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1次試験

国民所得に含まれるものと含まれないものに何がある?

国民所得 含まれるもの 含まれないもの




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

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前回の記事では国民所得とは何か?
解説しました。

前回の記事ではとにかく国民所得って何か?がわかるように説明しました。
そのため具体的に国民所得の計算に含まれるもの、
含まれないものについてまでは
説明できませんでした。

そこで今回の記事では国民所得に含まれるものと含まれないものに何があるのか
わかりやすく解説していきたいと思います。

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国民所得に含まれるものと含まれないもの

国民所得はいったいどのようなものを計算に含め
どのようなものは計算に含めないのでしょうか?

その生産活動が市場で取引されるものであるかどうか

前回の記事で解説したように

総生産額ー中間生産額=付加価値総額(国民所得)

で、付加価値総額というのはみんなの財布に入る所得を合計したものでしたね。

なので、その生産活動が市場で取引されるものであるかどうかで
国民所得の計算に含めるかどうか決まります。

タコ焼き屋

たとえば前回の記事でタコ焼きを例に国民所得の解説をしました。
具体的には一皿100円でタコ焼きを売るとしても
お皿代やタコ代などで40円の仕入れがかかっている場合、
所得は60円(100円ー40円)でした。

こんな感じで金額ですべて換算できるから
国民所得の計算ができるわけです。

逆に計算ができないものは
国民所得の計算に含めることはできませんよね。

生産活動であるかどうか

生産活動だけが所得にカウントされることになります。
でも、実際にあなたがお金を稼ぐ方法は他にもありますよね。

投資


たとえば、株とか不動産取引とか。
こういった投資的な方法でお金を稼ぐことってできますよね。
安い時に買って、値段が高くなったときに売れば差し引きで大儲けすることができます。
これを値上がり益といったりします。
値上がり益をキャピタルゲインということもありますがどちらも同じ意味です。 ブックオフ

他にも中古品の売却益。
中古品を売却することによって利益を得ることができます。
たとえば100円で中古の本を買ってきて
メルカリで1000円で販売したら
送料や手数料などを差し引いても400円くらい利益がでます。

ではこういった中古品の売却益は生産活動に入るのでしょうか?
答えはノーです。
単に安く買ったものを高く売っているだけです。
生産活動に入りません。

こんな感じでキャピタルゲインとか中古品の売却益は生産活動に含めません。
だから国民所得の計算に含めません。

ただし注意点があります。
株とか土地とか中古品といった『仲介者所得』は例外です。

たとえば、株を売ったり買ったりするときには
証券会社の人のお世話にならないとやり取りが難しいでしょう。
土地を購入するにしても不動産会社の人が間に入ってもらわないと
思わぬトラブルが起こるかもしれませんね。
土地の地下に有害物質が存在していて、購入者が激怒して裁判してくるかもしれませんから。
こういったトラブルを回避するためにも仲介業者が間に入ることが多いです。

中古の本だって、自分でお店を作って売るのは難しいですよね。
メルカリやヤフオクなどを利用して
中古の本を販売すると思います。

そんな感じで証券会社や不動産仲介業者などの所得は
国民所得に含めることになります。

株や土地を仲介するとか、中古品をキレイ並べて販売するのは
立派な生産活動に該当します。

まとめると

・株や土地、中古品の売却益や売買の利益は生産活動に含めない
・仲介業者などの所得は生産活動に含める(国民所得に含める)

ということです。

最終財や中間財は国民所得に含める?

最終財というのは『それ以上、形を変えないで消費される財』のことです。
最終財に対し中間財という用語もあります。

中間財というのは消費ではなく
なんらかの原材料として使われるもので
他のものに形を変えるもののことです。

タコ焼き

たとえば前回の記事でタコ焼きの話をしました。
付加価値を計算するときには、タコ焼きの額から
仕入れ代(タコとかプラスティックのお皿とか)を除いて国民所得の計算をします。

タコとか小麦など、これからタコ焼きに形をかえるものを中間財といいます。
中間財は国民所得の計算から覗いて計算します。

なので、それ以上形を変えず、消費されるタコ焼きは最終財として国民所得の計算に含めるけど、
中間財にあたる原材料などは国民所得の計算に含めません。

家事労働は国民所得に含まれる?

家事労働

たとえば、生産活動であっても家事労働って
金額の計算ができませんよね。

家事労働には

・育児
・家事
・洗濯
・掃除
・家族のために食事を作る
などなど

などがあります。

赤ちゃんのオムツを1回換えたから100円を
旦那さんや奥さんに請求しないでしょうし、
料理1階作ったから相手に500円請求したりしないでしょう。
ましてや本当にお金のやり取りをしている家庭なんて皆無だと思います。
だって家族って財布のひもは同じですからね。

旦那さんが奥さんに500円、料理代を支払っても
家族全体での所得は変わりませんからね。

まぁ、家庭内が冷え切っていて
財布のひもが違う過程があるかもしれませんが、
ただ、経済学ではそんなことを想定していません。

また、あなたの家では皿洗い1回300円というルールを決めていても
他の家では違う金額かもしれません。
だから家事労働を金額で表現することだってできません。

だから『原則的には』国民所得に家事労働を含めることができません

ここで『原則的には』と書きました。
原則には例外があります。
家事労働でも国民所得に含める場合があるってことです。

どんな場合だったら家事労働であっても国民所得に含めるのでしょう?
同じ家事であってもお金をもらってやっている人がいますよね。
たとえば、家政婦さんはプロとして他人の家の家事をしますよね。

