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一般知識

シカゴ学派パークによる社会学の特徴

シカゴ学派 パーク




前回の記事ではシカゴ学派の都市社会学について解説しました。
シカゴ学派の都市社会学についてわかりやすく解説

今回の記事ではシカゴ学派の1人である
パークの社会学の特徴について解説します。

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シカゴ学派パークによる社会学の特徴をわかりやすく解説

シカゴ学派 パークの解説

パークは『都市』という本を書いています。
パーク著『都市』
ただし、この本はパークが単独で書いたものではありません。

パーク以外にもバージェス、
さらにはマッケンジーといわれる社会学者と共著になっています。

ではこれからパークによる社会学の特徴をみていきましょう。
この記事では2つのキーワードを挙げさせていただきます。

『人間生態学』というキーワードが1つ目です。

パークの『人間生態学』

人間生態学という言葉はどういうことから作られたのか?
というと動植物の分野では『生態学』という学問があります。
私は獣医師ですが、学生時代、生態学は必須科目でした。
プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ

生態学というのはどういう地域に
どういう植物が生息しているのか?
どういう動物が生息しているのか?
そういうことを地図上に明らかにしていく。
地図の中でこういう地域にはこんな植物が生息して
こういう動物はこういう行動様式で生息している。
それを地図上に記していくわけです。

そうすると一定の地域社会で動植物の生息の実体を把握することができますね。
人間生態学はこの動植物の生態学からヒントを得てできました。

たとえばシカゴという都市がありますよね。
そのシカゴという都市の中でどういう地位にはどういう人間が生活しているのか。
たとえばその地域にいる人たちは上流階級なのか、
中流階級なのか、それとも下流階級なのか。
社会階級的な違いによって住む地域も異なってきます。
実際、日本だって同じことがいえますよね。

「東京のある地域は上流階級の人たちしかいないから
治安がいいけど・・・」みたいな話です。

ではそういう地域ではどんな人々が
どんな暮らしぶりをしているのか?
そういうことをシカゴという都市全体の中で
階級とかによって明らかにしていく。
そういった実態を地図上に示していくみたいな形が人間生態学です。

それでパークという人は都市というのを2つに分けています。
たとえば1つは共生的な社会です。
たとえば動物同士が生存する場合は
他の動物と競争を行って勝ち残っていかないと自分の生命を保っていくことはできません。
弱肉強食の世界が動物の世界では繰り広げられています。
まさにそれが共生的な社会です。

人間もまた自分自身が生きようとすると他に
生きようとする人間との利害関係が対立するわけです。
まさに生存競争のバトルが繰り広げられているところが共生的な社会です。

そこからだんだん競争とか闘争とか
そういう形で徐々に穏やかなその都市特有の文化的な社会というのが形成されていきます。
私たちがいろいろな都市に旅行すると都市によって雰囲気とかたたずまいとか違いますよね。
たとえば京都に旅行すると非常に伝統的な奥ゆかしさを感じることができます。
まったく東京とは異質な雰囲気を感じ取ることができます。
ということはその都市が長年かかって形成された
その都市特有の伝統とか人々の生活様式が一つの形になって文化的な
社会というのを形成しているのです。

パークはその都市というのを生存競争のバトルを繰り広げている共生的な社会。
これと長い間かかって形成されていった文化的な社会。
この2つに分けてその都市を考察しようとしました。
特に人間生態学の研究の対象になっているのは
生存競争のバトルが繰り広げられている共生的な社会が対象になる。
その社会こそが人間の赤裸々な本性というのが発揮される場所だと主張しました。

だから人間の本性を研究するにはまさに
都市というの生きた社会的な実験室になる。
そこを観察すれば人間の本性に迫ることができると
社会的な実験室として都市を考える。
そういうこともパークは主張しています。

パークの『人間生態学』まとめ

パークの人間生態学をまとめると
動植物の『生態学』が動植物の空間的な分布と
適応様式を扱うのと同じように人間の空間的な分布と
適応様式を分析するものだということです。

シカゴという都市全体の中で考えてみましょう。
どういう地域に?って考えるのが『空間的分布』のことです。

そしてどういう人間が生存して
その人間はその地域においてどんな環境に適応して
生活を行っているのか?その適応様式を分析するのが
動植物の生態学からヒントを得て人間生態学といいます。

人間がまさに生活生息している実体を観察していこう、
実体を明らかにしようということで人間生態学という言葉でよばれます。

パークの『社会的実験室』

パークにおける2つ目のキーワードは『社会的実験室』です。
どういうことか?というと
都市は人間性と社会過程を最も有効かつ有利に研究しうる社会的な実験室だということです。
先ほど『人間生態学』で都市というのを共生的な社会と文化的な社会の2つに分けました。

共生的な社会というのは人間の生存競争のバトルが
繰り広げられている弱肉強食の世界。
他の人間と競争をして他の人間を打ち負かすことで
自分の目的を達成しようとします。

例えば地方からやってきた人を騙すような人がいますよね。
自分が得するためなら純情で人のよい地方出身の人たちを
騙してもいいと思っているようなよからぬやつも中にはいます。

まさに自分が生きるためだったら
他人を騙しても生きていきたい、
儲けたい、そういうような人が結構いたりするわけです。

そういう生きるためには
生存競争のバトルを繰り広げていくというのが共生的な社会だから、
人間の本性がむき出しになっているわけです。
だから人間の本性とかあるいは共生的な社会から文化的な社会ということで
一つの社会というものが形成されていく過程。
人間の本性に迫っていきたい、研究したい。
そういうときには都市というのは生きた社会的な実験室になるということです。
でも社会科学で都市においてフラスコを持ったような実験はできませんから
人々を観察することによって実験の代わりになるということです。

そういう意味で都市というのは生きた社会的な実験室になっている。
そういうことを述べたのがパークということになります。

今回の記事は以上になります。