一般知識

ジンメル形式社会学の具体例

ジンメル 形式 具体例




以前の記事でジンメルの形式社会学について解説したことがあります。

今回の記事ではジンメルの形式社会学の復習をしながら
形式社会学の具体例を挙げながらさらに深く解説したいと思います。

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ジンメルとはどんな人物だった?

ジンメルはコントとかスペンサーの
総合社会学を批判した人です。

総合社会学というのは1つの壺の中に
いろんな要素を全部入れて、ごった煮的にやった感じで
特殊社会科学の1つとしての社会学というには値しないという形で
ジンメルは批判しました。

「いろんな学問の寄せ集めにすぎない」とジンメルは総合社会学を批判したのです。

もう少し詳しく解説すると、
社会学が特殊社会学の一分野として確立するためには
社会学独自の対象とその対象を分析するための独自の方法を確立していないといけないという
前提にたったときに、コントとスペンサーの社会学は独自の対象とか
それにせまる方法を持っていない。
だから、専門の社会学としてはまだ幼稚すぎるという形でジンメルは批判しました。

こんな感じでジンメルは総合社会学への批判者としての立場がありました。

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ジンメルの形式社会学

ジンメルは自分の社会学を形式社会学といっていました。
私たちの社会の中において、社会的な地位が上位と下位であったり
競争と闘争であったりを『心的相互作用』から分析していきました。

私たちの社会というのは人々の相互作用によって成り立っています。
私からあなたへ、あなたがそれを受け止めてまた私に
リアクションとして返していく。

私たちが作っている社会というのは
人々の相互作用によって成立している社会であるという前提で考えます。
その人と人との相互作用はその心を通じて行われているはず。

ロボットみたいに「ワレワレハ・・・」みたいにやってませんよね。
心を通じて感情をこめて「おはよう!」「今日元気?」
「いや、今日はちょっとお腹が痛くて・・・」みたいに会話してますよね。
単純にいったらそういうことです。

だから相互作用といっても『心を中心とした』相互作用から
分析していきましょうということです。

心と心の結びつきからその社会を分析しようという視点を導き出したわけです。
その心と心との結びつきの中にある決まった特徴というのを見出すことができて
その決まった特徴のことを『形式』というふうにいいます。

だからジンメルの社会学を形式社会学といいます。

ではジンメルの形式社会学の具体例を挙げますね。

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ジンメルの形式社会学の具体例

たとえば、闘争という言葉がありますね。
政治の中における闘争って何でしょう?

権力闘争が浮かんできませんか?
要するに自分が力を握って権力を掌握する、
これが政治の中の闘争ということの内容的な部分になりますね。

では経済の中での闘争はどうでしょうか?
毎年2月くらいになると春闘が始まりますよね。
経営者の側と労働者の側が賃上げなどの労働条件をめぐって戦いになりますよね。
それがまさに春の戦いで春闘といわれますね。

そういった政治の世界の中の闘争とか経済の世界の中の闘争というのは
それぞれの学問分野の中で内容的には分析されます。

では社会学の視点で闘争を見た時には
どういうことがいえるのでしょう?
たとえば、春闘について考えてみましょう。
経営者の側と労働者の側が賃上げとか労働条件を巡って対立します。
ということは、経営者のサイドと労働者のサイドが異なった2つのサイドを形成しているということです。
たとえば、労働者の側が経営者の側に対して
「今度の春闘では賃上げを獲得するぞ!」みたいな風景を想像してみてください。

敵と戦うためには労働者同士は(味方の間の話)どうなりますか?
見方の連帯感が強まりますよね。
労働者同士、仲間同士が敵対しあったら
経営者と戦えませんよね。烏合の衆になってしまいます。

また、労働者同士は賃上げをして欲しいということで
利害が一致しています。
だから労働者同士、結束しあえるのは当然のことですよね。
こういうのを『集団の凝集性が高くなる』といいます。

敵をやっつけるために、味方がまとまっていないと勝利を勝ち得ないでしょう。
だから春闘の時に、労働者の側からすると
経営者に対して勝つためには労働者がまとまって結束しないと勝てないでしょう。
どう考えたって経営者の方が労働者よりも強いわけですから。
だから労働基準法などで労働者が守られているわけです。
労働基準法とか労働契約法がなければ
経営者が気に入らなければ一瞬で労働者をクビにできてしまいます。
でも、労働契約法や労働基準法があるから
経営者の気分次第で労働者をクビにできないわけです。

そんな感じなので、労働者側は仲間意識を持って経営者に立ち向かっていかないと
春闘で勝てるわけがありません。

ということは心的な相互作用に注目した時に
見方同士の内集団の間の集団の凝集性が高くなる、
経営者に対する敵愾心(てきがいしん)と
味方(労働者)に対するフレンドリーな気持ちがうまれてきますよね。

逆に経営者の立場になって労働者と対立する場合はどうでしょう?
労働者をやっつけるためには経営者の間の団結力が高まらないと
労働者と戦えないでしょう。

闘争という現象を人々の心的な相互作用という観点からすると
仲間意識が強まる、凝集性が高まるということが起こるはずです。
仲間同士で心と心の絆を強くして、
信頼しあって、敵と戦うといった感じでしょう。

たとえば、子供がいじめられたということで
両親が仲間意識を持って学校やイジメてきた子供の両親に
クレームを言いに行くのだって同じような感じだと思います。

イジメてきた子供やその両親に対する敵対意識と
イジメられた我が子やあなたが父親なら奥さん、あなたが母親なら旦那さんに対する親和力が高まるはずです。
そういう視点で闘争という現象を見ていくのがジンメルの立場だってことです。

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ジンメルの形式社会学の具体例まとめ

闘争という現象は社会集団の凝集力を高めます。
凝集力=結束力と考えると理解しやすいと思います。

労働組合の中に所属する人たちの凝集力を高めたり
経営者の集団の内部にいる人たちの凝集力も高めるでしょう。
敵と戦うためには味方が密になって連帯感を持っていかないとうまくいきませんよね。

イジメてきた子供の両親に文句を言いに行くのだってそうでしょう。
自分たち両親がお互いケンカしていて不信感を持っていたのでは
イジメてきた子供の両親に文句を言って、話をうまくまとめられないと思います。

「お前がいえよ!」
「あなたが言いなさいよ!」
みたいになり仲間割れしてしまって、
イジメてきた子供の両親もあきれてしまうはずです。

とにかく凝集力が高まるということは
外集団(労働組合からしたら経営者の団体が外集団)への敵対意識と
内集団(労働組合から見たら、自分たち労働組合が内集団)の中では親和(フレンドリーさ)が
導き出されます。

闘争を心的相互作用で分析すると
社会集団の凝集力を高めるという一般的な特徴がみられます。
ジンメルは一般的な特徴のことを『形式』といっているので、
ジンメルの社会学は形式社会学というわけですね。

では社会集団の凝集力を高めるための具体的な内容としては
外集団への敵対の意識と自分たちの仲間(内集団)に対する
フレンドリーな気持ちが促進されるということになります。
以上がジンメルの形式社会学の特徴です。