のちょっとはずれには移民系の人たちの料理店が
たくさん並んでいることが多いです。

そういうわけで移民の人たちは飲食店を経営することが多かったりするわけです。

同心円地帯理論|(3)労働者住宅地帯

同心円地帯理論 わかりやすく

さらに外側3番目のエリアに成り立つのが労働者住宅地帯です。
これは通勤に便利な場所で、移民2世が居住します。
主にヨーロッパからアメリカに移民が進んでいったのですが、
時代によって移民先の元の国は違います。

ざっくりいうと北西ヨーロッパから南ヨーロッパへ
とか、プロテスタント地域からカトリック地域へという感じで
だんだん移民のメインが変わってきます。

たとえばドイツ系移民とイタリア系移民を比較すると
ドイツ系移民の方が早かったです。

そのあと何十年かたってイタリア系移民が入ってくるわけです。
シカゴはこんな感じで移民がたくさん来たので人口が急増したわけです。

同心円地帯理論 わかりやすく

最初はドイツ系移民だってお金がありません。
だから2番目のエリアに最初は住んで、頑張っていくわけです。
そのあと何十年かたってイタリア系移民が入ってきます。
イタリア系移民が入ってきたとしても、もともとはドイツ系移民の方が多いです。
だからイタリア系移民が入ってきてもドイツ系移民は何の影響もありません。
でも、イタリア系移民が少しずつ増えてくると
なかにはマフィアになる人が出てくるわけです。

もともとはシチリア島の家族集団を指す言葉でしたが
シカゴにいってギャング団になります。
アルカポネという有名なギャングがいますが、
彼もイタリアからの移民でシカゴでギャングになった人です。

最初のころは仕方がありませんが
ドイツ系移民も子供くらいの世代になるとお金がたまってきます。
だったら都心近くの空気も水も汚い生活環境が悪い場所じゃなくて
もう少し外側の場所に引っ越そうということで3番目のエリアにうつっていくわけです。

同心円地帯理論|(4)中流階級居住地帯

同心円地帯理論 わかりやすく

さらに4番目のエリアは中流階級居住地帯になります。
中流階級という言葉は翻訳した人がつけた意訳です。
そもそも英語では『Residential Zone(日本語だと住宅地)』ですから。

中流階級居住地帯は広い土地や豊かな緑がある環境的によい住宅地です。
そんな場所なので高級マンションであったり一戸建ての家が多いです。
中流というとお金持ちっぽい感じがしますね。

英語で中流というのは裕福な層を指す言葉です。
たとえば会社の社長はアッパーミドルクラスといったりしますからね。

同心円地帯理論|(5)通勤者地帯

同心円地帯理論 わかりやすく


一番外側に位置する5番が通勤者地帯です。
中心の1番から30分から60分の距離にあって田園風景が広がっているような地域です。

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同心円地帯理論とは?まとめ

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ざっくりいうと外側に行けば行くほど
生活レベルが上がっていくイメージです。
つまり都会のど真ん中なんて空気も水も汚くてとても人が住むような場所ではありません。

移民たちは他に行く場所がないから我慢するしかないし
交通費も払えないので、仕事がある中心部の歩いて行けるくらいのすぐ近所に住むしかありません。
でも、お金がある人たちは電車に乗ったり自家用車で通勤してもOKです。

なので仕事のために仕方なく中心部(1)に行くわけですが、
普通のときは郊外の空気のきれいな場所に住んで生活する形です。
ですから外に行けば行くほど生活レベルが上がるということです。

こんな感じで同心円、中心からの距離によって生活形態が変わる
この構造自体は変わらないわけですが、中身はどんどん入れ替わります。
2番目のエリアにはドイツ系移民が最初に入ったけど、
そのあとイタリア系移民が入ってきて競争関係になり
最後はドイツ系移民は外に出ていきます。

中身は競争関係で入れ替わるわけですが、
中心からの距離によって生活形態、都市構造が変わるということ自体は不変だということです。
これはわかりやすかったので、受けがよかったようです。

でも、この同心円地帯理論を批判する人も出てきました。
それで出てきたのが扇形モデルです。

次の記事では扇形モデルについて解説します。