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一般知識

デュルケムの社会分業論についてわかりやすく解説

デュルケム 社会分業論




以前の記事でデュルケムとウェーバーを比較したことがあります。
デュルケムとウェーバーの理論を比較しまとめてみた!

今回は社会学の中でも社会変動論とうカテゴリーの中で
よく登場するデュルケムの『社会分業論』についてわかりやすく解説していきます。

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デュルケムの社会分業論

デュルケムさんはいろんな本を書いています。

が有名です。

社会変動論で出てくるデュルケムの著書だと
『社会分業論』になります。
社会学的方法の規準 (講談社学術文庫) [ エミール・デュルケーム ]

『社会分業論』という本はデュルケムさんが35歳のときに
ボルドー大学に提出した博士論文で1893年に刊行されています。
この本の中で社会変動についてデュルケムさんは語っています。

原始的な社会は機械的な社会で機械的連帯、
それから私たちが生活しているような近代社会は組織的な社会、
それは有機的な連帯による社会だと社会分業論で書かれています。

つまり機械的連帯から有機的連帯になっていったってことです。

デュルケムの社会変動論をまとめると以下の図のようになります。

機械的連帯

公務員試験だとよく
機械的連帯による環節的社会から有機的連帯による組織的社会へという
形で社会変動について出題されます。

機械的連帯

機械的な連帯の社会というのは原始社会がモデルになっています。
上記図で機械的連帯のところで書いているのでミミズです。
たとえば釣りをするときにミミズを使ったりする人がいますね。
ミミズは環虫類(かんちゅうるい)です。

そしてミミズを拡大すると上記図のように
筋みたいなのがあります。
そして1個1個の筋のことを『ホルド(環節)』といって
人間の最小の単位だと思ってください。
ホルド=家族
だと考えると理解しやすいと思います。

この家族(ホルド)が一定の地域社会の中で
単に機械的に並び立って地域社会が成り立っているにすぎない。
これを機械的な連帯による環節的社会という形で表現します。

あなたははじめ人間ギャートルズというアニメを知っていますか?

ドテチンとか出てきます。
みんなでマンモスを倒したりします。
生業が狩猟採集の生活です。

ドテチンの家族は狩猟採集の生活をしています。
隣の家族も狩猟採集の生活をしています。
家族によって個性の違いがみられません。
没個性的で同じような狩猟採集をする家族たちが
一定の地域社会の中にただ機械的に並び立っているにすぎません。
こういう社会のことを機械的な連帯による環節的な社会といいます。
環虫類(ミミズ)というものからヒントを得て環節的社会と名付けられています。

1個1個が環節みたいなもの。
だから個性の見られない環節が機械的に結合してできた社会だから
環節的社会と原始社会のことを呼んでいます。

ところが職業の分業体制が確立します。
1人1人の人間は自分の個性に合わせて職業選択の自由ができるわけです。
この記事をご覧にあなただってなりたい自分になるために
もしかしたら大学のレポート作成のためにこの記事を読んでいるかもしれません。

自分がやりたいこと、
自分の個性、あるいは才能を発見して実現するために努力します。
現在の社会というのは職業の分業体制によって成り立っていますね。
ということは今の私たちの社会は職業の分業体制で1人1人の個性ある人たちが
なりたい自分になって(例として医者、公認会計士、公務員など)、
その人たちが社会的に連結して、まるで生き物のように
有機的に連帯を行って私たちの組織的な社会が生き物のように
生命を保っているということです。
これが有機的な連帯による組織的な社会です。
こういう社会へと変動していると述べたのがデュルケムの社会分業論です。

ちなみに機械的連帯から有機的連帯への移行は
職業の分業によって行われるわけですが、
これがうまくいかなかったときに社会的な規範が緩んでしまうような状態、
アノミーに陥ってしまうとデュルケムは言っています。

アノミーというのはギリシャ語で無法律状態、
社会的な規範が緩んだような状態のことです。
マートンのアノミー理論とは?わかりやすく解説

機械的連帯から有機的連帯への移行がうまくいかなかったときに
社会的規範から緩んでしまうようなアノミー状態になるということに
警鐘を鳴らしているのがデュルケムということです。

以上で解説を終わります。