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1次試験

社会的余剰の求め方を問題を使ってわかりやすく解説

社会的総余剰 求め方




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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前回の記事では生産者余剰、消費者余剰について説明し、
そのあと、消費者余剰と生産者余剰をグラフから見つける3つのポイントについて解説しました。

ところで生産者余剰と消費者余剰のほかに
社会総余剰(総余剰とも)があります。
社会的余剰はSSと省略されることが多いです。

社会的を英語でSocial、余剰をSurplusと書くので
両者の頭文字をとってSSとなります。

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社会的余剰の求め方

社会的余剰とは消費者余剰CSと生産者余剰PSを足したものです。

つまり、社会的余剰の求め方は消費者余剰と生産者余剰をグラフから見つけ出し、

社会的余剰(総余剰)=消費者余剰+生産者余剰

と計算するだけです。

なので、前回の記事はすごく重要なので
必ずご覧ください。

経済学というのはいろんな価値判断からは中立であることを前提としています。
つまり、消費者がどれくらい得したとか損したとか、
生産者がどれくらい得したとか損したとかが重要ではないということです。
そうではなく全体としてみたときに社会的余剰が大きくなったのか
小さくなったのか、という点から分析比較をしていきます。

だから余剰分析の問題が出た時には
そのときには総余剰(社会的余剰)を必ず求めて、
その大小によって市場の優劣を比較していくことになります。

ただ、注意したほうがよいのは総余剰(社会的余剰)の求め方が
この記事では消費者余剰と生産者余剰の合計でできるようにしました。
でも、場合によってはいろいろ変わってくるので
今回の求め方は一例だと思ってご覧ください。

生産者余剰と消費者余剰を足せば絶対に総余剰を求めることができるというわけではありません。
別の解き方、求め方については今後、解説していくことにします。

生産者余剰と消費者余剰

ただ、完全競争市場では需要曲線と供給曲線に囲まれた大きな三角形が
完全競争市場における総余剰ということになります。

では実際に社会的余剰を問題を使って求めていきましょう。

今回の記事では社会的余剰の求め方に

問題

ある財の価格をP、需要量をD、供給量をSとすると
需要曲線がD=70ー7P
供給曲線がS=3P
であった。

市場均衡が成立しているとして
消費者余剰、生産者余剰、社会的余剰はいくらになりますか?
ただし完全競争市場とします。

こういった社会的余剰の計算問題は必ず以下のようにグラフを使って
解いていくようにしましょう。

問題

縦軸に価格P、横軸に需要量D、供給量Sをとります。
この問題には需要曲線、供給曲線が数式で示されていました。

需要曲線がD=70ー7P
供給曲線がS=3P

でした。

この数式を使って作図をします。
需要曲線、供給曲線を実際に描いていくということです。
このとき縦軸の変数は価格Pです。
数式をよくみると、P=の式になっていません。
だからこのまま使えません。

なのでまずP=の式に変形しましょう。
中学校2年生くらいで学習した、
Y=5X+3みたいな一次関数の式に変形するってことです。
このときのYが価格Pだと思ってください。

では変形してみましょう。

需要曲線D=70ー7Pを変形すると
7P=70ーD
P=10ーD/7
となります。

供給曲線S=3Pを変形すると
P=S/3
となります。

こんな感じでどうして変形するか?というと
作図をするための手がかりとして切片を求めるためです。
切片というのは縦軸のところのどの水準に需要曲線や供給曲線が位置するのか?
手掛かりに作図をするためです。

求め方としては需要曲線や供給曲線の数量(横軸)を0と置いたときに
Pがどんな値をとるか、確認すればよいです。

需要曲線だと
P=10ーD/7
なので、D=0を代入するとP=10となりますね。

つまり、

余剰

上記グラフの縦軸のように需要曲線における縦軸切片はP=10となります。
需要曲線は右下がりなので、上記グラフのようになります。
次に供給曲線はP=1/3Sと変形しました。
数量を0とおくと、P=1/3×0=0
だから原点を起点とした右上がりの線が供給曲線になります。

もちろん、均衡は供給曲線と需要曲線の交点なので、
均衡価格や均衡数量も簡単に決まりますね。

問題文でも完全競争市場だと書いているので
需要曲線と供給曲線の交点が均衡になることがわかります。

余剰


消費者余剰と生産者余剰の位置は前回の記事で解説しています。

生産者余剰も消費者余剰も三角形の面積になります。
三角形の面積は底辺×高さ÷2です。

ただ、そのためには均衡価格と均衡数量がわからないと求まりません。
ということで均衡数量と均衡価格を求めましょう。
均衡では売りたい量と買いたい量は一致します。
だから条件として売りたい量Sと需要量Dは一致しますから
S=Dとなります。

それと先ほど変形した2つの式を利用しましょう。

P=10ーD/7
P=S/3
となります。

変数はSとDとPで3つ式があるから
連立方程式を利用すれば、3つとも求まります。

P=7となりますね。

S=3P、D=SなのでD=3P

D=3PをD=70ー7Pに代入すると
3P=70ー7P
10P=70となり、P=7となります。

均衡価格


P=7が均衡価格です。

P=7をS=3Pに代入するとS=21となります。
S=21が均衡数量です。
S=DなのでDも21です。

均衡数量

消費者余剰は底辺が0から均衡数量までが21なので21、
高さは均衡価格の7から先ほど求めた需要曲線の切片であるP=10より
10-7=3となるので、

消費者余剰=底辺×高さ÷2=21×3÷2=31.5となります。

生産者余剰は底辺は消費者余剰と同様に21、
高さは0から均衡価格の7までなので7。

よって生産者余剰=底辺×高さ÷2=21×7÷2=73.5
です。

なので
社会的余剰(総余剰)=消費者余剰+生産者余剰=31.5+73.5=105
社会的余剰は105と求まりました。

こんなふうに計算して社会的余剰を求めることができます。
以上で解説を終わります。

社会的余剰は消費者余剰+生産者余剰なので、、、