参考文献・URL
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以前、ジニ係数について解説しました。
⇒ジニ係数の求め方をわかりやすく簡単に解説
ジニ係数は所得格差を表します。
ところでジニ係数は貧困の指標になるのですが、
貧困には絶対的貧困と相対的貧困があるのをご存じでしょうか?
今回の記事では絶対的貧困と相対的貧困の違いについて
わかりやすく解説していきたいと思います。
絶対的貧困と相対的貧困の違い
絶対的貧困というのは生きていくか、死ぬかギリギリの水準の貧困のことで
相対的貧困というのは社会の一般的なメンバーと比較して生活が苦しい状態の貧困のことです。
試験でも絶対評価と相対評価ってありますね。
相対評価っていうのはみんなと比較して評価を決めることで
絶対評価というのはその人『だけ』で評価を決めることです。
たとえば行政書士試験は絶対評価です。
細かい足切りについては省略しますが、
行政書士試験は180点以上取れば、
他人がどれだけいい点をとっていても合格できるからです。
逆に司法試験は相対評価です。
あなた個人がいい点を取ったと思っても、
周りがもっと高い点数を取ったなら、あなたは不合格になるからです。
この考え方を絶対的貧困と相対的貧困に置き換えていただければわかりやすいと思います。
その人とかそこの社会が『他と比較せずに』生きるか死ぬかレベルの貧困なら絶対的貧困です。
逆に『他と比較して』貧しい生活を送っているなら相対的貧困です。
要するに他と比較するものを相対的といい、
他と比較しないものを絶対的と理解しておけば
相対的~とか絶対的~という用語が出て来ても
なんとなく理解することができるようになりますよ。
話を元に戻して、日本は相対的貧困率が非常に高いです。
特に母子家庭か父子家庭の相対的貧困率は2015年で50.8%になっています。
参照元:厚生労働省
本来なら所得再分配すれば改善できます。
どこの国も父子家庭や母子家庭は貧しいところが多いです。
でも、社会保障がしっかりしていれば
母子家庭も父子家庭も現状ほど苦しい生活を送らなくてすみます。
ところが不思議なことに日本の場合は、
所得再分配をした後の方が生活が苦しくなっています。
つまり、税金などでとられる額の方が後から支給される額よりも多いということです。
親の貧困というのはもしかしたら、その人に責任があるのかもしれません。
でも子供には責任はありません。
子供は親を選べないからです。
だけど貧困家庭で育つと子供は教育を受けられません。
教育を受けられないと子供は高収入の仕事に就けない可能性が高いです。
たとえば弁護士や医師は高収入の仕事だと思いますが、
医師は6年間、医学部に通わないといけませんし、
弁護士も現在ではロースクールという大学卒業後に大学院を卒業してからでないと
司法試験を受けられないというのが原則です(例外;予備試験ルート)。
結局、親の貧困が子供の貧困に連鎖することがあります。
そんなこともあって、2013年6月に『子どもの貧困対策の推進に関する法律』が制定されました。
絶対的貧困と相対的貧困の違いまとめ
絶対的貧困というのは生きていくか、死ぬかギリギリの水準の貧困のことで
相対的貧困というのは社会の一般的なメンバーと比較して生活が苦しい状態の貧困のことです。
誰かと比較するのを相対的、誰とも比較しないのを絶対的と理解しておけば
貧困の話だけでなくいろんな場面でも理解が早くなるでしょう。