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一般知識

大地形についてわかりやすく解説【地理総合】

地理 大地形




世界の地形という場合、
例えば大陸などを示す大地形について学ぶことが多いです。
地球というのは大きな星ではありますが、
そこにたくさんの海があって、そこに大陸と呼ばれる大きな陸地が存在します。
もちろん島など小さな陸地もたくさんありますが
大陸を中心にして地球全体を見ていこうとする場合、
大地形という分類が多いです。

この記事では地理総合で学ぶ大地形についてわかりやすく解説します。

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大地形【地理総合】

大地形

地理総合における大地形で理解しておいた方がよいのが
『世界における大地形の特徴』です。

『世界における大地形の特徴』というのは

・陸地ができた時期
・どのような形で成り立っているか

などを目安として分類したものです。

この分類によると地球上の陸地は大きく3つに分けられます。

地球の陸地は

(1)安定陸塊(あんていりくかい)
(2)古期造山帯(こきぞうざんたい)
(3)新期造山帯(しんきぞうざんたい)

の3つです。

ではまずは(1)の安定陸塊というところから解説しますね。

大地形(1)安定陸塊

安定陸塊というのは先カンブリア代、5億5000万年前よりも
さらにもっと古い時代に作られた陸地のことです。
大昔からずっと陸地として大陸として残っていたような場所が多いです。
安定陸塊という名前の通り、こういう地形は
大陸の真ん中あたりに分布する事が多いのですが、
非常に安定しています。

めったなことでは地震は起きませんし
地殻変動なんかもほとんど見られないようなきわめて安定した地盤のところが多いです。
このような地形のところには鉄鉱石が分布することが多いといわれています。
土の中の鉄分などが長い時間をかけてどんどん凝縮され
鉄鉱石とよばれるものとして地中に埋まってくるわけです。
たくさん鉄がとれる場所というのは
安定陸塊のところに多いといわれています。
例えばアフリカ大陸のほとんどや、
中国、ブラジル、南アメリカ大陸のやや東側、
オーストラリア大陸の大部分などには安定陸塊が分布していることが多いです。

なので中国、ブラジル、オーストラリアなどは
いずれも鉄がよくとれる土地であるという共通点があります。
そして地盤が比較的安定しています。
土地としては昔からずっと陸地だったということもあって
楯をひっくり返したような微妙なカーブのついた平坦地で
楯状地(たてじょうち)というものが見られたり
遠くから見るとテーブルみたいな形になっている卓上地なんてものが
分布しているようなところもあります。

大地形(2)古期造山帯

古期造山帯(こきぞうざんたい)というのは古生代のころ、
恐竜がいた時代よりもさらにもうちょっと古い時代になります。

具体的には5億5000万年前くらいから2億3000万年前くらいまでです。
そのころの古生代といわれる時期には高い山ができました。
ですがその後、山ができる動きが止まってしまいます。
そして長い時間をかけてジワジワ削られていき、
いわゆる山というか山脈風の場所はあまりなくて
なだらかな丘陵上になっているような山地が多いのが特徴です。

こういう場所のことを古期造山帯といいます。

古期造山帯にはたいてい石炭が埋まっているといわれます。
世界でも有名な石炭の産地というのが古期造山帯であるというケースは意外と多いです。

古期造山帯の具体例としては

・アメリカ合衆国の東側
・オーストラリアの東側

などです。

だから山といってもあまり高い山というイメージはありません。
山登りというよりはピクニックにでも行くような
そんなイメージの場所が意外と多いというふうにいわれています。

ところで古期造山帯には石炭が多いという特徴があります。
これは鉱産資源的にはよくいわれることなので
覚えておく価値はあるかもしれません。

アパラチア山脈

では具体的にどんな山、山脈などが古期造山帯に該当するのでしょうか?
いくつか例を挙げてみたいと思います。

古期造山帯に該当する山、山脈

・アメリカ東部のアパラチア山脈
・オーストラリア東部のグレートディバイディング山脈

などがあります。

アメリカ東部のアパラチア山脈は典型的な古期造山帯として有名です。
この地域には山の名前と同じですが、
アパラチア炭田と呼ばれる石炭の産地が広がっていて
アメリカでも有数の石炭の産地になっている場所でもあります。
つまり古期造山帯だから石炭が採取できるという
まさに典型的な場所がアメリカ東部のアパラチア山脈ということです。
山の名前と炭田の名前が一緒ということもあって
鉱山資源がらみでもよく名前が出てくる山になります。

それからオーストラリアの東側には
南北に細長く伸びているのですが、
グレートディバイディング山脈という山脈があります。
オーストラリア大陸は大部分が安定陸塊です。
でも、このあたりだけが古期造山帯になっています。
そしてグレートディバイディング山脈の近くにはモウラ炭田など
世界でも有数の石炭の産地がたくさん分布しています。

つまり古期造山帯で石炭がよくとれる
こういう条件を完璧に満たしているのが

・アメリカ東部のアパラチア山脈
・オーストラリア東部のグレートディバイディング山脈

だということです。

他にも似たような山脈はいくつかあります。

例えばスカンジナビア半島のスカンディナヴィア山脈とか
イギリスを走っているペニン山脈もそうです。
イギリスのペニン山脈沿いも昔はよく石炭がとれたところとして有名です。


