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1次試験

消費者余剰と生産者余剰をグラフから見つける3つのポイントについてわかりやすく解説

生産者余剰と消費者余剰




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

今回の記事では

・余剰とは何か?
・消費者余剰とは何か?
・生産者余剰とは何か?
・消費者余剰をグラフから見つける3つのポイント
・生産者余剰をグラフから見つける3つのポイント

について解説します。

かなり盛りだくさんな内容となっていますが、
最後までお付き合いいただけるとうれしいです。

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余剰とは?

まず余剰について説明しますね。
余剰は英語で『Surplus(サープラス)』と書きます。

余剰とは『市場の望ましさ』のことです。
この記事をご覧のあなたは中小企業診断士試験や学部試験などで
ミクロ経済学を勉強している方だと思います。

でないと
『消費者余剰と生産者余剰をグラフから見つける3つのポイントについてわかりやすく解説』
みたいなタイトルの記事をわざわざ読まないと思うので。

なのであなたはいろんな市場を勉強していると思います。
その都度、その市場というものが経済学的に見て
どれくらい望ましいのか?という分析・比較をしているかもしれません。

その分析・比較を行っていくうえでの基準こそが『余剰』です。
なので、余剰はミクロ経済学を勉強しているなら
毎回登場する可能性があるくらいとても大事な用語です。

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消費者余剰とは?

消費者余剰 生産者余剰 わかりやすく

上記グラフをご覧ください。
縦軸に価格P、横軸に数量Qをとりました。
ここに需要曲線Dと供給曲線Sを描きます。

均衡価格と均衡数量

そして需要曲線Dと供給曲線Sの交点が『均衡』です。
均衡に対応する価格が均衡価格(縦軸)と均衡数量(横軸)です。
このグラフは前回解説した完全競争市場のグラフに該当しますね。

では、この市場の望ましさ、つまりこの市場における『余剰』はどのように
求めることができるのでしょうか?

このことについて解説していきます。

P1とQ1

たとえばP1という価格で買いたい量(需要のこと)はどれくらいでしょう?
P1が需要曲線Dとぶつかるところから
さらに下に線をおろしましょう。
するとQ1にぶつかりますね。

これの意味は、たとえば「ワンピースのカードが1つ200円なら
3つ買いたいです」みたいな感じです。

ここで、今の考え方と逆の考え方をしてみましょう。
1つ200円なら3つ買いたいと言っている人に
『じゃ、3つ買うとしたら、1つあたりいくら払える?」といった感じです。

当然、この人は「200円だったら払ってもいいよ」と答えるはずです。
これは自明ですね。
200円なら3つ買う人だったら、
3つだったら200円で買うと言うのは当たり前ですね。

需要価格

ワンピースカード3つなら、その3つから(上記グラフのQ1に該当)
上に行って需要曲線Dとぶつかり、左側を見ていくとP1とぶつかりますね。
P1は払ってもよいと考える価格の水準だといえます。

Q1という量に対して消費者が払ってもよいという価格P1が見つかります。
経済学では払ってもよいと考える価格には名前が付けられていて
これを『需要価格』といいます。

量を増やす

上記グラフをご覧ください。
Q1よりもっと量が増えると(横軸で右に行くほど)
需要価格がどんどん下がっていますね。

これは私たちの消費者心理から考えると当たり前のことだといえるでしょう。
たとえば、あなたは餓死しそうなくらいお腹がすいているとしましょう。
それこそ1週間のまず食わずの状態です。

ハンバーガー

そんなときに1個のハンバーグにはとても高い価値を置くはず。
場合によっては1個1万円だって払ってもいいと考えるかもしれません。

エベレスト


それこそエベレスト登山中に遭難して、食糧が底をついて餓死寸前。
そんなときにハンバーガー1個食べれるなら100万円払っても惜しくないと考えるかもしれません。 量を増やす

でもどんどん量を増やしていく、
ハンバーガーをバクバク食べていくと、
だんだんありがたみが減っていくはず。
つまり、払ってもよいと考える価格は
100万円からどんどん下がって行って
最後には無料でもいらないという状態になっていくはずです。

そんな感じで数量Qが増えれば増えるほど払ってもよいと考える価格は下がって行きます。
つまり、ありがたみが薄れていくわけです。
そんな点からも需要曲線は右下がりであることがわかります。

供給価格

今度は供給側について考えてみましょう。
P2という価格で右に行って供給曲線とぶつかるところ、
そこから下に向かっていくと売りたい量Q1がわかります。

たとえばハンバーガー1個100円だったら
どれくらい売りたいでしょうか?と生産者に聞いたら
「100個だったら売ってもいいかな」と考えたとしましょう。
その100個が価格P2(100円)におけるQ1(100個)です。

では売り手側に「ではハンバーガーを200個売るとしたら1個あたり
いくらの値段にしますか?」って聞いたとしたら、
当然「100円だったら売ってもいい」と答えるでしょう。

供給価格

つまりQ1から上に行って供給曲線にぶつかって左側に行くと
P2という価格(Q1という量なら売ってもよいという価格)にぶつかります。

特にP2という価格については需要の反対だから供給価格という名前がついています。
供給価格とは生産者側が売ってもよいと考える価格のことです。

作れば作るほどコストが増す

だからどんどん売る数量が増えれば増えるほど
当然、そこにつぎ込むコストも増えてきます。
作れば作るほどコストが増えてくるので
売ってもよいと思える価格水準がどんどん上がっていくことになります。
だから、供給曲線は通常、右上がりになります。

