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一般知識

サルトーリの政党制についてわかりやすく解説

サルトーリの政党制




この記事ではサルトーリの政党制について
わかりやすく解説していきます。

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サルトーリの政党制

サルトーリの政党制

政党制は公務員試験頻出事項です。
もしあなたが公務員試験を受けるなら必ずつぶしておかないといけません。
まず人名も大事です。
サルトーリさんが分類しました。
政治社会学第5版 G.サルトーリ&K.ポパー「選挙制度の作用」「民主 [ 加藤秀治郎 ]

政党制とは?といったら
政党制とはその国の政党のあり方のことです。
サルトーリによって7つに分類されています。

サルとリーによる政党制7つの分類とは

(1)一党制
(2)ヘゲモニー政党制
(3)一党優位政党制
(4)二党制
(5)限定的多党制(穏健な多党制)
(6)分極的多党制(極端な多党制)
(7)原子化政党制

のことです。

(2)ヘゲモニー政党制と(3)一党優位政党制は
特に公務員試験においてあなたを誤答に導くような
選択肢が出題されやすいです。

「ヘゲモニー政党制とは・・・」みたいな選択肢が入っていても
実は『一党優位政党制』についての選択肢だったりみたいな
トラップがよく出題されています。

でもヘゲモニー政党制と一党優位政党制はまったく違います。

サルトーリによる分類(1)一党制

キューバ(一党制)


法制度的に1つの政党のみ存在が認められているものを一党制といいます。
一党制の具体例は

・北朝鮮
・キューバ

などです。

一党制と後で解説するヘゲモニー政党制は否競争的です。

サルトーリによる分類(2)ヘゲモニー政党制

ヘゲモニー政党制の中国


ヘゲモニー政党制は与党が制度上決定されています。
例えば憲法の中に「~党が国家を導く役割であるとする」
というふうに書かれていたりするのがヘゲモニー政党制です。

こう書かれていたらその政党しか与党になれませんよね。
こういうのをヘゲモニー政党制といいます。

ヘゲモニー政党制の例は中国です。

サルトーリによる分類(3)一党優位政党制

一党優位政党制は政権党は特定されていません。
ここがヘゲモニー政党制と違います。
ですが何度やっても特定の政党が選挙に勝って政権を握ってしまいます。
「どこの国だよ?」って思った方、
それは日本でしょう。

55年体制といわれた1955年から1993年にかけて
自由民主党単独政権。
いつやっても自民党が勝ってしまうという状況。
この状況によって一党優位政党制という言葉があります。

一党優位政党制は日本以外ではスウェーデンが有名です。

一党制とヘゲモニー政党制は否競争的でしたが
一党優位制、二党制、穏健な多党制、極端な多党制、原子化政党制は
競争的という区別の仕方もあります。

サルトーリによる分類(4)二党制

二党制は複数の政党で選挙戦を繰り広げるものの
結果として二党が優位になるものをいいます。
アメリカとイギリスが有名です。

イギリスの政治体制についてわかりやすく解説

サルトーリによる分類(5)限定的多党制(穏健な多党制)

穏健な多党制(限定的多党制とも)は主要な政党が3ないし5で
政党間のイデオロギー距離が比較的小さい政党のことです。
あと政党間の競合が求心的です。

求心的とは『まとまりやすい』という意味です。
穏健な多党制というのは比較的安定的な政治運営が可能になります。

サルトーリによる分類(6)分極的多党制(極端な多党制)

分極的多党制(極端な多党制とも)は主要な政党が6ないし8で
政党間のイデオロギー的距離が比較的大きい政党のことです。
あと政党間の競合が遠心的なのも特徴的です。
遠心的とは『まとまりにくい』という意味です。

極端な多党制というのは政権運営は不安定になりやすいです。

サルトーリによる分類(7)原子化政党制

原子化政党制というのは本当に突出した政党が存在しないでバラバラです。
政党が乱立していてだいたいの場合、
国家が極度の混乱期にある場合にでてきます。

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サルトーリによる政党制7つの分類理解のポイント

一党制、二党制、原子化政党制に関しては
理解しやすいです。

でも分極的多党制(極端な多党制)、限定的多党制(穏健な多党制)
そしてヘゲモニー政党制、
一党優位政党制に関してはよく注意してください。

保守派と革新派

矢印が両極に向いていますよね。
これが革新派と保守派で分極的多党制を表していると思ってください。
こんな風に極端なところに2つの政党があったりすると
まとまるものもまとまらなくなるわけです。

革新派は革新派で勝手なことをいい、
保守派は保守派で勝手なことをいうわけです。
どうなるか?というと議会で何も決められなくなるわけです。
こんな感じで分極的多党制の場合は両極が握手できません。

議会が機能不全に陥ったりするわけです。
先ほど解説しましたね。
こういうのを遠心的(まとまりにくい)というわけです。
結果、政局は不安定にならざるを得ません。

こういうことが実際にあったのはワイマール期のドイツです。
片方にナチスがあって片方に共産党がいて
決まるものも決まらない状態でした。

その結果、独裁者待望論が出ました。
そういう時代がかつてのドイツにありました。
ワイマール期のドイツは分極的多党制の例としてよく挙げられています。

限定的多党制

これに対して限定的多党制というのは
政党の数は少なくしてしまって
そしてお互いが握手できる距離にいます。
すなわち関係が求心的(まとまりやすい)わけです。

具体的に限定的多党制の国は現在のドイツです。
前回解説した3議席5%阻止条項。
ドイツの政治体制についてわかりやすく解説

小さな政党は切り捨てるわけです。
どうして切り捨てるのか?といったら
端っこと端っこが生まれると困るわけですよ。
またワイマール期のドイツみたいになってしまいます。
それを避けるために何をやっているか?といったら
多少の民意の反映ができないというデメリットは我慢してでも
まとまって安定しやすい政治をしたいということで
現在の政治の仕組みは成り立っています。

よろしいでしょうか?
限定的多党制と分極的多党制のイメージを
しっかりとつけておいてください。

以上で解説を終わります。