家政婦さんは1時間2000円とか、
家事をして欲しい人と契約して仕事をしているわけです。
1時間いくらみたいに値段がついているということは
市場で取引されているってことですよね。

当然、値段がついているので国民所得の計算をすることができます。
だから、家政婦が稼いだ所得は国民所得に含めることになります。

こんな感じで皿洗いや料理など同じ家事をしていたとしても
それが市場で取引されていない場合は国民所得に含めないけど、
市場で取引されて値段がついている場合には国民所得に含めるという違いが出る場合があります。

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国民所得に含めるか含めないか?の例外:帰属計算(きぞくけいさん)

帰属計算とはどういうことでしょう?
まず、『農家の自家消費』があります。
自家消費とは自分の家で消費してしまうことです。
イオンとかイトーヨーカドーとかで
ジャガイモとかキュウリを買ったこと、ありませんか?

ジャガイモ

ジャガイモやキュウリには値段がついているはず。
たとえば、ジャガイモ100円とか。
ここまでの解説からわかっていただけると思いますが、
市場で取引されているので、ジャガイモを100円で買ったら
国民所得に含まれますよね。

でも、ジャガイモ農家のおじさんは
イオンにわざわざ行ってジャガイモを買わないと思います。
自分の田畑で収穫したジャガイモを食べるでしょう。

ジャガイモ農家は自分の畑で収穫したジャガイモを食べるはず。
ということはジャガイモ農家は
国民所得の計算上、ジャガイモを消費していないことになってしまいます。
イオンやイトーヨーカドーで買ってないので
国が把握しきれませんからね。

ジャガイモを収穫して、市場に出す前に
自分で食べてしまう。
このことをどうやって国が把握するんだって話ですよね。
だから、農家のおじさんが
自家消費(自分の畑で収穫した農作物を自分で食べること)したものを
国民所得に含めることができません

でも、これは本当の豊かさを計算するうえでは決していいことではありませんよね。
だって農家のおじさんは、自分で収穫したとはいえ、
ジャガイモを食べているのですから。
より正確に国民所得を計算するのであれば、
なんとかして農家のおじさんの自家消費を国民所得の計算に含めたいわけです。

そこでジャガイモ農家のおじさんだって住民票があって
家族構成を把握しようと思えばできます。

たとえば奥さんがいて、小学生の育ち盛りの子供が2人いて
みたいにわかるわけです。
この農家の家族は毎月、ジャガイモをどれだけ食べるか(消費するか)、
だいたいの量を把握することができます。
そこで一度、スーパーに売ったジャガイモを
ジャガイモ農家が買い戻したと仮定します。
これをみなし計算ということもあります。

このような処理をすることで
ジャガイモ農家がどれくらい生産活動をしたか?
計算することができるわけです。

こんな感じで農家がおこなう自家消費は
国民所得の計算上、含めることになります

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国民所得に含めるか含めないか?の例外:持ち家の帰属家賃

持家の帰属家賃

この記事を読んでいるあなたも
当然、家に住んでいると思います。
まさか、公園に住んでませんよね。

ただ、

家に住んでいるといっても

(1)持ち家(自分で買った家に住んでいる)
(2)賃貸(毎月家賃を払う)

という2つのパターンがあります。

マンション

たとえば、上記画像のようなマンションが2つ建っているとしましょう。
片方のマンションは持家専用。自分で買った人しか住んでいません。
もう片方は賃貸マンション。毎月家賃を支払っている人が住んでいます。

毎月家賃を払っている人は家賃という値段がついています。
でも、持家の人は誰かに家賃を払っていません。
といなると名目上、無料で済んでいることになります。
同じような見た目、同じような部屋があるマンションに住んでいるのに
持家と賃貸では毎月の値段に差が出てしまうわけです。
賃貸はたとえば毎月20万円支払っているけど、
持家はローンさえ支払い終わったら家賃的なものは無料というわけです。
ここでは固定資産税みたいなものは除外して考えます。

ということで、
持ち家は毎月の賃料を払ってないけど、
賃貸は毎月賃料を払っているから差異が出るわけですね。
同じような家に住んでいるのに家賃を払う払わないで差が出てきてしまいます。

そこでどうするか?
持ち家に住んでいる人については
一回、自分の家を貸しに出し、
そして自分で借りたと仮定します。

持ち家の人は自分の家を貸して自分で借りて
毎月家賃を支払っていると仮定して国民所得の計算をするということです
自分自身に家賃を払っているという計算をするこちによって
賃貸と持ち家との差をなくしているわけです。

そんあ感じで持ち家の人は自分自身に家賃を払っているという計算をすることで
『豊かさ』を国民所得に含めることができるようになります。

ということで

・農家の自家消費
・持ち家の帰属家賃

については国民所得の計算に含めることになります。

これが実際はお金に換算できないものは国民所得に含めないという原則に対する例外です。

以上で解説を終わります。