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1次試験

ケンブリッジ方程式とは?マーシャルのkについてもわかりやすく解説

ケンブリッジ方程式




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

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ケンブリッジ方程式とは?わかりやすく解説

ケンブリッジ方程式は古典派のマクロ経済学に対する考え方を示すものとして
めっちゃくちゃ有名なものです。

ケンブリッジ方程式は前回解説した『MV=PY』の式
から導かれます。
貨幣数量説でインフレが起こる条件とは?

M:貨幣供給量
P:物価水準
V:貨幣流通速度
Y:生産量(国民所得)

マーシャルのkとは?

ここで両辺をV(貨幣流通速度)で割ります。

すると、
M=$\frac{1}{V} $PY
となります。

この$\frac{1}{V} $ですが、記号をkに変えます。

するとM=kPY
となります。

この『k』はマーシャルのkと呼ばれています。

マーシャルという人はイギリスのケンブリッジ大学の教授です。
古典派経済学の一番偉い立場にいる人といっても過言ではないでしょう。

そんな古典派経済学のお偉いさんであるマーシャルさんの名前が入っている
マーシャルのk。

M=kPY
という数式は左辺が貨幣供給を示します。
では右辺はどんな意味を持つのでしょう?

左辺の貨幣供給と同じ意味を右辺は持つわけです。
供給と一致するものは何でしょう?
供給と一致するのは『需要』です。

M=kPY
という数式はつまり、古典派の考える貨幣市場の均衡式を意味しています。

これは以前解説したような貨幣市場の均衡式とは大きく違う点があります。
たとえば、以前解説した貨幣市場の均衡条件にはr(利子率)が必ず入っていました。
IS-LM分析についてわかりやすく解説

ですが、古典派の考える貨幣市場の均衡条件の中には
利子率(r)は入っていません。

これがケインズの考える貨幣市場とは大きく異なる点です。

ということで古典派の貨幣市場の均衡は利子率に依存しないということです。
もし仮に利子率(r)に依存しないとするなら
古典派の考え方からIS-LM分析を理解しようとしたらどうなるでしょう?

lm曲線の導出

通常LM曲線は上記のように右上がりになります。
詳しくはこちらをご覧ください。
LM曲線の導出についてわかりやすく解説

これはある国民所得水準に対して貨幣市場を均衡させる利子率水準が変化するから右上がりになります。
ですが、古典派の場合、利子率rはまったく無関係です。

ある国民所得水準だけで
貨幣市場の均衡が決定してしまいます。

だとすると、古典派におけるLM曲線は以下のようになります。

古典派のLM曲線

こんな感じである国民所得水準で垂直になります。
つまり、まったく利子率rに依存しないLM曲線ができます。
もちろん、このとき決まる国民所得水準とは古典派の場合、
必ずYF(完全雇用国民所得)になります。
完全雇用国民所得とは?
貨幣数量説でインフレが起こる条件とは?

古典派の考え方からLM曲線を理解しようとすると
こんな感じで完全雇用国民所得YF水準で垂直なLM曲線になってしまいます。
もちろん、この場合には政策的な効果はまったくなくなってしまうことになります。

それからマーシャルのkについてですが、
公務員試験でマーシャルのkが出題されることがあります。
この場合、必ずひっかけ問題でこんなのが出題されたりします。

ひっかけ問題

マーシャルのkとは貨幣流通速度のことである。
〇か×か。

答えは×です。

M=kPYという式でしたね。

M:貨幣供給量
P:物価水準
V:貨幣流通速度
Y:生産量(国民所得)

kは$\frac{1}{V} $のことです。

このマーシャルのkとはV(貨幣流通速度)ではなく、
Vの逆数のことです。
逆数というのは分子と分母をひっくり返したものです。

$\frac{1}{V} $とは貨幣流通速度Vの逆数。
だからマーシャルのkとは貨幣流通速度のことではなくて
貨幣流通速度の逆数のことです。
これが正しい記述となります。

この辺はくれぐれもひっかからないように注意してくださいね。

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ケンブリッジ方程式とマーシャルのkまとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事ではケンブリッジ方程式を示し、
その中で登場したマーシャルのkについてかなり詳しく解説しました。

ケンブリッジ方程式は古典派の特徴的な考え方が
表現されていましたね。
たとえばLM曲線一つとっても利子率rに依存しないから
垂直な線になるとか。

参考になったようならうれしいです。