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前回の記事では余剰とは何か?解説しました。
⇒余剰とは?【経済学】わかりやすく解説
・消費者余剰
・生産者余剰
の2つがあるのでした。
今回は消費者余剰とは何か?
分かりやすく解説していきたいと思います。
消費者余剰とは?
まず消費者余剰の定義から。
消費者余剰とは消費者(お客さん)がお金を払ってもいいかな、
と思えるマックスの価格と実際に支払った価格の差額のことです。
ただ、定義だけ知っても、
抽象的過ぎて「???」となっているかもしれません。
そこで具体例を挙げてみたいと思います。

3人のサラリーマンがいます。
それぞれみんなでコンビニのおにぎりを買いに行くという設定です。
サラリーマンAは「1個700円だったら買うかな」
サラリーマンBは「1個600円だったら買うかな」
サラリーマンCは「1個500円だったら買うかな」という設定です。
で、コンビニに行ったところ、
おにぎりの消費期限が近付いていたため、
1個400円でした。

ということはもちろんサラリーマンA、B、C3人は
1個ずつおにぎりを買って休憩時間中に公園などで食べるということです。
そうすると3人のサラリーマン、
いったいいくらお金が余ったか?を計算します。
前回の記事で解説しましたが、余剰とは『余り』のことですからね。
⇒余剰とは?【経済学】わかりやすく解説
単純ですね。
サラリーマンAは700円だったら払ってもいいと思ってたら、
400円の支払いで済んでいます。
ということは300円お金が余っているわけです。
これはサラリーマンAにとっては思ってたよりも安く買えたから
得をしたという設定です。
サラリーマンBもCも同様なので、
・サラリーマンA=700円ー400円=300円(得をした)
・サラリーマンB=600円ー400円=200円(得をした)
・サラリーマンC=500円ー400円=100円(得をした)
となりますね。
ところで、
・サラリーマンA=700円
・サラリーマンB=600円
・サラリーマンC=500円
でした。
ということは逆に考えると
サラリーマンAだったらおにぎりが1個701円だったら買わないということです。
ちなみに実際にはサラリーマンA、B、Cの3人だけではありません。
他にも無数にサラリーマンはいて、余ったお金を全部合計したものが消費者余剰です。
とはいえ、今回の具体例で考えると
サラリーマンA、B、Cの余りを合計した(300円+200円+100円=600円)ものが
消費者余剰です。
ところで、この消費者余剰はグラフを使った問題が出題されたり
計算問題でも出題されることがあります。
ただ、計算問題にしてもグラフの問題にしても
グラフの理解は必須です。
グラフがわかれば計算問題も解けますから。
なので、次にグラフを使って消費者余剰について説明します。
グラフを使って消費者余剰とは何か?説明します
グラフは絶対に覚えましょう。
よく出題されますからね。
この消費者余剰はどういうことか、さっきの具体例を
思い出してくださいね。
・サラリーマンA=700円ー400円=300円(得をした)
・サラリーマンB=600円ー400円=200円(得をした)
・サラリーマンC=500円ー400円=100円(得をした)
でしたね。

消費者余剰を把握するときは値段が400円というところは
確実におさえておきましょう。
そのときに

上記グラフのようにサラリーマンのA、B、C(グラフではAさん、Bさん、Cさん)
と書き加えておきましょう。
ではサラリーマンAの話を思い出していただきたいです。
サラリーマンAは700円だったら買ってもいいかなと思っているので
上記グラフで価格Pが700円(縦軸)のところに水色で線を引っ張ります。
(実際の試験では黒の鉛筆で線を引いてOKです)
この高さだけお金を払って買います。
でも、実際の支払いは400円で抑えられています。
そうすると、

上記グラフのようにサラリーマンAさんの箇所で
価格700円から400円の間にピンクの斜線で線を引きましょう。
この斜線の領域(面積)が700円ー400円=300円なわけです。
300円だけお金が余っている(余剰)ということです。
これはサラリーマンAの立場での消費者余剰です。
同様にサラリーマンBは600円なら払ってもよいと考えていますが、
実際の支払いは400円だったので、

と上記グラフのように200円分だけの面積(200円お金が余っている)ができますね。
サラリーマンCは500円なら払ってもいいかなと思っていて400円の支払いで済んでいるので
100円だけお金が余っているということになります。

で、本当はサラリーマンは他にたくさんいます。
するとおにぎりがしょう日期限間近で安かった(価格400円)わけです。

値段400円から横に黄緑色の線を引っ張りE点にぶつけてあげて
横軸に落ちてきたE*、このE*は全体でお客さんがおにぎりを買っていった量です。
で、値段は400円、お客さんが買っていく量はE*。
すると消費者余剰は結局、黄緑色の線で囲んだ三角形の面積となります。
この大きな三角形が消費者の余剰ということです。
消費者余剰は価格(この例では400円)が決まったら
結論からすると上を向いている三角形という理解で99%問題を解くことが可能です。
まずはそうやって覚えてしまってもOKです。
どんどん問題を解いていって、
余裕になってきたら例外的な問題も解けるようになっていきましょう。

たまに上記グラフで黄色で囲んだ三角形みたいなところを
どう処理したらよいか?悩んでいる人を見かけます。
これは無視してください。
無視できるくらい小さいからです。
消費者余剰とは?まとめ
今回の計算で明らかに無視されたところは他にもありましたが
無視できるくらい小さいので悩まないでくださいね。
だから、全体の三角形が消費者余剰だと理解しましょう。
消費者余剰の定義は消費者が払ってもよいと考えるマックスの価格と
実際の支払額の差額のことです。
サラリーマンAならマックス700円。
でも、実際には400円で抑えられています。
この差の部分300円がサラリーマンAの立場での余剰です。
同様にサラリーマンBは200円、サラリーマンCなら100円が余剰です。
これら余剰の合計が消費者余剰になります。

消費者余剰のグラフは値段(400円)を決めて上を向いている三角形です。
よく覚えておいてくださいね。
消費者余剰というのは「これくらいだったら払ってもいいかな」
と思っているけど、「実際にこんな支払いで済んだから得した」みたいなイメージです。
するとお金が余ったりします。
この余った部分が余剰で、これが消費者だから消費者余剰だということになります。
次の記事では生産者余剰について解説します。
⇒生産者余剰とは?グラフを使ってわかりやすく解説