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1次試験

所有と経営の分離とは?簡単にわかりやすく解説




中小企業診断士試験の経営法務や公務員試験の経営学の試験を
受ける方、まずは『所有と経営の分離』という用語は覚えておきましょう。

今回の記事では所有と経営の分離について
簡単にわかりやすく解説していきたいと思います。

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所有と経営の分離を最初に指摘したのは誰?

この記事をご覧のあなたなら株式会社という言葉は
知っていると思います。

株式会社というのは
所有と経営が分離しているのですが、
『所有と経営が分離している』という言葉は
1932年にバーリさんとミーンズさん
著書『近代株式会社と私有財産』の中で指摘しました。

少なくとも公務員試験受験生はバーリさんとミーンズさんという名前は
覚えておきましょう。
中小企業診断士試験でも細かい用語が問われることがあるので
知っておいて損はないと思います。

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所有と経営の分離を簡単に説明すると・・・

株式会社において所有者は株主なんです。
株主がお金を出してくれる(出資する)ということです。

つまり株主が経営のために資金を提供してくれるというわけです。
これが所有です。

これに対して経営は取締役がします。
株主から出資された資金を運用して利益を得て
それを株主に分配をします。

で、株主と取締役は別人だということで
所有と経営がわかれている、分離しているというわけですね。

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所有と経営の分離が起きた理由

所有と経営の分離が起きた原因・理由は2つあります。

所有と経営の分離が起きた2つの理由は

・経営が大規模化している
・株式所有の分散化

です。

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所有と経営の分離が起きた理由1.経営が大規模化している

たとえばあなたはこれから個人商店(文房具屋さん)を始めるとしましょう。
規模はめっちゃ小さいです。
その個人商店のオーナーであるあなたが200万円出資して店を始めたとします。

この場合には所有と経営が一致します。

なぜならお金を出したあなたは出資者です。
あなたは出資者であると同時に経営者でもあります。
だから、規模の小さな個人経営の場合には所有と経営は一致します。

もしこれが大規模経営になるとどうなるのでしょう?
たとえば、ソフトバンクさんとかトヨタさんのケースです。

大規模経営の場合には、なかなか自分でお金を出して
自分で経営をするのが難しいと言われています。

ですから
大規模経営ならば所有と経営は分離します。
たとえば、どんどん規模が大きくなる株式会社があったとしましょう。
株主が3000万円出資して、取締役が会社を運営します。

出資者(株主)は経営能力があるとは限りません。
ですから、経営能力がない可能性がある株主がお金を出してくれるので
他に経営の専門家が必要になってきます。

この経営の専門家という人が取締役になるんです。

こんな感じで大規模な経営の場合には
所有と経営が完全に分離されてしまいます。

つまり所有と経営の分離というのは
所有者と経営者が別人になってしまうことをいいます。

要するに別々の人が担当するというのが所有と経営の分離です。
特に会社の経営が大規模するような場合には所有と経営が分離するという傾向があります。

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所有と経営の分離が起きた理由2.株式所有の分散化

所有と経営の分離が起きた理由の2つ目ですが、
2つ目は株式所有が分散化したことが挙げられます。

経営が大規模化してきている状態になると
株主の数もふつう増えてきます。

株主は株式を持っている(所有している)わけです。
なので、株主の数が増える=株式所有が分散化してくることになります。

たくさんの人がその会社の株式を持っているということは
自分の意見だって通りにくいでしょう。
となると株主の数が増えれば増えるほど、株式所有が分散するほど
会社の経営に関心がなくなってくるわけです。

では株主は何に関心があるのでしょう?
会社の経営そのものよりも、
「いったい自分はいくら配当がもらえるんだろう?」
「どれくらいの株価何だろう?」というところに
関心がある
わけです。

でも会社をうまく経営しないと、
会社は儲かりません。

だから誰か別の人に経営を委託しようとなるわけですね。

記事の冒頭でも登場しました、
バーリさんとミーンズさんは『アメリカでは
株式所有が分散化されることで
支配が所有から分離されて
多数の会社では支配的な所有者がもはや存在しない

と主張しました。

株式所有の分散というのは
いろんなタイプの株主(いろんな考え方の人がいるということ)がいるからこそ
起こるんですね。

ではなぜ株式を分散化させるのでしょう?
株主が増えるのでしょう?

理由としては
1株当たりの値段を下げた方が出資者(株主)が集まりやすくなるからです。
もちろん、こうやってたくさんの出資者が集まることで
会社にお金がたくさん集まってくるので、財政基盤も強化されます。

だから株式を分散化させた方がよいわけです。

たとえば、1株が1億円クラスになると
1棟のアパートを購入して家賃収入を得るくらいの話になりますね。
こうなるとサラリーマンが軽く、株主になることなんてできません。

ですから、1株1億円だと言われると
株主が集まる可能性はかなり低くなります。

でも1株が1万円だったら
サラリーマンでも株を取引することができますね。

だから細かく株式を分けた方が
単位当たりの株価が下がってくるので
その方が、たくさんの株主を集めることができるわけです。

結果、会社にお金がいっぱい集まるので
会社の財政基盤を強化することができます。

ですが、単位当たりの株価が低くなると
誰でも株主になれるわけです。

引きこもりのニートだって株主になれます。
さすがに経営能力は低いはずです。
つまり経営能力は期待できません。

株主総会

それから株主総会に参加するとしましょう。
たくさんの株主が参加していますが、
周りを見渡しても、初対面の人ばかりのはずです。

株主同士で意見を出し合って、
「相模原店に出店したほうが、来店数が増えるんじゃない?」
みたいな会話なんてできないでしょう。

株主同士、仲が良いわけでもないし
経営能力が低い可能性の方が高いわけですからね。
これを専門用語で統一的な意思決定を行うことが困難といいます。

また、株主自体が会社の経営を行う意思もありませんからね。
先ほどもいいましたように株主の興味は株価や配当金にありますから。

だからこそ、経営の専門家にお願いしたほうが
株主にとってもメリットが大きいわけです。
だから会社の規模が大きくなればなるほど、
所有と経営は分離することになります。

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株主になるメリット|所有と経営の分離

ここまで解説してきたように
株主は経営に関する能力もないし、
そもそも経営に興味もないというのが一般的です。

ではなぜ株主になろうとしているのでしょう?

株主になるメリットは2つあります。

株主になる2つのメリットとは

・インカムゲイン
・キャピタルゲイン

の2つを得ることです。

インカムゲインは株主が受ける配当のことです。
キャピタルゲインとは株価の値上がり益、
あるいは売って儲けた株価の売却益のことです。

株の時価が上がれば値上がり益がアップします。

こういうことに株主は興味がありますし
だから株主になろうとするわけです。

たとえば、会社がたくさんの利益を計上すると
株主の配当は多くなります。
つまりインカムゲインが増えます。

と同時に利益がたくさん計上されるということは
一般的には株価も高くなるので
値上がり益も期待できるのでキャピタルゲインも増えます。

以上で解説を終わります。