社会学や政治学で登場する情報伝達のモデルにはいくつかあります。
そしていくつかあるうちの1つに『強力効果モデル』があります。
今回の記事では強力効果モデルとは何か?わかりやすく解説していきたいと思います。
強力効果モデルとは?
強力効果モデルとは、メディアのメッセージが直接強力に伝わることをいいます。
・皮下注射モデル
・弾丸モデル
とも言われます。
弾丸モデルですから、銃で撃って相手に当たるくらいストレートに
メッセージが伝わるということです。
あるいは皮下注射モデルともいうくらいですから、
注射を腕に打つことでお薬が直接全身に行き渡るくらい
ストレートにメッセージが相手に伝わるということです。
どうして強力効果モデルが出てきたのか?というと、
1つは第二次世界大戦中のドイツ軍のマスメディア利用があります。
昔の軍は映画やラジオを積極的に利用して大衆心理を掴もうとしたことがあります。
そうやって国民の支持を集めることができました。
こういうことがあると、
イギリスやアメリカの研究者は驚愕するわけです。
「メディアって恐ろしい・・・
権力者がメディアを牛耳ると、自由自在に国民の心を動かすことができるのでは!?」
と考えられていました。
また1938年10月の火星人襲来です。
以下wikipediaより引用
1938年10月30日、
アメリカのラジオ番組『マーキュリー放送劇場(英語: The Mercury Theatre on the Air)』の中で
ハロウィン前夜の特別番組として放送された。番組は、音楽中継の途中で火星人襲来の緊急ニュースが報じられるという体裁になっており、
物語の舞台はアメリカ合衆国に実在する地名に改変されていた。
この生放送があまりに真に迫っていたため、多くのリスナーは火星人侵略が進行中であると信じこみ、
アメリカ各地でパニックが起こったと長く語られてきた。以上引用終了
このときアメリカの砂漠に火星人がやってきたのです。
当時、ラジオでは音楽が流れていたのですが、
この音楽が中断されました。
そこで緊急速報が入りました。
「緊急速報です。今砂漠です。
中から何か出てきました!」と報道されました。
実際はラジオ小節でした。
宇宙戦争という小説をオーソン・ウェルズという俳優がしゃべっていました。
でも、これによって何十万人もの人々がパニックに陥ったのです。
すると研究者は「メディアの力って怖すぎる。
単なるラジオ小説であっても人をこんなに動かす力があるのか、怖いな」
と考えられていたわけです。
でも、もう少し研究が進むと限定効果モデルに変わっていきます。
次の記事では限定効果モデルについて解説していきます。
⇒限定効果モデルとは?わかりやすく解説