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一般知識

イデオロギーの意味をわかりやすく説明

イデオロギー 意味 わかりやすく




この記事ではイデオロギーの意味についてわかりやすく説明していきます。

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イデオロギーの意味についてわかりやすく解説

イデオロギーの意味とは?

イデオロギーは悪い意味の言葉です。
マイナスのイメージがあります。
イデオロギーとは何かというと自らの立場を擁護してできる心情のことです。
ここで『自らの立場を擁護して』というところが重要です。
つまり自己正当化のためにイデオロギーを使うってことです。

だからイデオロギーは現実とは違います。
イデオロギーの意味を理解するために重要な人物がいます。
マルクスとエンゲルスです。

イデオロギーの意味を考えるうえで重要なマルクスとエンゲルス

マルクスとエンゲルスは2人、別人です。
マルクスエンゲルスさんではありません。
カールマルクスという人とフリードリヒエンゲルスという人がいるということです。
この2人はドイツイデオロギーという本を書いています。
ドイツ・イデオロギー (岩波文庫 白124-3) [ K・マルクス ]

そのときにイデオロギーと対になるものとして『科学』や『実証主義』を挙げました。
実際に確かめてみるのが科学、実証主義の考え方です。

重要

イデオロギー(虚偽意識)⇔科学、実証主義

ということです。

卵

こんな話があります。

第2次世界大戦中に中国人が立春の日に
「卵を立てて見せる」いいました。
第2次世界大戦当時はテレビがありません。
だから各国のラジオとか新聞の関係者がその中国人に呼ばれていきます。

その中国人は「もし卵を立てることができたらお金をくれ!」
といいました。
そして立春の日に「卵を立てて見せますよ」
と中国人がいうと、西洋人は「何バカなことを言ってるんだ」
と思います。

どうしてか?というと西洋ではコロンブスの卵という有名な話があるからです。
コロンブスが周りの仲間の連中で卵をやってたなかで
「どうして卵を立てられないんだ!?」といって
割って卵を立てて見せます。

そしてコロンブスは「ほら卵は立つだろ。
割っちゃいけないって誰も言ってなかったじゃないか!」
って話がコロンブスの卵の話です。

そこでみんなコロンブスの卵の話を知っているから
「中国人は何を言ってるんだ」と思っているわけです。
でも、中国人が卵を立てると言っているから
西洋人たちは「見に行こうか」と行くわけです。

そしたら中国人は立春の日に
卵を立てて見せたのです!
そしたら西洋人は「立春の日だから卵が立つんだ」と
自分に言い聞かせます。

でも本当に立春の日だから卵が立ったと思いますか?
そんなことはありません。
つまり何が言いたいか?というと
そこに集まった西洋の人たちというのは騙されているわけです。

何を騙されているか?というと

(1)初めから卵が立たないと思い込んでいるところ
(2)コロンブスの卵を知っているから割らなきゃ立たないと思い込んでいる
(3)卵は丸いから立たないと信じている

というところです。

つまり自分で卵を立ててみることもせずに
卵が立たないと西洋人は思い込んでいるわけです。
だから卵を立ててみようとさえ西洋人はしないわけです。
ちなみに卵は立ちますよ。

実際にやってみてください。

で、イデオロギーとは何か?というと
人々が何かをしようといった時にあきらめさせることです。
それも科学的な根拠がなくてあきらめさせることです。
だから間違った考えということです。

マルクスやエンゲルスにならっていえば
虚偽意識』ということです。

つまり先ほどの卵の例でいうと『卵は立たない』というのは
間違った考え方です。
そして間違った考え方をしていると
現実に何か働きかけるということをしなくなるわけです。

ということはイデオロギー(虚偽意識)は現状維持的になるわけです。
だから卵を立てようとはしないわけです。

そしてイデオロギーとして機能するものにはいっぱいあります。
例えばこの記事をご覧の方の中で血液型占いを信じている人もいるとは思いますが
どれだけ血液の中を分析しても性格を決める要素は見つかりません。
ですが血液型占いを信じる方がいます。

「あぁ、あの人はA型だから」みたいな感じで。
こういうのはイデオロギーにやられているのと同じです。
もし血液型占いがイデオロギーだとすれば
血液の分析をするという医学の方が科学なわけです。
だから占いに対して科学の立場に立とうというのがマルクスとかエンゲルスの立場になります。

ここでイデオロギーの話がどこにつながっていくか?というと
以前解説したリップマンの話と同じだというところにつながります。
ウォルターリップマンの世論についてわかりやすく解説

結局、『現実を見ない』ということです。
現実を見ない人たちが増えたということが問題になっているわけです。
現実を見ないとはどういうことはどういうことか?というと
『イデオロギーに犯されている』ということです。

それから『イデオロギー=虚偽意識』と言いましたが
虚偽意識とは何か?というとマルクスとエンゲルスの場合は
ドイツ観念論(ドイツのものの考え方のこと)です。
ドイツ観念論の完成者に関する記事はこちら

なぜそうか?というと
実際に何か現状維持的なものの考え方をするわけです。

一杯の水

一杯の水を見て「これだけか!」と思う人もいれば
「まだこんなにあるのか!」
と思う人もいるという話を聞いたことありませんか?

