以前解説したロストウさんやガルブレイスさんは産業社会論の研究者です。
⇒ロストウのテイクオフ論をついてわかりやすく解説
⇒ガルブレイスの依存効果とは?わかりやすく解説
産業社会論はマクロな話で
マクロな産業構造の変化によって何が生み出されているか?でした。
今回のヴェブレンさんは消費社会論の先生です。
消費社会論というのはミクロな消費構造の分野です。
具体的には1人1人がどのように物を買ったりするのか?
産業構造ではなくて、ミクロな消費行動にフォーカスした議論になります。
だから経済学とかなりリンクしています。
ではここからが本題です。
この記事ではヴェブレンの顕示的消費(誇示的消費とも)とは
どういうことをいうのか、解説していきたいと思います。
ヴェブレンの誇示的消費(顕示的消費)とは?
ヴェブレンは経済社会学者でヴェブレン効果で有名です。
ヴェブレンさんは上流階級のことを有閑階級(ゆうかんかいきゅう)として注目します。
有閑の閑は『暇』という意味です。
有閑ということですから暇が有るということです。
つまりお金持ちを指します。
労働者みたいに働かなくても財産がいっぱいあるので
遊んで暮らせる、暇を持て余している人たち、これを有閑階級といいます。
有閑階級の人たちの商品は普通の人と違うとヴェブレンさんはいいます。
普通の人はお腹が空いたから食事を買い、家がないから家を買うし
服が破れたから服を買うわけです。
つまり、何かが必要だから使いたいから商品を買う、消費するわけです。
でも、有閑階級の人たちは顕示的消費(誇示的消費)といって
見せびらかすための消費だとヴェブレンさんは主張しました。
ヴェブレンさんは100年前の人なので
車は一般的ではありませんでした。
有閑階級の人たちは馬車に乗っているわけですが、
この階級の人たちは馬車を飾り立てていました。
当時はヴィクトリア調の服装が流行していて
女性は腰をコルセットで締めて複雑な服を着ていました。
こういうのって実用的ではありません。
馬車を飾り立てると重くなるので、機動性が悪くなるでしょうし
馬も疲れますから。
女性も複雑な服を着ると身動きがとりづらくなります。
でもこれってわざと見せびらかすためにやっています。
こんな無駄なことにお金を使えるくらい自分たちは金持ちだという。
これを顕示的消費、誇示的消費といいます。
このあと20世紀に入って世の中が豊かになっていき、
一般大衆も誇示的消費(顕示的消費)が拡がっていきました。
以上でヴェブレンさんの誇示的消費(顕示的消費)についての解説を終わります。