今回の記事ではスイッチングコストを高める携帯の事例をわかりやすく解説していきたいと思います。
スイッチングコストとは?

スイッチングコストとはお客さんが今使っている商品やサービスから
他の会社の商品やサービスに乗り換える時に支払う費用(コスト)のことです。
一般的には自分の会社の商品やサービスを他の会社の商品やサービスに
乗り換えられてしまうのを防ぐためには
スイッチングコストを高くするのが基本になります。
例を挙げると、ヤマダ電機さんなんかのポイント制をあげることができます。
しかも有効期限まであれば、
そこでためたポイントは他に行くと使えないわけです。
だからヤマダ電機にお客さんが残るわけです。
逆に他社から自社にお客さんに来てもらうなら、
スイッチングコストを安くする必要があります。
たとえば携帯電話。
ふつうは他社から自社に乗り換えてもらうために
値段を安くしたりしています。
これにからんでポーターさんはこんなことを主張しています。
『差別化が維持されている間にスイッチングコストを高める仕組みを
作っておいて、他社にマネされるまでの準備をしておくという戦略をとる』と。
このポーターさんが主張する戦略を聞いて「???」と
思った方のために、携帯の例を挙げて説明したいと思います。
スイッチングコストを高める携帯(スマホ)の例

少し前にiPhone 12 Proが登場しました。
iPhone 12 Pro Max ナイトモードで撮影。
スマホにしては上出来?🤔 pic.twitter.com/E0mFHTqFP0— Ray (@Ray851126) August 1, 2021
appleがもともとiphoneを売り出したのは2007年です。
日本の場合は2008年の3GSからですが。
そもそもappleがiphoneを2007年に売り出した当時は
iphoneというのは、いろいろ異論はありますが、
非常に差別化された製品でした。
このあたりの可変機はまだもってるんだけど、TJ37みたいなスレート型も「スマホなんか石器時代からあったよ」とゆえるためにむしろとっておけばよかったなってちょっと後悔してる pic.twitter.com/7FVEPzMNMt
— 八重ナギ (@norisio) July 24, 2021
それ以前にもスマホの原型はありましたが
appleが販売したiphoneというのはスレート型といって
石板型の形をしています。
しかも物理的なボタンが基本的に少なくてタッチパネル操作です。
デザインもシンプルで非常に差別化された製品です。
ですが、iphoneみたいなみんなが欲しがるような製品だと
当然他社にマネされる運命にあります。
【スマホ特許裁判 アップル勝訴】スマホなどの特許を巡りアップルとサムスン電子が争う裁判で、東京地裁は通信技術特許についてアップル勝訴の判決言い渡す。去年は別技術でサムスンの主張認める判決が言い渡され、日本の判決は2件目。(16:54) http://t.co/E940lmmmUm
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) February 28, 2013
これは実際に裁判にもなっていますから
あまり軽々しく言えませんが、サムスン電子がGALAXYという製品を出していますが
あれのデザインの形ってどう考えてもiphoneの形と似ていますね。
iphoneの優れている点は結局、差別化が維持されている間に
スイッチングコストを高める仕組みを備えていたところです。
タッチパネルとかスレート型とかそういう部分は
GALAXYなどに模倣されていき、優位性がなくなっていきます。
でも、appleがやっているスイッチングコストを高める仕組みというのは
例を挙げるとすると、iphoneはiOSというOSで
サムスン電子のOSはアンドロイドです。
するとアプリ1つとってもiOSのアプリとアンドロイドのアプリで違ってきます。
同じプログラミング言語でアプリを作れませんからね。
たとえばパソコンだってWindowsだったらC+などのC言語が使えますが、
C言語はアップル製品(Mac)では使えません。
これと同じことがスマホの世界にもあるわけです。
で、たとえばiphone買った人が有料のアプリをお金払って買っていて
毎日のように使っていて、なくてはならない存在になっているとしましょう。
そのあとにアンドロイドのかっこいいスマホが出てきたとしましょう。
スイッチング(iphoneからアンドロイドに)しようかなと思ったとしても
躊躇するのはアプリを買いなおすのか?という話になってきます。
買いなおせればいいですが、そもそもアンドロイドに
いつも使っているアプリがないかもしれません。
こういうのがスイッチングコストを高める仕組みになっています。
スイッチングコストは別にお金だけの問題ではありませんからね。
他にもiCloudなんて典型的なスイッチングコストを高める仕組みです。
ある程度無料で写真などのデータをアップロードできて保存できるわけで便利です。
でも、逆にこれはスイッチングコストが高まっています。
もしiphoneやめてアンドロイドにするか?
となると、もう1回データをiCloudから取り出して
別のところに保存しないといけません。
iphoneやめたらiCloud使えなくなりますからね。
iCloudって無料で便利ですが、
切り替えるコスト(スイッチングコスト)がすごく高くなっているんですね。
appleってマーケティングの天才ですね。
以上で解説を終わります。