この話は『ただ意識を変えているだけ』です。
この意識を変えるというところがイデオロギーの典型的な事例です。

たとえば70点取って「よくやった!」って思うのか、
「まだまだだな」と思うのか、いずれにしても70点という点数は変わりません。
意識や見方を変えただけの話です。
ただ意識を変えるのではなく満点を取るように頑張った方が早いですからね。

先ほど

重要

イデオロギー(虚偽意識)⇔科学、実証主義

と書きましたね。

イデオロギーに対して科学的なものというのは
事実に則った真理です。
これをマルクスの立場でいうと『唯物論』となります。
そして科学的社会主義です。
具体的にいうと現状を変えないとダメだということです。

ここまでまとめると

・イデオロギーと科学、実証主義は対立している
・イデオロギーは虚偽主義、ドイツ観念論につながる
・科学、実証主義は唯物論、科学的社会主義につながる

・イデオロギーは意識を変える方向性で
科学、実証主義は現状を変える方向性

今までの哲学者というのは世界を解釈してきただけにすぎない。
重要なのは世界を変えることだとマルクスとエンゲルスは主張しました。
なので意識を変えようとすれば物の見方は変わるかもしれませんが
現状は変わらないということです。

社会的存在が意識を規定する

以上のようにイデオロギー批判をマルクスはしていきました。
このことを『社会的存在が意識を規定する』といいます。
簡単にいえば、立場が考え方を決めているということです。

自分が今置かれている立場がモノの考え方を規定するということです。
アルバイトをしてみるとわかるかもしれません。
お客さんとしてお店に入った場合と自分がウェイターなどをやっているときでは
意識が違うはずです。

お店に行ってきついことをいう人(クレーマー気質がある人)って
同じ仕事をやっている人が多いです。
「自分はアルバイト先ではこんなに丁寧な接客をやっているのに
この店員は!」みたいな意識です。

まとめると

・アルバイト店員のときは嫌な客でも丁寧に接客している
・そして客になったら自分が店員の時に受けた嫌なやつになる

そんな意識・態度で自分が客になると同じようなことをします。
それは立場によって物の考え方を変えているということです。

自分がクレームを言うお客さんのことが嫌いだったら
自分がお客さんの立場になったらクレームを言わなきゃいいですよね。
でも、いざ自分がお客さんの立場になったら思わず店員にクレームを言ってしまう。

こんな感じで立場によって物の考え方や
ふるまいを変えてしまいます。
こういうことがいい事か悪い事かは別の話ですけどね。

支配的な思想は支配階級のイデオロギーである

あともう1つは『支配的な思想は支配階級のイデオロギーである』という言葉があります。
私たちの普段の物の考え方というのは
社会の中で一番力を持っている人の考え方に沿っているということです。

マンハイム

マンハイムは『イデオロギーとユートピア』という本を書いています。
イデオロギーとユートピア [ カール・マンハイム ]

マンハイムは2つの用語を覚えておきましょう。

(1)存在被拘束性

1つは『存在被拘束性(そんざいひこうそくせい)』です。

どういうことを言っているか?というと
『社会的存在の意識を規定する』という先ほど解説した言葉と同じことです。
その人の置かれている立場がモノの考え方を規定するということです。
だからマルクス主義者がいくらマルクス主義が科学だといっても
マルクス主義でさえマルクス主義者という立場に規定されているということです。
だからマルクス主義批判をマンハイムはやったということです。

(2)イデオロギーとユートピアの違い

あともう1つ重要なのが『イデオロギーとユートピアの違い』です。
イデオロギーの意味は先ほど解説したように
『間違ったものの考え方のことで現状維持的にさせるもの』のことです。

つまり何かやる気をくじくようなものということです。

たとえばあなたが高校生だとしましょう。
今まで自分が通っている高校から東京大学に合格した人がいなかったとします。
そしたら自分も東京大学に受からないんじゃないかと思うかもしれませんね。
でもそれは違うと思います。
なぜかというと東京大学は高校名で合否を決めてないからです。

よっぽど変な事件を起こした高校でないと
チェックすらしないでしょう。
偏差値の低い高校であっても東京大学に受かる人はいますから。

だから「~高校出身だから東京大学に受かりやすくって
~高校だから受かりにくいとい」ということはありません。

でもあたかも「~高校だから東京大学に受からない」みたいなことを言ってみたりするわけです。
でもそんなことはありません。
点数を取ればいいのですから。

あとイデオロギー的なものとして就職の話でいうと
ある企業に就職したいと思っても「地元優先だから自分は不利だ」みたいなことを
学生がまことしやかに言ってしまう。
でも、そうとは限らないでしょう。

会社に利益をもたらしてくれる人材なら
別に地元じゃなくても採用するはずです。

だって、その人に給料30万円払っても
その人が60万円の利益を会社にもたらしてくれるなら
採用するに決まってますから。

こういうのが虚偽意識イデオロギーです。

それからユートピアというのは『現状変革』です。
現状を変えていくものです。
そもそもユートピアという言葉は『トマスモア』というイギリスの思想家からきています。
トマスモアの著書ユートピアの内容をわかりやすく解説
ユートピアとは?どんな意味があるの?

トマスモアはユートピアという本を書いています。
ユートピア (岩波文庫 赤202-1) [ トマス・モア ]

ユートピアを日本語にすると『理想社会(理想郷)』です。
つまり理想に向かっているわけです。
理想に向かうものは現状変革的ということ。
現状よりより良い所に行こうとしているわけですからね。

まとめると

・イデオロギー・・・現状維持的
・ユートピア・・・現状変革的

ということです。

イデオロギーというのは基本的に悪い意味で現状維持的です。

以上で解説を終わります。