それからロシアの方だとウラル山脈が有名です。
ウラル山脈にも炭田が多くあり、
石炭など、鉱産資源が豊富な場所として知られています。

こういった場所が古期造山帯として有名なところです。
なかでも重要度が高いのが

・アメリカ東部のアパラチア山脈
・オーストラリア東部のグレートディバイディング山脈

となります。

大地形(3)新期造山帯

残る1つは一番地形として新しい新期造山帯です。

新期造山帯というのはもっとも新しい地形です。
中生代から新生代にかけて、
場所によっては今現在でさえ高い山がどんどん作られているような場所のことです。

中生代というのは恐竜がいた時代ですが
地球全体の歴史からみると、
それでもまだまだ新しいです。

そのころに陸地と陸地がぶつかって
高い山が盛り上がったり、
火山が噴火して山がどんどん高くなるとか
そんなふうに高い山などが良く作られているのが
新期造山帯という場所です。

なので新期造山帯に該当する場所は
非常に高峻な山地です。
高峻とは高くて険しい感じの山が多いというような意味合いになります。
ですから私たちがイメージする山に一番近いのが新期造山帯です。

このような場所では資源でいうと
石油がとれるような場所もあります。

他にも鉱山資源の一部が、
たとえば金属だと銅などが新期造山帯でよくとれるといわれています。
ですが、古期造山帯ほどわかりやすい特徴ではありません。
ただ、「石油がとれることもある」くらいは
知っておいても損はないかと思います。
でも、そこまで必死で理解する必要はないと思います。

新期造山帯というのは
いまだに地殻変動が続いていることもあって
たとえば火山などが分布していて噴火したりしています。
またマグニチュード7とか8レベルの大地震が
頻繁に起きるような場所もある
そういう地殻変動が激しい場所だからこそ、いまだに
高い山ができているような場所だということが新期造山帯の知識として重要です。

新期造山帯というのは世界でも高い山が多い場所であることが多いです。
では新期造山帯に該当する山として
どんな場所があるのでしょう?

グループとして2つに分けられます。

新期造山帯(1)アルプス=ヒマラヤ造山帯

まずはヨーロッパのあたりからスタートして
東南アジアのあたりまで連なっている、
アルプス=ヒマラヤ造山帯があります。
代表的な山脈名としてはヨーロッパのアルプス山脈や
世界で一番高い山が分布しているヒマラヤ山脈などがあります。

それからアフリカ大陸の北西部に位置しているアトラス山脈。
アフリカでは唯一新期造山帯に属している場所だといわれることもあります。
それからイタリア半島を横切っているような形で分布している
アペニン山脈も新期造山帯の山地として有名です。

ちなみにイタリアという場所は火山があります。
地殻変動も結構多いです。
そういった意味ではヨーロッパの中でも南側の地域などには
アルプス=ヒマラヤ造山帯に該当する山地が多いといえます。

他にもスペインとフランスの国境にあるピレネー山脈も
アルプス=ヒマラヤ造山帯に該当するといわれたりします。

新期造山帯(2)環太平洋造山帯

それから2つ目のグループとしては
太平洋の周りをぐるっと取り囲んでいるように広がっている
環太平洋造山帯という場所になります。

この地域もまた有名な新期造山帯の山脈が多い場所です。
ちなみに日本列島も環太平洋造山帯に含まれています。
つまり日本は新期造山帯の山地が大部分を占めているといわれています。
だから日本は地震も火山も多いということです。

それから日本から少し南に行くとフィリピンのあたりや
インドネシアのあたりをさらに通り、
南半球だとニュージーランドから南極の一部辺りを通り
その後、南アメリカ大陸の西側を走っているアンデス山脈や
北アメリカ大陸の西側を走っているロッキー山脈などがあり、
その後、また日本辺りに戻ってくるという感じで
ちょうどぐるっと太平洋を取り囲んでいるような形をしているのが特徴です。

日本もそうなのですが、
アメリカなどの西側に広がっているロッキー山脈、
それから南アメリカのチリなどに分布しているアンデス山脈、
この辺も有名な新期造山帯の山地です。

今いった場所、アメリカ合衆国の西側は
よく地震が起きる場所です。
ロサンゼルスとかサンフランシスコがあるような場所は
ロッキー山脈に近いので地震が良く起きます。

ちなみに南アメリカ大陸のチリなども
よく地震が起きる場所なのですが、
これも新期造山帯の山地だということで説明が可能です。

日本からみると
ちょうど地球の反対側みたいなところにあるチリなのですが、
チリで大きな地震が起きると太平洋を伝わって
津波が日本までやってきたりします。

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大地形についてわかりやすく解説まとめ

というわけで、新期造山帯の場所としては
かなり数がありますが、
以上の場所が代表的な場所ということになります。

以上のように地球上の陸地をいくつかに分ける場合、
作られた時期やその場所が安定しているかどうかとか
そのあたりで大雑把に分けることが多いと言えます。

この山脈はどっちに該当するか?みたいな問題が地理で
出題されたとした場合、
どれが古期造山帯で、どれが新期造山帯なのか?
区別できるようにしておきましょう。

以上で解説を終わります。