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1次試験

バックワードインダクションとは?具体例を挙げてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

後から前に逆戻って最適な行動を決め、
最適でない行動を消去していく方法を
バックワードインダクションといいます。

バックワードインダクションを例えてみますと、、、
もしバックトゥザフューチャーみたいに
過去にタイムトラベルできるとしたら、
自分にとって不都合な過去を消していき
都合のよい過去だけ残していくような感じでしょうかね。

 

ナッシュ均衡の特殊な例である囚人のジレンマは
同じ時間帯に別々の部屋で取り調べを受ける中での話でした。
囚人のジレンマとは?具体例で解説

バックワードインダクションではゲームの方法が違います。
まずバックワードインダクションでは時間の流れがあります。

バックワードインダクションと似ているゲームといったら
将棋とかオセロでしょう。

相手がさして一手に対して、
次に自分が最適な一手を考えさしていく。

将棋やオセロも相手が一手さすまでの時間、待つという感じで
交互に選択していくわけです。

このように時間の経過をふまえるようなゲームにおいて
最後に意思決定する側から考えるのでバックワードインダクション
といいます。

さらに詳しくバックワードインダクションについて解説していきます。

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バックワードインダクションの具体例

たとえば、あなたは会社の社長です。

まず社員は不倫をするか、我慢して不倫をしないか
選べるとしましょう。

社員が不倫をした場合に、不倫を許すのか不倫を許さず懲戒処分にするのか
というのを選べるとしましょう。

で、懲戒処分の中には1万円給料カットとか
出勤停止1週間くらいの軽いものから、
懲戒解雇くらいのものすごい厳しい処分ものまでいろいろあります。

たとえば懲戒解雇くらいの厳しい処分は
あまりよい効果を生まないです。

それがなぜかというのをバックワードインダクションで
考えることができます。

以下の表は左側が社員の利得で右側が社長の利得を
表しています。

バックワードインダクション

たとえば、表の一番下の赤枠をご覧ください。

バックワードインダクション

社員が不倫をして社長が懲戒処分を下したケースです。
減給10%とか懲戒解雇処分です。

すると紹介処分を受けた社員は精神的にきついですよね。
もしかしたら自宅の奥さんや旦那さんに不倫がバレてしまって家庭内不和が起きてしまうかもしれません。

だから社員は左側のなので―7の利得です。
また、社長が下した懲戒処分で社員の家庭がおかしくなり
仕事へのモチベーションが下がったり、
SNSで会社の悪口を書いたりするかもしれません。

バックワードインダクション

すると社長だって無傷ではないですね。
社長もー7の利得になりました。

次にこちらの赤枠をご覧ください。

バックワードインダクション

社員が不倫をしたけど、社長が許すケースです。
このケースは社員は不倫をやったもの勝ちです。

なので社員の利得は7になります。
で、不倫相手は社内の同僚だったら
社内は相応、やりにくい環境になっているでしょう。

それをみている社長は「どうしようか」と
悩んでしまいます。
そういった意味で社長の利得はー3です。

次にこちらの赤枠をご覧ください。

バックワードインダクション

社員が不倫をしていないけど
不倫以外の原因で懲戒処分をくらうケースです。

たとえば、社員が無断欠勤をしたようなケースです。
当然、懲戒処分をくらった社員はつらいので
利得はー7です。

そして懲戒処分を下した社長も
「ちょっと厳しい処分だったかな、
会社を辞められたらどうしようかな、、、」
と精神的にきつい部分もあります。

なので社長の利得もー7にしましょう。

次にこちらの赤枠をご覧ください。

バックワードインダクション

社員が不倫をしていないし、
懲戒処分も受けないケースです。

このケースでは何も物事が起こらず
平穏な1日を送っているので
利得は社員の社長も0です。

以上の前提で社員はどうするだろうか?
と考えてみましょう。

バックワードインダクションの考え方だと
社員は結局、不倫をするのかしないのか?
どちらでしょうか。

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バックワードインダクションの考え方だと・・・

バックワードインダクションは終わりから考えていく
考え方でしたね。

バックワードインダクションは終わりから考える

なので、まずこのケースだと
社長はどういう選択をするのか?から考えます。

ではこちらの赤枠(社員が不倫をしたケース)だったら

どちらが利得高いか

社長の利得はどちらが高いでしょうか?
懲戒するケースの社長の利得はー7で
懲戒しないケースの社長の利得はー3ですね。

-7とー3だったら、-3の方が
利得が高いですね。

ということは、

どちらが利得高いか

社長は懲戒しないケースを選ぶことになります。

次にこちらの赤枠をご覧ください。
社員が不倫していないケースです。

バックワードインダクション

懲戒する場合の社長の利得はー7で
懲戒しない場合の社長の利得は0です。

0の方が利得が大きいので懲戒しない方を
社長は選ぶことになりますね。

次に上の方、つまり社員の立場で考えましょう。

ただ、すでに社長のケースで
懲戒するケースは除外されています。
以下のように社員は紫色のケースだけ
考えればよいわけです。

バックワードインダクション

すると社員が不倫した時の利得は7で
社員が不倫していないときの利得は0ですね。
なので社員としては不倫した方が得になってしまうわけですね。

ということは、

バックワードインダクション 結論

社員は不倫をして
社長が懲戒しないという結論になります。

結局、不倫したとしても社長は懲戒処分にしたら
かわいそうだなとなってしまい許してしまうので
社内で不倫が横行してしまうことになります。

なのでこういうケースを防ぐにはどうしたらよいでしょう?

バックワードインダクションの結末

かわいそうだなと社長は思っても
会社のためにもきちんと懲戒処分を下すことによって
社員に「懲戒処分になってしまうんだな」と思わせるべきです。
そして-7の利得にさせるべき
です。

そうすれば社員は不倫をしないケースを
選ぶようになるでしょう。

社員が不倫しないケースだと社長が懲戒しない方が
社長も社員も利得が高いです。

不倫をしなければ許されるので
社員も不倫をしなくなる可能性が高いです。

だから懲戒処分を毅然とした態度で
社長が下すことによって社員の不倫がなくなる
と考えることができます。

これがバックワードインダクションの考え方です。