実際の価格

以上のことを踏まえて余剰について考えていきましょう。
実際のところ、価格Pは需要曲線と供給曲線の交点である『均衡』で決まります。
均衡のところの価格が実際の価格で均衡価格です。
実際の市場において成立する価格になります。

とすると、どんな数量を買うにしても
均衡価格を払うことで、商品を購入することができます。

需要価格

たとえば、Q1だけの数量を買う時、
消費者は均衡価格を払えば商品を買うことができます。
たとえば、均衡価格が200円なら200円払えば、
ハンバーガーを1個買うことができます。

消費者の得


ところが、消費者はQ1の量のときだったら
このハンバーガーに対してならP1(たとえば300円)払ってもよいと考えています。

300円払ってもよいと考えているのに実際に払う金額は200円です。
とするなら、その差額に当たる100円分は消費者が得をしたことになりますね

この高さの差が『消費者の得』を意味しています

もちろん消費者はQ1の量だけを取引するわけではありません。

消費者の得の合計

取引する量は均衡の水準で決まります。
だから横軸において0から均衡数量までずっと購入量を増やしていきます。
ということは、差に相当する得が蓄積されていきます。
差が0になるところ(均衡)まで蓄積されていけば、
最終的には上記グラフの緑色の三角形の面積だけ消費者の得が蓄積されます。

つまり消費者の得の合計=三角形の面積ということになるわけです。
そして消費者の得の合計を消費者余剰(しょうひしゃよじょう)といいます。

消費者余剰は経済学ではCS(シーエス)と省略して使われることが多いです。
CSのCはConsumer(消費者)でSはSurplus(余剰)からきています。

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消費者余剰をグラフから見つける3つのポイント

経済学で消費者余剰をグラフから見つける問題が出題されます。
今回解説した内容がわかれば消費者余剰の場所を探すことはできると思います。
でも、試験っていうのは時間との戦いになります。
瞬時に発見できなければ意味がありません。

そこでこの記事ではを消費者余剰を
グラフから見つける3つのポイントについて解説します。

この3つポイントを知っておくと
どんな形に需要曲線や供給曲線をいじられたとしても
必ず見つかります。

ポイント(1)需要曲線よりも下に消費者余剰はある

消費者の得の合計

需要曲線よりも下側に消費者余剰はありますよね。

ポイント(2)支払価格よりも上の部分にある

消費者の得の合計

実際に消費者が支払うことになる価格水準よりも上に消費者余剰はあります。
上記グラフもそのようになってますね。
実際の消費者の支払価格は均衡価格ですからね。
均衡価格よりも上に消費者余剰はありますよね。

ポイント(3)需要量よりも左側に消費者余剰はくる!

消費者の得の合計

上記グラフで『均衡』となっているのが需要量(取引される量)です。
この需要量よりも左側に消費者余剰はきていますね。

以上3点が、消費者余剰CSを見つける上でのポイントになります。
「消費者余剰は三角形をしている」と思い込んでいる人がいますが、
上記グラフは偶然三角形になっているだけです。

需要曲線や供給曲線の形状によっては
設定によっては消費者余剰が台形や四角形になったりします。
でも、どんな形になっても必ず今挙げた3つのポイントを覚えておくと
消費者余剰は必ず見つかります。

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生産者余剰とは?

次は生産者側について考えていきましょう。

生産者の得

たとえばQ1の量(ハンバーガー1個)売るとき
1本あたりP2の値段(たとえば200円)で売っても良いと考えているとしましょう。
ですが、実際の取引価格はもっと高くて、均衡価格(たとえば500円)です。
200円で売っても良いと考えているのに、
500円で売れるなら、その差は300円です。
この300円は生産者にとってみれば得をしていますね。

200円で売ってもよいと考えているのに500円で売れるなら300円の得ですから。

生産者余剰


もちろん生産者はQ1の量だけでなく生産量0からどんどん生産を増やし
均衡の水準までどんどん生産して、売り続けていきます。

その都度、実際の価格(均衡)と売ってもよりと考える得の差だけ
得をし、どんどん蓄積していくので、最終的には
上記グラフの紫色の三角形のところが
生産者の得の合計になります。

この三角形の分だけ生産者は得します。
この生産者が得ることができる得の合計を生産者余剰といいます。

生産者余剰はPSと略されることが多いです。
生産者は英語でProducer、余剰をSurplusだから
頭文字をとってPSと略します。

生産者余剰もグラフで見つけるために3つのポイントがあるので
解説しますね。

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生産者余剰をグラフから見つける3つのポイント

ポイント(1)供給曲線よりも上にある

生産者余剰

供給曲線よりも上に生産者余剰の三角形がきていますね。

ポイント(2)受取価格よりも下にある

生産者余剰

生産者が実際に受け取る価格水準(均衡価格)よりも下側の面積が
生産者余剰になります。

ポイント(3)供給量よりも左側にある

生産者余剰

供給量は均衡数量で決まるので、
そこよりも左側の面積に生産者余剰はなっていますね。

以上で解説を終わります。